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いつ取材しても、にこやかに彼はノーコメントとだけ言う。
相手にどう判断されても構わないということのようだが、それだけ自分がしていることに、なにか自信があるのだろう。
彼は、俳優で名をはせている。
手野国際音楽祭で最優秀主演男優賞を取り、そこから彼はめきめきと超有名人へとのし上がって来た。
ただ、その前から、ずっとコメントを求めてもすべてノーコメントで終わらせようとする。
そのためか、単独取材というのは行われたことがない。
せいぜい、出ている映画の宣伝をしていることぐらいだ。
今や、彼にノーコメント以外のコメントをいつ話させるのかということが賭けの対象になっているともいわれている。
それだけ、彼のコメントは求められているということのようだ。