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第102話 ホワイトの日常

 活動を開始してから約1ヶ月……私はまだオクタ姉さんと一緒に住んでいた。


「ホワイト! 一緒に今日もトレーニング頑張ろうね!」


「はい! オクタ姉さん!」


 朝はオクタ姉さんは早く起きる。


 私が6時に起きるとしたらオクタ姉さんは5時頃起きてシャワーを浴びたり、髪を整えたりといった身支度をする。


 そして私が起きる頃にモーニングコーヒーを注いでくれる。


「はい、ホワイト」


「ありがとうございますオクタ姉さん」


 コーヒーを1杯飲んでから私の1日は始まる。


 顔を洗ったり、トイレに行ったりし、戦闘員の服に着替えると朝食を食べに食堂に移動する。


 オクタ姉さんと社宅のマンションを出て、地下通路を通り、食堂に移動する。


 今、外は毎日猛吹雪で戦闘服にマスクのフル装備でないと活動できないくらい凍えるような寒さの世界が広がっている。


 そのため地下通路が各社宅だったり、各種施設に繋がっていて、食堂もその一環で繋がっている。


 食堂前は朝の時間は皆集中するために地下通路に行列が出来ている。


 ただ列は直ぐに前に進み、食堂の中に入ると、おぼんを取り、各種おかずを受け取り口から受け取っておぼんに並べていく。


 そしてそのままご飯を大きなボックスが置いてあるので、そこからご飯をよそっていく。


 ご飯の横には温泉卵、納豆、梅干し、とろろの4種類が小鉢で置かれているので、2つまで選んで持っていくことが出来る。


 私は温泉卵と梅干しを選択。


 そして横に味噌汁が出る大きなポットが置いてあるので、味噌汁をお椀に流し込み、乾燥わかめやお麩、刻みネギなどをトッピングし、最後に飲み物をコップに入れて席に着く。


 飲み物は水、麦茶がおかわり自由、オレンジ、リンゴ、ブドウジュースは最初の1杯だけ飲めるようになっていた。


 怪人になると食堂のコースが違い、もっとおかずが豪華になったり、色々な飲み物が飲めるらしい。


 ちょっとした特権であるが、その違いが戦闘員達に怪人になれるように頑張るやる気に繋がる。


 おぼんいっぱいに料理を乗せてオクタ姉さんの分含めた座席を確保し、オクタ姉さんに同期のヘキサシックスことシックス兄さんがたまたま一緒だったので相席することになった。


「「「いただきます」」」


 今日のおかずはハムカツと餃子であり、シックス兄さんが餃子に酢をかけて胡椒をまぶしながら食べていた。


「シックス兄さん餃子の食べ方通ですね」


「ケケ、そうか? いや、ネットで宇都宮の餃子は餃子のタレじゃなくて酢と胡椒だけで食べるって書いてあったからな。真似してみた。旨いぞ」


「じゃあ私もー」


 オクタ姉さんも真似するので私も真似をしてみる。


 これがなかなか美味しい。


 ハムカツはマヨネーズに七味をふりかけて食べる。


 オクタ姉さんはレモン汁をかけて、シックス兄さんはソースをたっぷり掛けていた。


 あっという間にご飯が無くなり、おかわりしにいく。


 ついでにオクタ姉さんとシックス兄さんの分のお茶碗を貰い、2人の分もよそってくる。


 米と味噌汁のおかわりは自由なので気の済むまで食べることが出来るが、朝食が食べられる時間は6時から8時までの2時間なので、その間に朝食を食べなければならない。


 寝坊したら朝飯は抜きだ。


 私含めてご飯を3回おかわりし、お腹を満たした私達は一度社宅に戻ってゆったりする。


 始業が8時45分なので、8時30分に始業会場に向かえればオッケー。


 食事をしてから約1時間は自由タイムであり、歯を磨いたり、私はこのタイミングで朝シャワーを浴びたりする。


 オクタ姉さんはこの時間テレビのニュースを見たりしているが、日本のテレビ局はどこも内戦の情報ばっかり。


 被害人数やどこの地域を取り返した、失陥した、司令官の誰かが亡くなった……そんなのばっかりであり、闇市場のおすすめ店の紹介を見ていた方がはるかに有意義である。


 ちなみにロシアの極東放送や中国、韓国、アメリカ(アラスカ)の電波も拾える為に色々なチャンネルを見ることが出来る。


 ソファーに座ってゆっくりし、8時25分には社宅を出て朝礼会場に向かう。


 地下2階の多目的室内運動場に集まると、8時45分からラジオ体操が流れ始め、ラジオ体操を行う。


 それが終わるとKお父様がブラックカンパニーの社訓を言うので復唱し、連絡事項を言われ各自作業が始まる。


 ほとんどのブラックカンパニーの社員は炭鉱や油田の採掘作業従事で、一部の人員が怪人になるためのトレーニングが行われる。


 私も日々オクタ姉さんと一緒にトレーニングを行っている。


「オクタ姉さん、私達は仕事らしい仕事をしなくて良いんですか?」


「私達は戦闘力を求められるからね! というか私も簡単な仕事を数回しかやったこと無いし……」


「え! そうなんですか?」


「うん! 私もそんなに仕事をしたことは無いよ! 多分怪人マッチにそのうち参加させられるかもしれないけどねー!」


「怪人マッチ……」


 ブラックカンパニーの収入源……怪人マッチ。


 今ワン兄さんとジオツー兄さんの2人が私が起動する前から怪人マッチに参加しているらしく、2人で月2億ドル近く会社に納めてくれていると聞いていた。


 2人共10位から20位をうろうろしているらしく、勝ったり負けたりをして勝率6割をキープしているのだとか。


 私も将来怪人になったら行くことになるだろう。


「まぁ私達の場合、樺太制圧が戦略目標になっているから、樺太制圧までは仕事らしい仕事も少ないと思うけどね」


 とオクタ姉さんが言う。


 つまるところトレーニングが私達の仕事ということだろう。


 このトレーニングを中心を仕事としているのは私みたいな特殊な例を除くと怪人になるのが近いベテランの戦闘員の最終工程としてやっていた。


 昼間のトレーニングはオクタ姉さんの同期のテト姉さん、ノナ姉さん達に揉まれながらやることが多く、結構楽しく毎日を過ごせている。









 そしてトレーニングが終わると明日の予定を確認して退勤をする。


 退勤後は夕食を食べ、残りは自由時間。


 私は大浴場に行く事が多く、オクタ姉さんと一緒に決まった時間大浴場でゆったりお風呂に入り、トレーニングの疲れを癒す。


 それからは社宅に帰るとオクタ姉さんの同期の皆でゲーム大会をしたりして時間を過ごし、床に敷いた布団にくるまって眠るのだった。



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