表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

耳は生きているー№4

蜜子のグリーン・スリーブス

作者: 種火・たねび

 【蜜子の・グリーン・スリーブス】

 【蜜子と指定暴力団加結美組】(かゆみぐみ) 1      

  【玉子の妹を救おう】


【花咲蜜子は18才に成って居た】

【蜜子のスマホが鳴った・女王メリーの葬送曲が流れた】

〖同級生の淳子からだった〗

『蜜子!蜜子!早く来て!大事な相談が在るのよ』淳子

『えっ!なに!どんな事!』

『スマホじゃさー!詳しく話すと長く掛かるからさ!ねー家まで来て』

『解ったー!じゃーさー!なるべく早く行くよー!』

〖親友の淳子の家まではそう遠くは無かった〗

〖蜜子は大型バイク自動二輪の免許を取得して居る〗

〖勿論七百五十CCの大型バイクも持って居る・淳子の家までは

チャリンコで10分位だ〗


〖チャリンコに乗って頬で風を切るのも可成り気持ちが良い物だ〗

〖セーラー服をなびかせながら淳子の家へと向かった〗

【淳子の話はこうだった】

〖同級生の玉子の妹が年上の男と付き合って居たが、体の関係も出来た

挙句の果てに、Hなマッサージ店で働かされて居るとの事だった〗

〖玉子からその、Hなマッサージ店で働くのを止めさせて、年上の男からも妹を引き離してくれないかと言う事らしい〗


『ひどいねー!それって!その年上の男っていくつなの?』

『それがさー!32!33!才位らしいよ』

『玉子の妹っていくつなのー?』

『確かさー中3位だったと思うよ』

『中学3年で32・33!の男と付き合って居るのもチョット不味いけどねー

『妹の名前は何だっけ?』

『えーとねー!・玉希ちゃんとか聞いた様な・知らんけど!』

『その玉希ちゃんはどう言って居るのかしら?』

『もう止めてーとか言って居るらしいけどその男がさー見張って居る

らしいのよー』

『車なんかで送り迎えなんかしちゃってさー!・何とか成る蜜子!』


『そうねー!一人じゃチョット大変だけど、淳子と玉子にも手伝って

貰おうかしら?』

『じゃーあー!・ひとつ作戦会議としようかな!』淳子

『早速玉子にも来て貰ってよ、スマホで連絡取って!』蜜子

『あいよー!』淳子

『じゃーあー紅茶を入れようか』蜜子

『何か気の利くお茶受けでも在るかしら?』淳子

『そーねー!種子島特産の落花生甘納豆が在るわよ』蜜子

『うまいー!チョーウマー!』淳子

〖30分後・3人が揃った〗

【女子高生3人が集まって作戦を練る事と成った】


〖しかし作戦会議は意外と早く終わった、話の大半は男子生徒の話で

盛り上がった〗

〖結論として蜜子の超能力グリーン・スリーブスに一任する事と成った〗

【蜜子のグリーン・スリーブスを紹介致しましょう】


【蜂さん!蜂さん!早くおいでよ!早くおいで!】

【蜜子の周りに来て頂戴!】

【帰りにお礼をしましょうね】

【指差す方にお花が沢山咲いて居るよ】

【蜜を一杯吸って元気に成って仲間の所に帰って頂戴】

【片方の手を高く上げ指先で軽く手招き・しなやかな指先の動き】

【まるで舞って居る様です】

【すると遠くの林の中から黒い塊が宙を舞って近づいて来て居ます】

【近くで良く見るとバレーボール位の大きな塊です】

【沢山の蜂達です】

【蜜子の周りに来ると蜜子の体を守るかの様に、蜜子の体の動きに合

わせて蜂達は分散した】


【蜜子が動けば一緒に動き、蜜子が止まればホバーリング】

【蜜子の手が伸び指させば、指した相手に飛んで行く】

【指の合図で攻撃開始・どんな相手にも怯まない・毒針注射お見舞いよ】

【蜜蜂・アシナガ蜂・スズメ蜂・黄色スズメバチ・大スズメ蜂】

【蜜子が呼べばどんな時でも、呼び寄せ集結させる】

【グリーン・スリーブスを口ずさめばどんな時でも現れる】

【これが蜜子の超能力・グリーン・スリーブスなのです】

【蜜子は蜂達を飼って居る訳では在りません・自然界に存在する蜂達を

呼び寄せる超能力です】

           【前出錯覚と言う男】

           【まえだし・さっかく】

【2日後】

〖3人は【蜜の味底無し・奥の細道】と 言う喫茶店に男を呼び出した〗

〖男の名前は前出錯覚と言うらしい・玉希ちゃんを奴隷の様に扱う

ヒモ男だ〗

〖しかし、約束の時間を15分過ぎても現れ無かった〗

『ちょっとさー・来ないんじゃないのー』淳子

『来る筈よー玉希ちゃんに言っといたからさー』玉子

『時間にルーズな男なのよ・きっと女の子にもルーズなのよねー』蜜子

『もう、25分も過ぎて居るわよ帰るとするー』淳子

と〖その時一人のスーツ姿の男がキョロキョロしながら、3人の座って

居るテーブルへと近づいて来た〗

『あらっ、あの男かしら』蜜子

『ちょっと、イケメン風ね・どうもそうらしいわね』淳子


〖スーツ姿の男は3人のテーブルの横に来ると〗

『ちょっと、遅れちゃったなー、色々と忙しくてよー・お詫びにさー

ケーキ代持つよ!まー!勘弁してくれよ!』前出錯覚

と 〖言いながらソファーに腰を下ろした〗

〖男はポケットからタバコを取り出した〗

【その時】

『ここはさー、禁煙席よタバコは閉まって貰おうかしら』淳子

『そうかい、どうって事無いと思うけどまーいいかー』と

〖言いながら渋々タバコをポケットにしまった〗

〖前出錯覚は注文したコーヒーが来ると〗

『俺に大事な話って何だい・ムッチリ女子高生が3人もそろってよー』


『最近の女子高生は結構ムッチリで、いい尻しているなー・中々良いぜ』

『後が楽しみだぜ・けっ・へっ・へっ・色々と染み込んでいそうだぜ』

と 〖ジロジロと上から下まで舐める様に目線を滑らせた〗

『あんたさー、玉子の妹の玉希ちゃんをエッチな店で働かせて居る

んだってねー』と 淳子

『別れてくれないかなー、まだ女子中学生なのよー、玉希も嫌がって居る

様だし、まだ未成年なのよー、今直ぐ別れて貰えれば警察には届けない

けどどうかしら』玉子

『未成年を働かせちゃー・いけないんじゃーないのー・後ろに手が

回るわよ』蜜子


『そりゃー・出来ねー相談だなー・玉希の方から俺のアパートに転がり

込んで来たんだぜ・無理やり引っ張って来た訳でもねーんだぜ』

『最初はそうかも知れないけど今は、すっかり嫌がって居るらしいけど』

『本人がそう言ったのかい』前出錯覚

『本人の口からきちんと聞いたのよ』玉子

『どうしても別れないと言ったらどうするつもりだい、えー聞きてーな

3人さんよー』錯覚は3人の顔をぐるっと見回した

『ある日天罰が下るけどそれでもいいかしら』淳子

『天罰だと、笑わせるじゃーねーかー、俺の辞書には天罰何て文字は

載ってねーぜ』錯覚

『その細腕でどんなお仕置きなさるんでー・はっ・はっ・はっ』

錯覚は笑った


『本当よ、後悔して貰おうかしら、部屋の鏡を良く磨いて置く事ね、

あんたは辞書何て持って居ないんじゃないの、その顔と辞書が結び

付かないわよ』蜜子

『ほー、鏡を磨いておけだとひょっとしたら黒のランジェリーに黒の

パンティ姿で、ムチでもお振りなさるんで女王様』

『3人一緒に可愛いお尻を並んで見せてくれるかい』

〖錯覚は薄笑いを浮かべながら蜜子に目線を合わせた〗

『解って貰えないみたいね、別れる気に成ったら電話頂戴、これっ、

スマホの番号よ、別れて貰えないと天罰は何度でも続くわ』蜜子

〖前出錯覚はいきなり立ち上がると〗

『まー、無駄な時間だったな・下らねー話だったぜ』と 言いながら

イスを蹴った

3人のケーキ代を払う素振りも無かった

        【痛い天罰】

蜜子は前出錯覚のアパートから少し離れて立って居た

蜜子のスマホが鳴った

『玉子どうだった、性活パターンの方は』蜜子

『あの男はさー昼頃と夕方頃に玉希の送迎をして、夜は遊び歩いて朝方に

帰って来ると言うパターンみたいだねー』玉子

『じゃー・今の時間はおねんねの時間と言う事ね』蜜子

『朝の八時だからおねんねの真っ最中だね・玉希ちゃんには窓を少し開

けて出掛ける様にと、言っといたわ』玉子

〖前出錯覚のアパートのドアが開いて玉希ちゃんが出かけた、多分

コンビニだろうと蜜子は思った〗

〖蜜子が右手を高く上げグリーン・スリーブスを口ずさんだ〗


【蜂さん・蜂さん早くおいで・蜜子の周りに来て頂戴】【音楽】

【蜂さん・蜂さん早くおいで・蜜子の周りに来て頂戴】

【蜂さん・蜂さん・帰りに美味しい蜜あげるわね】【ホット・スタッフ】

【蜂さん・蜂さん・私の指先良くみて頂戴】


〖するとどうだろう・アパートの周り林の中から数十匹のアシナガ蜂が

現れた・蜜子の指先付近でホバーリングした〗

【蜜子は錯覚のアパート指差し指先で部屋の番号【83号】を書いた】

〖アシナガ蜂達は一目散に前出錯覚のアパートに飛んで行き窓から

侵入した〗

【30秒後錯覚の部屋から大きな悲鳴が・轟渡った】

【うお~っ・イテ~ッ・あう~っ・イテ~ッ・あっあ~・あ~あ~!】

【なんだこりゃ!イテ~ッ】【ちくしょう!何で蜂が居るんだ・あ~っ】

【くそ~っ!あっあ~!うお~っ!あっあ~!】【ちくしょう~め~!】

〖アシナガ蜂達が蜜子の周りに戻って来た〗

〖蜜子はグリーン・スリーブスを口ずさみながら蜜の在る方角を

指差した〗


【蜂さん・蜂さん・帰りにお礼をしましょうね】

【蜂さん・蜂さん・蜜の在る場所教えるわ】

【一杯吸って元気に成って帰って頂戴ね】

【アシナガ蜂達は喜んで蜜子の示した方角へと飛んで行った】

〖前出錯覚の顔は見事に醜く腫れ上がって居た、顔だけを好きなだけ

刺されたらしい〗

〖前出錯覚は鏡で自分の顔を見た、そして仰天した〗

【うわ~っ・なんだよ~俺の大事な顔が~】

【あっあ~・こんなに~・うわ~っ・くそ~っ・命より大事な顔が~っ】

【錯覚は蜜子の言葉を思い出して居た】

【部屋の鏡をピッカピカに磨いて置く事ね】

【錯覚の顔は3倍に膨れ上がり、誰とも見分けが付かない全くの別人に

変身して居た】


【ある日天罰が下るわ】と 淳子の声も思い出して居た

【別れて貰えないと天罰は何度も続くわ】この声も思い出して居た

【錯覚には信じられない出来事だったが、醜く腫れ上がった顔だけは

現実の出来事だった】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・どうした!どうした!何があった!ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・朝からなんだ!朝からどうした!ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・朝は通勤渋滞!混んでる!混んでる!ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~コロナが優先!お前は2の次!ピ~ポ~・ピ~ポ~】


     【筒抜け会話・スイッチONの救急車】

 【救急車に乗り込んだ】

【大丈夫ですか・痛いですか・気分はどうですか・熱はありますか】

【めまいがするとか・吐き気がするとか・屁が出そうとか在りますか】

【チョット臭っていますが、中身出しましたか・大丈夫ですか】

【一人の救急隊員が矢継ぎ早に聞いて来た】

【大丈夫な訳ねーだろう・ちきしょうめ・チョー・イテーぜ】

【顔中が爆発しそうだぜ・もっとスピード出さんかい・バンバン飛ばせ】

【一人の隊員が】

【もう・爆発してますね・元通りに成りませんよ】

【あーっ・何―っ・この野郎】

【何処か知って居る病院でも在りますか、行き付けの病院でも有れば直行

出来るんですが】


【知らねーなー・俺って元々健康だしなー】

『じゃあー・寄居町の【寄居総合火葬場合併病院】でもいいでしょうか』

【あーっ・あそこかー・あそこしかねーのかー】

【知って居ますか】隊員

【あそこはよー・別名ヤブ医者総合火葬場合併病院と噂されて居るぜ

あそこしかねーのかよー・救急車から連絡が在るとよー・直ぐ棺桶を

発注するらしいぜ、気が乗らねーな―】

〖すると救急車の中の一人の隊員が大きく笑った〗

【はっ・はっ・はっ・なーんだ知って居たんですか】


〖別の隊員が〗

【はっ・はっ・はっ・俺もあそこだけは行きたくねーなー】

【今まで何百人も搬送したけど、年に40人はそのまま帰って来なくて

行方不明で処理された様だぜー】

【そうだ・そうだ・あそこの院長の弟は葬儀屋だったけなー】

【弟の葬儀屋は確か・真下追医焚鬼】(ました・おいだき)

【兄弟2人揃って大儲けして居るらしいぜ・寄居町の長者番付けで毎年

一番・2番を競い合って居るらしいぜ】

【弟の葬儀屋がよー・正月に成ると入院患者にでっけー餅を配るらしいぜ

おいしいから早く食べて下さいと急かすらしいぜ】


【横に成って寝て居る入院患者を、無理やり叩き起こして餅を無理やり

口に運ぶらしいぜ】

【暫くすると餅を詰まらせた入院患者が、順番待ちで大賑わいらしいぜ】

【あの葬儀屋は正月三が日休み無しで悲しい悲鳴を上げて居るらしいぜ】

【救急車の中は変な会話で大盛り上がりに成った】

今現在受け入れOKの病院は【寄居総合火葬場合併病院】しか在りません

【なんだとう・くそーっ・本当かよー・ついてねーなー】

【運を天に任せて無理やり、行って見ましょうか】


【あそこの病院は先生方が40名程、おられますので中には一人位真面な

先生にまぐれで当たりますよー】

【この際ですよ・まぐれ当たりで命が助かると思って念仏でも

唱えますか】

〖錯覚の膨らんだ顔を笑いながら指差した〗

〖しょうがねーなー〗と 言いながら渋々承知した

『その病院の院長先生の名前は何と言う』と 錯覚

【院長先生の名前は【真下握瑠】(ました・にぎる)先生です】

【何・真下握瑠だと・大丈夫かよ・良く医師免許に受かったなー】

【それとも金でも握らせたか】

〖救急車から降りると2人の隊員と一緒に診察室へと直行した〗

〖診察室のドアの前まで来ると隊員2人は救急車に戻った〗

〖診察室のドアを開けた〗

〖白衣を着た70才位の爺さんが座って居た〗

【何故か可成り、ㇺッとした表情に成って居る・何かあったのか】

〖40才位の看護師さんも一人立ってこっちを見て居る〗


〖医者の手招きで錯覚はイスに座った〗

【ほう、随分腫れとるな~・隊員の無線に寄ると虫に刺されたと連絡が

合ったそうだが、そうですか】

【先生よ~・虫じゃね~んだよ~・蜂だよ!蜂!アシナガ蜂に刺されたん

ですよ!くそ~っ・チョ~・イテ~ぜ】

【看護師さんチョット体温計を渡してやって】

【チョット・口をあ~んと開けて!もっと大きく【あ~~ん】と

【スプーンみたいな物でベロを抑え付けた】

【む~ん・チョット腫れとるな~】真下握瑠

【スプーンみたいな物を口から出した】

【今度は目蓋の上下を両手で押さえつけ大きく目蓋をむいた】


【看護師さん何度だった】

【39度2分ですね】看護師

【ふ~ん・微熱じゃな~】真下握瑠

【39度2分で微熱かよ!おかしいんじゃね~か~】錯覚

【よ~し・解ったチョット立ってみなさい!】真下握瑠

【それではね!ズボンとパンツを脱いで下さい!】真下握瑠

【先生パンツも脱ぐんですか!俺はよ~顔が腫れて居るんだよ~】

【いいから!言う事を聞くんじゃ!早く脱げ!】真下握瑠

【看護師さん君はちょっと席を外して!】

〖隣の部屋を指差した〗

【看護師が隣の部屋に行くと錯覚はぎこちなくパンツを脱いだ】

【医者は在る一点を凝視した】

〖30秒程見つめて居たが、行き成り錯覚のキン玉を握った40%〗


【どうじゃ~少し痛いか~少し紫色に成っとるが!】真下握瑠

【あ~っ!チョット!あふ~っ・そうでも在りません70%】錯覚

【これでどうじゃ!】【更に力を込めて握りまくった##】

【あふ~っ!チョット痛みが倍増しました!もう!あふ~~あ~110%】

【よ~しっ・今度はどうじゃ!・ギュ~ギュ~・ギュ~ギュ~!190%】

【両手でキン玉を強く握り絞め血管が膨れ上がった・ギュ~ギュ290%】

【あ~っ!もう止めて下さい!もう痛いです!止めてくださ~い390%】


【握るのを止めて~くれ~~690%】大きな屁が出た

【ドッブァ~~ン~~】【990%~~】


【病院全館内に鳴り響き渡り診察室の本棚が倒れて・ドアを吹き飛ばして

廊下に飛び散り・安静室で就寝中患者50名が飛び起きて0.5秒で気絶】

【0.5秒で再び起き上ると25名が心筋梗塞・25名が脳梗塞を発症した】

【病院に設置して在る・震度計・マグニチュード・8.8】


【ふ~ん・可成り鈍感に成っとるぞ・手遅れに成らない内に注射を6本位

打っとくか】右腕と左腕に一本ずつ打った

【錯覚がパンツを履こうとすると】

【パンツを履くのはまだ早い!後4本注射しないといかん!】

【あ~~っ・そこは止めて下さい・一番大事な所です】

【此の期に及んで何を言うんじゃ!長い人生で4・5・回は在る事じゃ!】

【覚悟してくれ!】真下握瑠

【大事な所じゃ・尚更4本打たんといかん!】真下握瑠


【看護師さん4名連れて来てくれ!暴れとる!4人で押さえつけてくれ!】

【後ろから羽交い締めにして・両足を押さえつけて残りの一人は2つの

キン玉を大きく広げて逃げない様にしてくれ!】真下握瑠

【前出錯覚は4人の太った看護師の馬鹿力に負けてしまった】

【両方のキン玉に思い切り2本ずつ注射をされてしまった】

【うおーっ・あっうっー】【うげーっ・あっげっー】

【錯覚が下の方を見ると、キン玉から手を離しかけた白衣の爺天使が

イスに座ってニンマリして居た】

【くそ~っ・ここはやっぱりヤブ医者総合火葬場合併病院だと

知らされた】

【先生俺はよ~・蜂に刺されて顔が腫れて居るんだよ~・キン玉は関係

ね~ぜ・蜂に刺されてキン玉を馬鹿力で握る医者が何処に居るくそ~っ】


【医者はムッとした顔で言った】

【この大馬鹿者が!このど素人が!】

【蜂に刺されて顔が腫れるとキン玉も大きく腫れる事が在るんじゃ、

キン玉も診察しないと後で誤診に繋がるんじゃ、この半端もんが】

【解ったかよーく聞け、責任取れんぞ】

【致命傷に成っても責任取れんぞ】

と 大きくブチ切れた

【それでなー・搬送車の中での君達の会話、あれは何じゃ・一体如何いう

つもりで救急車に乗っ取るんじゃ・全く成っとらん】

【ヤブ医者総合火葬場合併病院だとか】

【俺も行きたくねーとか】


【年に40人は行ったきりで帰って来ないとか】

【院長の弟が葬儀屋だとか・弟の名前が・真下追医焚鬼だとか】

【兄弟揃って大儲けして居るとか】    

【正月に成ると入院患者に餅を無理やり食わせるとか】

【寝ている患者を叩き起こして餅を食わせるとか】

【喉に餅を詰まらせた患者が順番待ちで、正月三が日は悲しい悲鳴で

おお忙しいとか】

【その他にも色々と言っとったな】

【病院全館内に生放送されたぞ、大馬鹿者共が】

【全部筒抜けにライブ放送されたぞ、この大馬鹿者共が】


【如何やら救急車の無線スイッチを切り忘れて、スイッチONの状態で

会話していたらしい】

【くそっあの馬鹿隊員共が】錯覚は呟いた

【どうもすみませんでした】と 錯覚は馬鹿隊員共の分まで謝った

〖帰りに【屁墓屁墓・御握り薬局】で薬を受け取る様に指示された〗

【到底飲む気に成らなかったが貰うだけ貰って帰る事にした】

と その時

【ヤブ医者が看護師に大きな声で、指示して居る声が聞こえた】

【寄居町北分署の搬送車は受け付けんでもいいぞ、あの

バカ北分署の連中は全く成っとらん・赤っ恥かいたぞ】

【北分署の糞救急車は出入禁止じゃ】


【そして、その2日後玉子の妹玉希ちゃんが実家に戻って来た】

〖今度の一件で懲りたらしく前出錯覚とはきっぱり別れたとの事だった〗


  【女王様~・ムレムレ生パン3枚頂戴!】


〖2週間も経った頃〗

〖玉子の実家でボヤ騒ぎが在った〗

〖消防車3台駆け付けたが母屋に隣接したニワトリ小屋が燃えた

らしかった〗

〖8羽のニワトリが焼き鳥に成ってしまったと玉子が泣いて居た〗

〖全く火の気のない所が燃えたのは、如何やら放火らしいと消防署の

見解だった〗

〖玉子と淳子と蜜子の3人はなんとなく身の危険を感じ、3人一緒に

通学する事にした〗

〖服装はセーラー服は止めて動きの良い体育着にした・白の布地に青の

ストライプが入った中々爽やかな感じの体育着だ〗


〖3人は其々部活に入って居た・蜜子は弓道部・美術部・淳子は空手部・

吹奏楽部・玉子は剣道部・陸上部〗

〖体育着とは言え3人供に凛々しい姿だ〗

〖3人は雑木林の通学が大好きだった、ちょっと人通りは少ないが新鮮な

空気感が良かった、それに近道だった〗

〖3人は雑談をしながら帰路に急いで居た〗


〖その時、前方に5人の男達がこっちの方をじっと見て居るのが見えた〗

〖段々と近づいて行くと一人の男に見覚えが在った〗

〖間違いなく前出錯覚の顔が在った〗

【よ~・姉ちゃん達よ~・ちょっと話があるんだよ~】錯覚

【ちょっとよ~・そこの脇道に入ってくんね~かい】

【もう一人の男が言った】

〖3人は指示通り脇道に入ったが、こんな時の手筈は決まって居た〗

〖淳子と玉子は2人供前に並び、蜜子は2人の後ろに立った〗

〖そして、蜜子はグリーン・スリーブスを口ずさみ始めた〗


『おいっ、そこの後ろの女・何ブツブツ歌っているんだ、こんな時によ~

変な女だぜ・へっ・へっ・へっ』

『この前はよ~・ひでー目に在ったぜ折角のイケメンが台無しでよ~

やっと腫れも引いたぜ』錯覚

『そんな事より今日はどんな用かしら』淳子

【今日はよ~俺の兄貴分の加結美組の若頭、加結美臭覚様を紹介して~と

思ってな~わざわざお連れ申した訳でな~】錯覚

【錯覚の兄貴分・加結美臭覚と申しやす】(かゆみ・しゅうかく)

【いい体して居るじゃね~か、ムッチリしてよ~ケツも締まっていそう

じゃね~か~・なあ~みんな】臭覚

【バカ男共は全員頷いた】


【俺の趣味はよ~生パン収集でよ~・女子高生の生パンの香りはよ~

蜜の香りだぜ~・そこの谷間の染み込んで居る香りは最高だぜ】嗅覚

【鼻の奥底まで染み込むぜ・俺の発起貝を超刺激するぜ】

【女子高生の生パンは中々手に入らね~からよ~・今日の所は3枚収集

出来そうだな~】加結美臭覚

【ねえ~・女王様早く脱いで生パン頂戴】

【締まったケツのムレ~ムレ~生パン早く頂戴】臭覚

〖変態その者の格好で迫って来た〗


『変態おじさん達見くびっちゃー困るわよ、そう簡単に行かないわよ』

〖淳子と玉子は低く身構えた〗

〖男共は掴み掛かって来た〗

〖3人は身を躱しながら応戦したが5人の男共は【ふぇら・ふぇら】と

笑いながら追いかけ回した〗

【この女共め・逃げ回りやがってよー】

【生パン一枚位・中身は減らね~ぜ・早いとこ脱いで貰おうか】臭覚

〖その時〗

〖雑木林の中から黒いボールの様な塊の集団が現れ・大きく広がった〗

【蜜子の右手が高く伸びて男共を指差した】

【スズメ蜂の集団だった・スズメ蜂達は変態男共に飛び掛かって行った】

【音楽・ホット・スタッフ】

【あ~っ・なんだよ~】【あっあっあ~・イテ~・イテ~ッ】

【あっあ~・スズメ蜂だ~】【イテ~ッ・ちきしょうめ~】

【くそ~っ・イテ~ッ・ちきしょうめ】【くそ~っ・イテ~ッ】

【くそ~っ・また蜂かよ~・今度はスズメ蜂だ~】錯覚


【目の前で変態オヤジ共は逃げ回ったがスズメ蜂達に数回刺された】

【逃げ回るしかなかった】

【逃げ回りながら捨てゼリフを吐いた】

【くそ~っ・覚えていろ~・タダじゃ済まね~ぞ・ちきしょうめ】錯覚

【この場は決着が着いたが、指定暴力団加結美組を敵に回す事に成った】


【ピ~プ~・ピ~プ~・どうした!どうした!場所は何処だ!ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・急ぐのか~!急ぐのか~!ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・夕方混んでる!混んでる!ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・夕方通勤渋滞!通勤地獄!ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・傷口!傷口!小便!小便掛けろ!ピ~プ~】


         【蜜子の誓い】

〖3人は相談した〗

〖こう成ったらもう警察に相談するしか無いと、3人の意見は一致した

いつまでも付け回されると学校生活も家庭生活も安心出来ない〗

【3人揃って寄居警察へ出向き今迄の経過を全て述べた、そして身の

安全を守ってくれる様に頼んだ】

【寄居警察は直ぐに若頭加結美臭覚と前出錯覚に、注意勧告を行う事を

約束した】

〖警察の指導が効いたのか3人の目の前に加結美組の連中はサッパリ姿を

見せなかった〗

しかしある日事件が起きた

〖行き成りでしかも悲しい結末だった〗

〖早朝の出来事だった〗

  【ドッバッーン】【ドッバッーン】

【2発の銃声と思われる発砲音が鳴り響いた】

【庭の方からだった】

【蜜子と家族全員が飛び起きた】

【勿論近所の住民も恐る恐る窓から顔を出した】

【蜜子と家族全員が庭に出て悲痛な泣き声に成った】

【蜜子の家で飼って居た・ボルゾイ犬ベルモットが頭と口から血を吐いて

横たわって居た】


【2発の銃弾がベルモットの頭と体を貫通して居た】

【愛犬ベルモットの変わり果てた無残な姿に蜜子は泣き崩れた】

〖勿論警察は直ぐ捜査を開始した〗

【庭先に落ちていた薬莢と弾丸は証拠として回収されたが犯人の特定に

は至って居ない】

【しかし弾丸には使用した拳銃独特の線条痕が在る事が判明して居た】

【蜜子はおぼろげに思った】

【証拠は全くないのだが加結美組の仕業に違いない】

【蜜子と父親はと2人して警察に出向いて、加結美組を調べる様に申し

立てたが警察の返事は冷めたかった】

【発砲事件は重大な犯罪だが証拠が無い以上、むやみな家宅捜索は出来

ないとの事だった】

【しかし監視は続けるとの事だけだった】


【蜜子は心に誓って居た・ベルモットを殺害した犯人を必ず捕まえると】

【無言の食卓が何日か続いた、言いようのない怒りと悲しみが心の奥底

で交錯して居た】

【愛犬ベルモットをペット霊園で火葬してから10日程経って居た】

〖蜜子は淳子と玉子に頼んで、加結美組の若頭加結美臭覚の顔写真と

先日の待ち伏せ事件の時に居た4人の顔写真を入手した〗

〖蜜子はその写真を持って庭に出ると、庭に在る大きな月桂樹を見

上げた、2階の屋根を通り越して8メートルにも成って居た】

【月桂樹の仲程の高さに、蜜蜂の巣が5つぶら下がって居た】

【スズメ蜂の巣も4つぶら下がって居る】

【特別飼って居た訳ではないが、いつの間にか住み着いて居た】


【蜜子はグリーン・スリーブスを口ずさんだ】

〖可愛い蜜蜂達がスーッと降りてきて、蜜子の周りを楽しげに舞った〗

〖蜜子は4人写真を持って蜜蜂達に見せた〗

【蜂さん・蜂さん・ベルモットを撃った男はこの中に居るかしら】

【すると、蜜蜂達は2枚の写真に群がった】

【加結美臭覚と前出錯覚の顔写真だった】

【蜜蜂達は発砲したのはこの2人組と示した、2人の顔を犯人だと

覚えていた】

【蜜子は確信した・この2人組が発砲した犯人だと】

【蜜子の心の奥底に激しい怒りがこみ上げて来た】

【蜜子の体が小刻みに震えた】

〖蜜子はグリーン・スリーブスを口ずさみ続けた〗

【蜂さん・蜂さん・今度は仲間を大勢連れて来て頂戴ね】

【そして花が一杯咲いて居る方角を指差した・蜂達は喜んで花の

方角へと飛んで行った】

〖蜜子は玉子に頼んで加結美組の建物全体の見取り図と、各部屋の詳細な

見取り図も入手して居た〗


【蜜子は決意して居た・愛犬ベルモットの敵を討つだけでは単なる私怨で

終わるしか無い】

【相手は拳銃不法所持の暴力団だ・銃刀法違反容疑で法の裁きを受け

させるのが本筋だと】

【拳銃不法所持の現行犯逮捕を実現させるのだと】

【可成りの危険も伴うが、拳銃を所持しとて居る所を捕まえて対面する

しか無い】

            【蜜子の裁き】


【加結美組の実態を調べて行く内に可成りの悪行の実態が、浮かび

上がって来た】

【拳銃売買・売春斡旋・麻薬ビジネス・違法賭博・密航ビジネス等々】

【可成りの収入を得ているらしかった】

【警察も監視はして居るが、これと言った証拠は掴んで居ないらしい】

【山口組系指定暴力団・殿上組十三代目組長の七回忌が2週間後に

迫って居た】

【殿上組は関東一円の、暴力団を牛耳るトップクラスの暴力団だ】

【関東一円から各組の幹部達が十三代目組長の七回忌に列席する】

【暴力団の慶弔の式典は可成り派手に取り行われる、それは世間一般に

自分達の力を誇示するのが大きな目的だからだ】


【今回の七回忌にも総勢三百名の組の幹部連中が一同に会する事に成る】

【警察の方も1200名の機動隊が出動して、厳重な警戒に当たる事に成る】

【加結美組としても七回忌に出席しない訳にはいけない】

【殿上組に睨まれるのは、加結美組のビジネスが成立しにくく成り組の

存続も危うく成る】

【加結美組は組員40人が出席の予定に成って居た】

【そして、その七回忌の式典は前日に迫って居た】

〖加結美組の朝礼が始まった〗

〖組長加結美陰銀の挨拶が始まった〗

『いいか、皆な・よーく聞いてくれや明日は大事な殿上組十三代目組長

さんの、七回忌や準備は大丈夫やろな〗

『臭覚ちゃんと準備の方は成っとるやろな』


『はいっ、大丈夫です・全員黒のスーツはクリーニング店から戻って来て

いますよって』

『そうか・そな安心やな、皆な明日は頼むで粗相の無い様になしっかり

やってくれや、頼むで』

【若頭・加結美臭覚の挨拶が始まった】

【よう・皆な明日は殿上組十三代目組長さんの七回忌や大事な式典や

七回忌式典の出来次第で加結美組の存続を大きく左右する事に成る】

【今日の所は酒でも飲んでいないゆっくり寛いでくれや、明日はしっかり

頼むで・なあ錯覚明日の指揮はお前がとれ・解っとるやろな】

【組員全員が頷いた】

〖組の大部屋に全員が集まり宴会が始まり一時間も過ぎた頃だった〗


【ガッジャーン】と

【蜜子が放ったボウガンの矢が窓ガラスを貫通して、窓ガラスが割れた】

〖そしてその直後〗

【割れた窓ガラスの穴から真っ黒な大きな塊が部屋に侵入して来た】

【黒い悪魔の集団スズメ蜂達の群れだった】

【音楽・ホット・スタッフ】

【おっお~・なんだ~】【うわ~っ・イテ~ッ~】

【うわ~っ・スズメバチの集団だ~・イテ~ッ~】

【ちきしょうめ・くそ~っ・イテテて~っ・あっあ~】

【あっあ~・また刺しやがった・この野郎・あっあ~】

【うお~っ・イテテ~・くそっ・なんだ~・こりゃ~】


【加結美組全員が部屋中を逃げ回ったが、どこに逃げてもスズメ蜂達は

組員達を執拗に追いかけ回して、一人残らず刺しまくり窓から飛んで

逃げ帰った】

【組員40人全員が救急車で搬送される事と成り救急車の台数も30台を

超えた・救急車のサイレンが轟鳴り響いた】

【加結美組の建物の周りは【蜂の巣を突っついた】様な大騒ぎと成った

行き先は【寄居総合火葬場合併病院】しか無いと決まったが如何いう訳か

駆け付けた救急車は【寄居町南分署の救急車】だった


【ピ~プ・ピ~プ~・朝からどうした~どうした~ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・酒臭い~朝から酒臭い~ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・朝から飲む奴乗車拒否~ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・蜂刺され~キン玉注射が待って居る~ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・キン玉注射~スズメバチより痛いぞ~ピ~プ~】


【加結美組全員の顔が見事に腫れあがり、どの面もいつもにも増して更に

ふざけた、ひょっとこ面に成って居た】

【建物からそう遠くない所にグリーン・スリーブスを口ずさむ蜜子の

姿が在った】

【そして、殿上組十三代目組長の七回忌の当日と成った】


【機動隊約1200名がお寺中を取り囲み、警備に当たった】

【とてつもなく広い、お寺の駐車場に次々と黒塗りの高級車が乗り入れ

られて、次々と黒のスーツの男達が長い行列を作った】

【あっという間に三百名の黒いスーツ姿の男達が揃った】

【圧倒的な黒いスーツ姿の男達は見る者を圧倒した】

【そして、最後に加結美組全員が到着した】

【正に暴力団の力を誇示するかの様な雰囲気に成って居た】

【加結美組の組員が一人ずつ車から降りて来た】

【その車から降りてくる加結美組の連中を見て、殿上組の若頭殿上真逆が

眉を吊り上げて言った】(とのがみ・まさか)

【おいっお前ら全員なんや!その面!ふざけたひょっとこ面!

しやがって】


【今日は大事な殿上組十三代目組長の七回忌やで!汚い面で汚す気か!】

【加結美陰銀が謝った】

【どうも、すみません、昨日スズメバチの集団に刺されまして全員こんな

ひょっとこ面に成り果てまして、申し訳ございません】

【おまんら!少し気が弛んどるな!ふざけたひょっとこ面!しやがって

どないする気や~】

〖周りから笑いと罵声の渦が飛び交った〗

【はっはっはっ・なんやそのひょっとこ面】

【はよ~・元に戻さんかい!】

【ひょっとこ面の方がハンサムやで】

【早よう、ドンキに行ってウルトラマンのお面でも被ってろや】


【今日は神聖な、殿上組十三代目組長の七回忌やでどないする気~や】

【約三百名の幹部連中にひょっとこ面を笑われる事に成った】

【そして、殿上組十三代目組長の七回忌が厳かに始まった】

【お寺の住職の長い読経が終わり掛けた頃、一台の黒い車が駐車場に

到着した】

【黒いスーツ姿の悪人面した3人の男達が・黒い風呂敷に包まれた五段の

重箱を両手にぶら下げて持って来た】

【三人合わせて三十箱の重箱だ】

【この3人組は俳優の悪役商会のニセモノヤクザだった】

【蜜子が頼んだ、超悪人面のベテラン悪人面俳優だった】

【列席者の中央奧まで近寄ると】

【加結美組組長・加結美陰銀の差し入れで御座居ます・後でお茶受けにと

列席者の皆様に召し上がって下さいとの事です】

【中身はなんや】殿上真逆


【銀座で有名な大虎屋和菓子詰め合わせで御座います・大虎屋名物の

ようかんも極上の材料を使用しております

【日本全国和菓子大会】で優勝した大虎屋名物パティシエ【蜂屋針之助】

プロデュース・贅沢な極上の仕上りと成って居ります】

(五段重の一番上の一段は全て本物の極上和菓子詰め合わせ) 

【若頭・ひとつ御毒味を】と 一段目の蓋を取った

【おうっ・これは正に贅沢な和菓子じゃのう】と ひとつ口にした

【あっうっ・流石じゃな・旨い・申し分ない・後が楽しみじゃな】

【脇のテーブルに置いて帰ります、皆さんで是非堪能してください】

〖テーブルに置いた五段重箱の風呂敷を全て解いた〗


【偽者ヤクザはゆっくりと帰った】

〖一段重を持ち上げると・2段目・3段目・4段目・5段目と紐で繋がり

ひっくり返える仕掛けに成って居た〗

〖30分後、全員にお茶が出た〗

〖殿上真逆が〗

【先程の差し入れ和菓子の極上詰め合わせを、皆で食ってみようかい!】

【五段重がテーブルに六つの山に成って並べられた】

【男達共が六つの五段重の周りに集まった】

【一段重の蓋を一斉に取った!】

【テーブルの周りから一気に歓声が上がった】

【おおーっ!これは凄い!流石!銀座の大虎屋だ!】

【流石!蜂屋針之助だ!】

〖5分もすると一段重は空に成った〗

【若頭・2段重から少し重たいですが】


【大虎屋名物パティシエ・蜂屋新之助プロデュースの作品じゃ、驚く

様な仕掛けが在るぞ、一気に蓋を取ってみろや】と 真逆

【一段重を強く引っ張った途端に、羽音と供に黒い塊が飛び出して来た】

【五段重全てがひっくり返った】

【真逆の大騒ぎに成った】【音楽・ホット・スタッフ】


【あ~っ・なんやこれは蜂屋で!】【スズメ蜂や~・イテ~ッ】

【くそ~っ・蜂屋針之助のやろう・だましやがった・イテ~ッ】

【あふ~っ・イテテ~・くそ~っ~イテテて~っ・あっあ~・いて~】

【うわ~っ・いってって~・スズメバチやないかい!くそ~っ!】

【あ~っ・ちきしょうめ・くそ~っ・イテテ~・いってって~・あ~っ】

【あっわ~っ・あの野郎!イテテて~っ・うわ~っ・イテテて~っ】


【皆逃げるんや~・車や・車に逃げるんや~・はようどかんかい】

【全員駐車場に向かって一目散に逃げたが、蜂の方が遥かに早い】

【直ぐに追い着かれて刺され捲った】

【黒のスーツ姿の男達は蜂から逃げ切るのは不可能だった】

【うわ~っ・うげ~っ・あぢ~っ・ぐげ~っ・げごぎ~っ】

【駐車場に在る車の4つの窓は全て全開に成って居た】

【スズメバチ達は逃げ回る組員達を追いかけ回し、次々と一人残らず刺し

続けこれでもかと追いかけ回した】

【それこそ、お寺中が蜂の巣を突っついた様な大騒ぎと成った】

【お寺の住職も黒の袈裟をひるがえして、逃げ回る有様に成った】

【折角の御線香もそこら辺にぶち撒く羽目に成った】


【ピ~プ~・ピ~プ~・ほいきた・どうした・ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・黒いスーツを脱げ・ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~ポ~・ピ~ポ~・全部脱いで裸に成れ・ピ~ポ~・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~・ピ~ポ~・ふり珍逃げろ・ふり珍・ピ~ポ~・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~・ピ~ポ~・ふり珍・ホイホイ・ふり珍ホイ・ピーポー】


〖救急車で次々と搬送されたが、ひとつの町の病院だけでは捌き切れず

本庄市・深谷市・熊谷市・行田市・大宮市・鴻巣市・伊勢崎市と広域に

渡り搬送された〗

〖救急車の出勤も埼玉県全域の出勤と成った〗

【監視役の機動隊員1200名は蜂に刺された暴力団員等を救急車に乗せる

事が仕事に成った】

【殿上組十三代目組長の七回忌はとんだ七回忌と成ってしまった】

【真さかの出来事に組長の殿上百冨ももとみは直ぐに加結美陰銀を

呼び出し破門を言い渡した】

【加結美陰銀がどんなに言い分けしても、謝っても破門の撤回は

無かった】


           【加結美陰銀の命令】

【加結美陰銀は首をうなだれて帰路に着く事と成った】

【これからの加結美組の運営は殿上組の協力は得られず、加結美組独自の

運営と成り気の重い加結美陰銀であった】

【しかし一体誰が蜂の入った重箱をお寺に持ち込んだのか陰銀にはその

謎は解けなかった】

【陰銀は組に帰ると、臭覚と錯覚を呼び付けた】

【お前ら大分前に蜂に刺されて居たな!】

【その時の状況を言ってみろや!】

【あん時きゃー・女子高生3人連れをからかい半分で待ち伏せ

しとったんですわ】

【3人連れを林の脇道に誘い込んだんですわ】

【所が、いきなり蜂の大群が飛び出して来て刺されてしもうたんですわ】


【蜂が出てくるチョット前ですわ、3人連れの中の一人の女が儂らを

指差したら蜂の大群が飛び出して来て刺したんですわ】

【今回の蜂の騒動も前回の蜂の騒動もあの女子高生の仕業じゃー

なかろうかと思うんですわ】

【臭覚・お前はその時女子高生が飼って居た犬をチャカで始末した

とか本当か】

【ええ・本当ですわ・儂も蜂に刺されてしもうて、えれー顔が腫れ

上がってしもうたんですわ】

【その仕返しに犬を殺ったんですわ】

【今回の蜂の騒動で加結美組は殿上組組長から、破門を言い渡されて

しもうた、これからの組の運営はえらい大変や、その女子高生は始末

せんとあかんなー】

【なあー・臭覚】【なあー・錯覚】

【2人で殺ったれやー】【チャカで殺ったれや】

【責任は儂が持つで2人で殺ったれや】


        【蜜子のグリーン・スリーブス炸裂】

〖蜜子は予見して居た、必ず臭覚と錯覚が拳銃を持って目の前に現れる

事を、蜜子は覚悟を決めて居た】

〖蜜子は加結美組の建物を取り囲む様にして四方・八方の場所に蜜蜂の

巣を少し高めに造らせた〗

〖勿論目立たない場所にだ〗

〖いつもと違う雰囲気に成ったら、蜜子の所に直ぐに伝令役の蜜蜂達が

飛んで来る事に成って居た〗

〖特に、臭覚と錯覚の顔は蜜蜂達とスズメバチ達にすっかり覚えさせた〗

〖そんなある日、学校帰りの蜜子達に伝令役の蜜蜂が飛んで来た〗

〖蜜子は蜜蜂達と会話した、臭覚と錯覚が乗った黒い車が近づいて

来て居るとの事だった〗


〖蜜子は遂に来たなと思った。あの連中も蜜子達の通学路を把握して居る

らしく待ち伏せする気で居るらしい〗

〖蜜子は伝令の情報から30分早く時間をずらして居た〗

〖蜜子はうっそうとした林の中で待つ事にした〗

【グリーン・スリーブスを口ずさみスズメバチ達を6つのグループに

分けた】

【ひとつのグループが20匹で、約120匹のスズメバチ達を分散して

待機させた】

【淳子と玉子も林の中に潜んだ】

【チョット怖いけど上手く行くかしら】淳子


【何回刺されても懲りない連中ね・今日で3度目か4度目位かしら】玉子

【ショック状態に成っても知らないわよねー】淳子

〖車中で臭覚が言った〗

【錯覚もうちょっと早う飛ばさんかい、早めに待ち伏せや】

【あっあー・あれは何ですやろ】錯覚が前を指差した

【林の中の道路を遮断する様にして太い丸太が横たわって居た】

【なんや丸太やないかい・車が通れやせんで】と 車を止めた

〖とても一人では動かせないので、2人供車から降りて太い丸太を

それぞれで持った〗

〖その時、林の中から蜜子が大きな声で叫んだ〗


【そこのおじさん達・私を殺るつもりで居るらしいけど沢山のスズメバチ

達が待機して居るのよ】

【何時でも攻撃出来るけどいいかしら】

【私を殺るのを諦めてくれれば、攻撃はさせないけど止めてくれますか】

【おうっ・良いぜ・約束するぜ】

【もう、2度と待ち伏せしたり、つけ回ししたりしないとな】臭覚

【ちょっと顔を見せてくれんかい、何処に隠れとんのや】錯覚

【林の中から蜜子が上半身を出した】

〖約40メートルは在った〗


【なんやそんな所に居たんかい・もうちょっとこっちへ近寄ってや

そんなに遠くじゃ話も出来んやろ】と 臭覚

【蜜子は少し近づいた】   その時

【臭覚は懐から拳銃を取り出すと行き成り蜜子に向けて発砲した】

【ドギュン・ドギュン】【ドギュン・ドギュン】

【4発の銃声が林の中で鳴り響いた】

【その内の一発が蜜子に命中した様だった】

【蜜子の姿が消えると同時に人が倒れる音がした】

【ドサッ】

【臭覚さん・どうやら当たった様ですな、見に行きましょうか】

【確かあの辺やったと思いますが】錯覚が倒れた場所に近づいて来た

【その時・大きな音がした】


【ガッジャッン】

【なんやあの今の音は】錯覚

【車のウィンドウガラスをボウガンの矢が貫いた音だった】

【臭覚さん車の窓ガラスが割られた様ですや】錯覚

【そんな事より早く死体を探さんかい】臭覚

【探して居ると人の足らしい物が見えた】

【おおーっ・あそこに倒れて居まっせ】と 2人供に近づ居た

【あっあー・なんや人形や・人形やでくそったれ女め】と

【人形を蹴飛ばした・人形が転がって背中が見えた】

【背中に貼り紙が着けて在った】


【とことんやる気ね・覚悟してね】

【その直後スズメバチ達が一斉に飛び出して、2人目掛けて飛んで来た】

【あっあー・スズメバチやで・早よう車に乗るんや】

〖2人は車の所まで一目散に逃げた〗

〖車に近づきドアの取ってに手を掛けたが、直ぐに取ってから

手を離した〗

【穴の開いた窓ガラスから侵入したスズメバチ達が、車の中で渦巻を造り

待ち構えて居た】

【ブン~ブン~ブン~ブン刺すぞ・刺すぞ・来るなら・刺すぞ・刺すぞ】

【ブン~ブン~ブン~ブンどうした・怖いか・怖いか・刺すぞ・刺すぞ】


〖とても、車の運転は出来ない・後ろを振り返った途端に2人は刺され

始めた〗【音楽・ホット・スタッフ】

【ブン~ブン~ブン~ブン刺した・刺した・刺した・ブン~ブン~ブン】

【ブン~ブン~ブン~・まだまだ刺すぞ・刺した・刺した・ブン~ブン】

【刺した・刺した・うげ~っ】【刺した・刺した・ぐげ~っ・あじ~っ】

【ぶぎゃ~っ・あぎゃ~っ】【刺した・刺した・ぐげ~っ・げご~っ】


【2人は林の中を死に物狂いで逃げ回ったが、何処に逃げてもスズメ蜂

だらけで、走れば走るほどスズメ蜂達は容赦なく追撃した】

【アッアー・アッアー・拳銃発射・どいつだ・アッアー・アッアー】

【アッアー・アッアー・拳銃発射・どいつだ・だれだ・アッアー】

【アッアー・アッアー・拳銃発射・糞野郎か・糞野郎か・アッアー】

【アッアー・アッアー・拳銃発射・逮捕・逮捕・アッアー・アッアー】

【ピ~ポ~・ピ~ポ~・救急車到着遅れる・ピ~ポ~・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~・ピ~ポ~・遅れる・残念・残念・ピ~ポ~・ピ~ポ~】

          【法の裁き】


【拳銃を発射してから直ぐに玉子が110番通報して居た】

【スズメバチ達は既に帰路に着いて居た】

〖10台のパトカーが到着した〗

〖蜜子達3名は到着した警察官に事情を詳しく説明した〗

【臭覚と錯覚は銃刀法違反容疑・拳銃不法所持・殺人未遂容疑・の

現行犯逮捕と成った】


【直ぐに加結美組の家宅捜索が始まり、拳銃30挺・大麻約12㎏が

押収された】

【組長の加結美陰銀を始め組員全員が検挙された】

【加結美組は壊滅状態と成り・解散を余儀なくされた】

【人形を貫通した拳銃の弾丸も回収された、その弾丸の線条痕が愛犬

ベルモットの体を貫通した弾丸の線条痕と合致するのは間違い無い】

【後は法の裁きに任せる事と成った】

【蜜子は愛犬ベルモットの墓に花を添えた】

【蜂達もその花の周りで舞って居た】

【蜜子は小さくグリーン・スリーブスを口ずさんだ】

【蜜子達3人は今日も仲良く通学して居た】

【その3人を見守るかの様にスズメバチ達は遠巻きに宙に舞って居た】


【日が落ちかけた茜色の空に、3人の姿が美しいシルエットに成って

重なり合って居た】

【蜜子の口ずさむグリーン・スリーブスも夕焼け空へと吸い込まれて

行った】

             

                        種子火たねび

             【登場人物】

花咲蜜子はなさき・みつこ弓道部・美術部】

野口淳子のぐち・じゅんこ空手部・吹奏楽部】

丸山玉子まるやま・たまこ剣道部・陸上部】

丸山玉希まるやま・たまきサッパリ部】

【殿上百冨・殿上組組長】【殿上真逆・殿上組若頭】

【加結美陰銀・加結美組組長】【組員・その他大勢】

【加結美臭覚・加結美組若頭】(生パンティ窃盗未遂罪で逮捕)

【前出錯覚・補欠組員】(生パンティ窃盗補助罪)屁こき990%爆裂男)

【寄居総合火葬場合併病院・院長・真下握瑠】(御握り690%爺)

【寄居総合火葬場合併病院支店長・真下追医焚鬼】(火葬場・3度焼弟)

【ボルゾイ犬・ベルモット】


                    【種子火たねび

【この物語はフィクションです】

【この物語に登場する団体名・個人名は全て存在しません・架空です】






 【蜜子の・グリーン・スリーブス】

 【蜜子と指定暴力団加結美組】(かゆみぐみ) 1      

  【玉子の妹を救おう】


【花咲蜜子は18才に成って居た】

【蜜子のスマホが鳴った・女王メリーの葬送曲が流れた】

〖同級生の淳子からだった〗

『蜜子!蜜子!早く来て!大事な相談が在るのよ』淳子

『えっ!なに!どんな事!』

『スマホじゃさー!詳しく話すと長く掛かるからさ!ねー家まで来て』

『解ったー!じゃーさー!なるべく早く行くよー!』

〖親友の淳子の家まではそう遠くは無かった〗

〖蜜子は大型バイク自動二輪の免許を取得して居る〗

〖勿論七百五十CCの大型バイクも持って居る・淳子の家までは

チャリンコで10分位だ〗


〖チャリンコに乗って頬で風を切るのも可成り気持ちが良い物だ〗

〖セーラー服をなびかせながら淳子の家へと向かった〗

【淳子の話はこうだった】

〖同級生の玉子の妹が年上の男と付き合って居たが、体の関係も出来た

挙句の果てに、Hなマッサージ店で働かされて居るとの事だった〗

〖玉子からその、Hなマッサージ店で働くのを止めさせて、年上の男からも妹を引き離してくれないかと言う事らしい〗


『ひどいねー!それって!その年上の男っていくつなの?』

『それがさー!32!33!才位らしいよ』

『玉子の妹っていくつなのー?』

『確かさー中3位だったと思うよ』

『中学3年で32・33!の男と付き合って居るのもチョット不味いけどねー

『妹の名前は何だっけ?』

『えーとねー!・玉希ちゃんとか聞いた様な・知らんけど!』

『その玉希ちゃんはどう言って居るのかしら?』

『もう止めてーとか言って居るらしいけどその男がさー見張って居る

らしいのよー』

『車なんかで送り迎えなんかしちゃってさー!・何とか成る蜜子!』


『そうねー!一人じゃチョット大変だけど、淳子と玉子にも手伝って

貰おうかしら?』

『じゃーあー!・ひとつ作戦会議としようかな!』淳子

『早速玉子にも来て貰ってよ、スマホで連絡取って!』蜜子

『あいよー!』淳子

『じゃーあー紅茶を入れようか』蜜子

『何か気の利くお茶受けでも在るかしら?』淳子

『そーねー!種子島特産の落花生甘納豆が在るわよ』蜜子

『うまいー!チョーウマー!』淳子

〖30分後・3人が揃った〗

【女子高生3人が集まって作戦を練る事と成った】


〖しかし作戦会議は意外と早く終わった、話の大半は男子生徒の話で

盛り上がった〗

〖結論として蜜子の超能力グリーン・スリーブスに一任する事と成った〗

【蜜子のグリーン・スリーブスを紹介致しましょう】


【蜂さん!蜂さん!早くおいでよ!早くおいで!】

【蜜子の周りに来て頂戴!】

【帰りにお礼をしましょうね】

【指差す方にお花が沢山咲いて居るよ】

【蜜を一杯吸って元気に成って仲間の所に帰って頂戴】

【片方の手を高く上げ指先で軽く手招き・しなやかな指先の動き】

【まるで舞って居る様です】

【すると遠くの林の中から黒い塊が宙を舞って近づいて来て居ます】

【近くで良く見るとバレーボール位の大きな塊です】

【沢山の蜂達です】

【蜜子の周りに来ると蜜子の体を守るかの様に、蜜子の体の動きに合

わせて蜂達は分散した】


【蜜子が動けば一緒に動き、蜜子が止まればホバーリング】

【蜜子の手が伸び指させば、指した相手に飛んで行く】

【指の合図で攻撃開始・どんな相手にも怯まない・毒針注射お見舞いよ】

【蜜蜂・アシナガ蜂・スズメ蜂・黄色スズメバチ・大スズメ蜂】

【蜜子が呼べばどんな時でも、呼び寄せ集結させる】

【グリーン・スリーブスを口ずさめばどんな時でも現れる】

【これが蜜子の超能力・グリーン・スリーブスなのです】

【蜜子は蜂達を飼って居る訳では在りません・自然界に存在する蜂達を

呼び寄せる超能力です】

           【前出錯覚と言う男】

           【まえだし・さっかく】

【2日後】

〖3人は【蜜の味底無し・奥の細道】と 言う喫茶店に男を呼び出した〗

〖男の名前は前出錯覚と言うらしい・玉希ちゃんを奴隷の様に扱う

ヒモ男だ〗

〖しかし、約束の時間を15分過ぎても現れ無かった〗

『ちょっとさー・来ないんじゃないのー』淳子

『来る筈よー玉希ちゃんに言っといたからさー』玉子

『時間にルーズな男なのよ・きっと女の子にもルーズなのよねー』蜜子

『もう、25分も過ぎて居るわよ帰るとするー』淳子

と〖その時一人のスーツ姿の男がキョロキョロしながら、3人の座って

居るテーブルへと近づいて来た〗

『あらっ、あの男かしら』蜜子

『ちょっと、イケメン風ね・どうもそうらしいわね』淳子


〖スーツ姿の男は3人のテーブルの横に来ると〗

『ちょっと、遅れちゃったなー、色々と忙しくてよー・お詫びにさー

ケーキ代持つよ!まー!勘弁してくれよ!』前出錯覚

と 〖言いながらソファーに腰を下ろした〗

〖男はポケットからタバコを取り出した〗

【その時】

『ここはさー、禁煙席よタバコは閉まって貰おうかしら』淳子

『そうかい、どうって事無いと思うけどまーいいかー』と

〖言いながら渋々タバコをポケットにしまった〗

〖前出錯覚は注文したコーヒーが来ると〗

『俺に大事な話って何だい・ムッチリ女子高生が3人もそろってよー』


『最近の女子高生は結構ムッチリで、いい尻しているなー・中々良いぜ』

『後が楽しみだぜ・けっ・へっ・へっ・色々と染み込んでいそうだぜ』

と 〖ジロジロと上から下まで舐める様に目線を滑らせた〗

『あんたさー、玉子の妹の玉希ちゃんをエッチな店で働かせて居る

んだってねー』と 淳子

『別れてくれないかなー、まだ女子中学生なのよー、玉希も嫌がって居る

様だし、まだ未成年なのよー、今直ぐ別れて貰えれば警察には届けない

けどどうかしら』玉子

『未成年を働かせちゃー・いけないんじゃーないのー・後ろに手が

回るわよ』蜜子


『そりゃー・出来ねー相談だなー・玉希の方から俺のアパートに転がり

込んで来たんだぜ・無理やり引っ張って来た訳でもねーんだぜ』

『最初はそうかも知れないけど今は、すっかり嫌がって居るらしいけど』

『本人がそう言ったのかい』前出錯覚

『本人の口からきちんと聞いたのよ』玉子

『どうしても別れないと言ったらどうするつもりだい、えー聞きてーな

3人さんよー』錯覚は3人の顔をぐるっと見回した

『ある日天罰が下るけどそれでもいいかしら』淳子

『天罰だと、笑わせるじゃーねーかー、俺の辞書には天罰何て文字は

載ってねーぜ』錯覚

『その細腕でどんなお仕置きなさるんでー・はっ・はっ・はっ』

錯覚は笑った


『本当よ、後悔して貰おうかしら、部屋の鏡を良く磨いて置く事ね、

あんたは辞書何て持って居ないんじゃないの、その顔と辞書が結び

付かないわよ』蜜子

『ほー、鏡を磨いておけだとひょっとしたら黒のランジェリーに黒の

パンティ姿で、ムチでもお振りなさるんで女王様』

『3人一緒に可愛いお尻を並んで見せてくれるかい』

〖錯覚は薄笑いを浮かべながら蜜子に目線を合わせた〗

『解って貰えないみたいね、別れる気に成ったら電話頂戴、これっ、

スマホの番号よ、別れて貰えないと天罰は何度でも続くわ』蜜子

〖前出錯覚はいきなり立ち上がると〗

『まー、無駄な時間だったな・下らねー話だったぜ』と 言いながら

イスを蹴った

3人のケーキ代を払う素振りも無かった

        【痛い天罰】

蜜子は前出錯覚のアパートから少し離れて立って居た

蜜子のスマホが鳴った

『玉子どうだった、性活パターンの方は』蜜子

『あの男はさー昼頃と夕方頃に玉希の送迎をして、夜は遊び歩いて朝方に

帰って来ると言うパターンみたいだねー』玉子

『じゃー・今の時間はおねんねの時間と言う事ね』蜜子

『朝の八時だからおねんねの真っ最中だね・玉希ちゃんには窓を少し開

けて出掛ける様にと、言っといたわ』玉子

〖前出錯覚のアパートのドアが開いて玉希ちゃんが出かけた、多分

コンビニだろうと蜜子は思った〗

〖蜜子が右手を高く上げグリーン・スリーブスを口ずさんだ〗


【蜂さん・蜂さん早くおいで・蜜子の周りに来て頂戴】【音楽】

【蜂さん・蜂さん早くおいで・蜜子の周りに来て頂戴】

【蜂さん・蜂さん・帰りに美味しい蜜あげるわね】【ホット・スタッフ】

【蜂さん・蜂さん・私の指先良くみて頂戴】


〖するとどうだろう・アパートの周り林の中から数十匹のアシナガ蜂が

現れた・蜜子の指先付近でホバーリングした〗

【蜜子は錯覚のアパート指差し指先で部屋の番号【83号】を書いた】

〖アシナガ蜂達は一目散に前出錯覚のアパートに飛んで行き窓から

侵入した〗

【30秒後錯覚の部屋から大きな悲鳴が・轟渡った】

【うお~っ・イテ~ッ・あう~っ・イテ~ッ・あっあ~・あ~あ~!】

【なんだこりゃ!イテ~ッ】【ちくしょう!何で蜂が居るんだ・あ~っ】

【くそ~っ!あっあ~!うお~っ!あっあ~!】【ちくしょう~め~!】

〖アシナガ蜂達が蜜子の周りに戻って来た〗

〖蜜子はグリーン・スリーブスを口ずさみながら蜜の在る方角を

指差した〗


【蜂さん・蜂さん・帰りにお礼をしましょうね】

【蜂さん・蜂さん・蜜の在る場所教えるわ】

【一杯吸って元気に成って帰って頂戴ね】

【アシナガ蜂達は喜んで蜜子の示した方角へと飛んで行った】

〖前出錯覚の顔は見事に醜く腫れ上がって居た、顔だけを好きなだけ

刺されたらしい〗

〖前出錯覚は鏡で自分の顔を見た、そして仰天した〗

【うわ~っ・なんだよ~俺の大事な顔が~】

【あっあ~・こんなに~・うわ~っ・くそ~っ・命より大事な顔が~っ】

【錯覚は蜜子の言葉を思い出して居た】

【部屋の鏡をピッカピカに磨いて置く事ね】

【錯覚の顔は3倍に膨れ上がり、誰とも見分けが付かない全くの別人に

変身して居た】


【ある日天罰が下るわ】と 淳子の声も思い出して居た

【別れて貰えないと天罰は何度も続くわ】この声も思い出して居た

【錯覚には信じられない出来事だったが、醜く腫れ上がった顔だけは

現実の出来事だった】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・どうした!どうした!何があった!ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・朝からなんだ!朝からどうした!ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・朝は通勤渋滞!混んでる!混んでる!ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~コロナが優先!お前は2の次!ピ~ポ~・ピ~ポ~】


     【筒抜け会話・スイッチONの救急車】

 【救急車に乗り込んだ】

【大丈夫ですか・痛いですか・気分はどうですか・熱はありますか】

【めまいがするとか・吐き気がするとか・屁が出そうとか在りますか】

【チョット臭っていますが、中身出しましたか・大丈夫ですか】

【一人の救急隊員が矢継ぎ早に聞いて来た】

【大丈夫な訳ねーだろう・ちきしょうめ・チョー・イテーぜ】

【顔中が爆発しそうだぜ・もっとスピード出さんかい・バンバン飛ばせ】

【一人の隊員が】

【もう・爆発してますね・元通りに成りませんよ】

【あーっ・何―っ・この野郎】

【何処か知って居る病院でも在りますか、行き付けの病院でも有れば直行

出来るんですが】


【知らねーなー・俺って元々健康だしなー】

『じゃあー・寄居町の【寄居総合火葬場合併病院】でもいいでしょうか』

【あーっ・あそこかー・あそこしかねーのかー】

【知って居ますか】隊員

【あそこはよー・別名ヤブ医者総合火葬場合併病院と噂されて居るぜ

あそこしかねーのかよー・救急車から連絡が在るとよー・直ぐ棺桶を

発注するらしいぜ、気が乗らねーな―】

〖すると救急車の中の一人の隊員が大きく笑った〗

【はっ・はっ・はっ・なーんだ知って居たんですか】


〖別の隊員が〗

【はっ・はっ・はっ・俺もあそこだけは行きたくねーなー】

【今まで何百人も搬送したけど、年に40人はそのまま帰って来なくて

行方不明で処理された様だぜー】

【そうだ・そうだ・あそこの院長の弟は葬儀屋だったけなー】

【弟の葬儀屋は確か・真下追医焚鬼】(ました・おいだき)

【兄弟2人揃って大儲けして居るらしいぜ・寄居町の長者番付けで毎年

一番・2番を競い合って居るらしいぜ】

【弟の葬儀屋がよー・正月に成ると入院患者にでっけー餅を配るらしいぜ

おいしいから早く食べて下さいと急かすらしいぜ】


【横に成って寝て居る入院患者を、無理やり叩き起こして餅を無理やり

口に運ぶらしいぜ】

【暫くすると餅を詰まらせた入院患者が、順番待ちで大賑わいらしいぜ】

【あの葬儀屋は正月三が日休み無しで悲しい悲鳴を上げて居るらしいぜ】

【救急車の中は変な会話で大盛り上がりに成った】

今現在受け入れOKの病院は【寄居総合火葬場合併病院】しか在りません

【なんだとう・くそーっ・本当かよー・ついてねーなー】

【運を天に任せて無理やり、行って見ましょうか】


【あそこの病院は先生方が40名程、おられますので中には一人位真面な

先生にまぐれで当たりますよー】

【この際ですよ・まぐれ当たりで命が助かると思って念仏でも

唱えますか】

〖錯覚の膨らんだ顔を笑いながら指差した〗

〖しょうがねーなー〗と 言いながら渋々承知した

『その病院の院長先生の名前は何と言う』と 錯覚

【院長先生の名前は【真下握瑠】(ました・にぎる)先生です】

【何・真下握瑠だと・大丈夫かよ・良く医師免許に受かったなー】

【それとも金でも握らせたか】

〖救急車から降りると2人の隊員と一緒に診察室へと直行した〗

〖診察室のドアの前まで来ると隊員2人は救急車に戻った〗

〖診察室のドアを開けた〗

〖白衣を着た70才位の爺さんが座って居た〗

【何故か可成り、ㇺッとした表情に成って居る・何かあったのか】

〖40才位の看護師さんも一人立ってこっちを見て居る〗


〖医者の手招きで錯覚はイスに座った〗

【ほう、随分腫れとるな~・隊員の無線に寄ると虫に刺されたと連絡が

合ったそうだが、そうですか】

【先生よ~・虫じゃね~んだよ~・蜂だよ!蜂!アシナガ蜂に刺されたん

ですよ!くそ~っ・チョ~・イテ~ぜ】

【看護師さんチョット体温計を渡してやって】

【チョット・口をあ~んと開けて!もっと大きく【あ~~ん】と

【スプーンみたいな物でベロを抑え付けた】

【む~ん・チョット腫れとるな~】真下握瑠

【スプーンみたいな物を口から出した】

【今度は目蓋の上下を両手で押さえつけ大きく目蓋をむいた】


【看護師さん何度だった】

【39度2分ですね】看護師

【ふ~ん・微熱じゃな~】真下握瑠

【39度2分で微熱かよ!おかしいんじゃね~か~】錯覚

【よ~し・解ったチョット立ってみなさい!】真下握瑠

【それではね!ズボンとパンツを脱いで下さい!】真下握瑠

【先生パンツも脱ぐんですか!俺はよ~顔が腫れて居るんだよ~】

【いいから!言う事を聞くんじゃ!早く脱げ!】真下握瑠

【看護師さん君はちょっと席を外して!】

〖隣の部屋を指差した〗

【看護師が隣の部屋に行くと錯覚はぎこちなくパンツを脱いだ】

【医者は在る一点を凝視した】

〖30秒程見つめて居たが、行き成り錯覚のキン玉を握った40%〗


【どうじゃ~少し痛いか~少し紫色に成っとるが!】真下握瑠

【あ~っ!チョット!あふ~っ・そうでも在りません70%】錯覚

【これでどうじゃ!】【更に力を込めて握りまくった##】

【あふ~っ!チョット痛みが倍増しました!もう!あふ~~あ~110%】

【よ~しっ・今度はどうじゃ!・ギュ~ギュ~・ギュ~ギュ~!190%】

【両手でキン玉を強く握り絞め血管が膨れ上がった・ギュ~ギュ290%】

【あ~っ!もう止めて下さい!もう痛いです!止めてくださ~い390%】


【握るのを止めて~くれ~~690%】大きな屁が出た

【ドッブァ~~ン~~】【990%~~】


【病院全館内に鳴り響き渡り診察室の本棚が倒れて・ドアを吹き飛ばして

廊下に飛び散り・安静室で就寝中患者50名が飛び起きて0.5秒で気絶】

【0.5秒で再び起き上ると25名が心筋梗塞・25名が脳梗塞を発症した】

【病院に設置して在る・震度計・マグニチュード・8.8】


【ふ~ん・可成り鈍感に成っとるぞ・手遅れに成らない内に注射を6本位

打っとくか】右腕と左腕に一本ずつ打った

【錯覚がパンツを履こうとすると】

【パンツを履くのはまだ早い!後4本注射しないといかん!】

【あ~~っ・そこは止めて下さい・一番大事な所です】

【此の期に及んで何を言うんじゃ!長い人生で4・5・回は在る事じゃ!】

【覚悟してくれ!】真下握瑠

【大事な所じゃ・尚更4本打たんといかん!】真下握瑠


【看護師さん4名連れて来てくれ!暴れとる!4人で押さえつけてくれ!】

【後ろから羽交い締めにして・両足を押さえつけて残りの一人は2つの

キン玉を大きく広げて逃げない様にしてくれ!】真下握瑠

【前出錯覚は4人の太った看護師の馬鹿力に負けてしまった】

【両方のキン玉に思い切り2本ずつ注射をされてしまった】

【うおーっ・あっうっー】【うげーっ・あっげっー】

【錯覚が下の方を見ると、キン玉から手を離しかけた白衣の爺天使が

イスに座ってニンマリして居た】

【くそ~っ・ここはやっぱりヤブ医者総合火葬場合併病院だと

知らされた】

【先生俺はよ~・蜂に刺されて顔が腫れて居るんだよ~・キン玉は関係

ね~ぜ・蜂に刺されてキン玉を馬鹿力で握る医者が何処に居るくそ~っ】


【医者はムッとした顔で言った】

【この大馬鹿者が!このど素人が!】

【蜂に刺されて顔が腫れるとキン玉も大きく腫れる事が在るんじゃ、

キン玉も診察しないと後で誤診に繋がるんじゃ、この半端もんが】

【解ったかよーく聞け、責任取れんぞ】

【致命傷に成っても責任取れんぞ】

と 大きくブチ切れた

【それでなー・搬送車の中での君達の会話、あれは何じゃ・一体如何いう

つもりで救急車に乗っ取るんじゃ・全く成っとらん】

【ヤブ医者総合火葬場合併病院だとか】

【俺も行きたくねーとか】


【年に40人は行ったきりで帰って来ないとか】

【院長の弟が葬儀屋だとか・弟の名前が・真下追医焚鬼だとか】

【兄弟揃って大儲けして居るとか】    

【正月に成ると入院患者に餅を無理やり食わせるとか】

【寝ている患者を叩き起こして餅を食わせるとか】

【喉に餅を詰まらせた患者が順番待ちで、正月三が日は悲しい悲鳴で

おお忙しいとか】

【その他にも色々と言っとったな】

【病院全館内に生放送されたぞ、大馬鹿者共が】

【全部筒抜けにライブ放送されたぞ、この大馬鹿者共が】


【如何やら救急車の無線スイッチを切り忘れて、スイッチONの状態で

会話していたらしい】

【くそっあの馬鹿隊員共が】錯覚は呟いた

【どうもすみませんでした】と 錯覚は馬鹿隊員共の分まで謝った

〖帰りに【屁墓屁墓・御握り薬局】で薬を受け取る様に指示された〗

【到底飲む気に成らなかったが貰うだけ貰って帰る事にした】

と その時

【ヤブ医者が看護師に大きな声で、指示して居る声が聞こえた】

【寄居町北分署の搬送車は受け付けんでもいいぞ、あの

バカ北分署の連中は全く成っとらん・赤っ恥かいたぞ】

【北分署の糞救急車は出入禁止じゃ】


【そして、その2日後玉子の妹玉希ちゃんが実家に戻って来た】

〖今度の一件で懲りたらしく前出錯覚とはきっぱり別れたとの事だった〗


  【女王様~・ムレムレ生パン3枚頂戴!】


〖2週間も経った頃〗

〖玉子の実家でボヤ騒ぎが在った〗

〖消防車3台駆け付けたが母屋に隣接したニワトリ小屋が燃えた

らしかった〗

〖8羽のニワトリが焼き鳥に成ってしまったと玉子が泣いて居た〗

〖全く火の気のない所が燃えたのは、如何やら放火らしいと消防署の

見解だった〗

〖玉子と淳子と蜜子の3人はなんとなく身の危険を感じ、3人一緒に

通学する事にした〗

〖服装はセーラー服は止めて動きの良い体育着にした・白の布地に青の

ストライプが入った中々爽やかな感じの体育着だ〗


〖3人は其々部活に入って居た・蜜子は弓道部・美術部・淳子は空手部・

吹奏楽部・玉子は剣道部・陸上部〗

〖体育着とは言え3人供に凛々しい姿だ〗

〖3人は雑木林の通学が大好きだった、ちょっと人通りは少ないが新鮮な

空気感が良かった、それに近道だった〗

〖3人は雑談をしながら帰路に急いで居た〗


〖その時、前方に5人の男達がこっちの方をじっと見て居るのが見えた〗

〖段々と近づいて行くと一人の男に見覚えが在った〗

〖間違いなく前出錯覚の顔が在った〗

【よ~・姉ちゃん達よ~・ちょっと話があるんだよ~】錯覚

【ちょっとよ~・そこの脇道に入ってくんね~かい】

【もう一人の男が言った】

〖3人は指示通り脇道に入ったが、こんな時の手筈は決まって居た〗

〖淳子と玉子は2人供前に並び、蜜子は2人の後ろに立った〗

〖そして、蜜子はグリーン・スリーブスを口ずさみ始めた〗


『おいっ、そこの後ろの女・何ブツブツ歌っているんだ、こんな時によ~

変な女だぜ・へっ・へっ・へっ』

『この前はよ~・ひでー目に在ったぜ折角のイケメンが台無しでよ~

やっと腫れも引いたぜ』錯覚

『そんな事より今日はどんな用かしら』淳子

【今日はよ~俺の兄貴分の加結美組の若頭、加結美臭覚様を紹介して~と

思ってな~わざわざお連れ申した訳でな~】錯覚

【錯覚の兄貴分・加結美臭覚と申しやす】(かゆみ・しゅうかく)

【いい体して居るじゃね~か、ムッチリしてよ~ケツも締まっていそう

じゃね~か~・なあ~みんな】臭覚

【バカ男共は全員頷いた】


【俺の趣味はよ~生パン収集でよ~・女子高生の生パンの香りはよ~

蜜の香りだぜ~・そこの谷間の染み込んで居る香りは最高だぜ】嗅覚

【鼻の奥底まで染み込むぜ・俺の発起貝を超刺激するぜ】

【女子高生の生パンは中々手に入らね~からよ~・今日の所は3枚収集

出来そうだな~】加結美臭覚

【ねえ~・女王様早く脱いで生パン頂戴】

【締まったケツのムレ~ムレ~生パン早く頂戴】臭覚

〖変態その者の格好で迫って来た〗


『変態おじさん達見くびっちゃー困るわよ、そう簡単に行かないわよ』

〖淳子と玉子は低く身構えた〗

〖男共は掴み掛かって来た〗

〖3人は身を躱しながら応戦したが5人の男共は【ふぇら・ふぇら】と

笑いながら追いかけ回した〗

【この女共め・逃げ回りやがってよー】

【生パン一枚位・中身は減らね~ぜ・早いとこ脱いで貰おうか】臭覚

〖その時〗

〖雑木林の中から黒いボールの様な塊の集団が現れ・大きく広がった〗

【蜜子の右手が高く伸びて男共を指差した】

【スズメ蜂の集団だった・スズメ蜂達は変態男共に飛び掛かって行った】

【音楽・ホット・スタッフ】

【あ~っ・なんだよ~】【あっあっあ~・イテ~・イテ~ッ】

【あっあ~・スズメ蜂だ~】【イテ~ッ・ちきしょうめ~】

【くそ~っ・イテ~ッ・ちきしょうめ】【くそ~っ・イテ~ッ】

【くそ~っ・また蜂かよ~・今度はスズメ蜂だ~】錯覚


【目の前で変態オヤジ共は逃げ回ったがスズメ蜂達に数回刺された】

【逃げ回るしかなかった】

【逃げ回りながら捨てゼリフを吐いた】

【くそ~っ・覚えていろ~・タダじゃ済まね~ぞ・ちきしょうめ】錯覚

【この場は決着が着いたが、指定暴力団加結美組を敵に回す事に成った】


【ピ~プ~・ピ~プ~・どうした!どうした!場所は何処だ!ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・急ぐのか~!急ぐのか~!ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・夕方混んでる!混んでる!ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・夕方通勤渋滞!通勤地獄!ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・傷口!傷口!小便!小便掛けろ!ピ~プ~】


         【蜜子の誓い】

〖3人は相談した〗

〖こう成ったらもう警察に相談するしか無いと、3人の意見は一致した

いつまでも付け回されると学校生活も家庭生活も安心出来ない〗

【3人揃って寄居警察へ出向き今迄の経過を全て述べた、そして身の

安全を守ってくれる様に頼んだ】

【寄居警察は直ぐに若頭加結美臭覚と前出錯覚に、注意勧告を行う事を

約束した】

〖警察の指導が効いたのか3人の目の前に加結美組の連中はサッパリ姿を

見せなかった〗

しかしある日事件が起きた

〖行き成りでしかも悲しい結末だった〗

〖早朝の出来事だった〗

  【ドッバッーン】【ドッバッーン】

【2発の銃声と思われる発砲音が鳴り響いた】

【庭の方からだった】

【蜜子と家族全員が飛び起きた】

【勿論近所の住民も恐る恐る窓から顔を出した】

【蜜子と家族全員が庭に出て悲痛な泣き声に成った】

【蜜子の家で飼って居た・ボルゾイ犬ベルモットが頭と口から血を吐いて

横たわって居た】


【2発の銃弾がベルモットの頭と体を貫通して居た】

【愛犬ベルモットの変わり果てた無残な姿に蜜子は泣き崩れた】

〖勿論警察は直ぐ捜査を開始した〗

【庭先に落ちていた薬莢と弾丸は証拠として回収されたが犯人の特定に

は至って居ない】

【しかし弾丸には使用した拳銃独特の線条痕が在る事が判明して居た】

【蜜子はおぼろげに思った】

【証拠は全くないのだが加結美組の仕業に違いない】

【蜜子と父親はと2人して警察に出向いて、加結美組を調べる様に申し

立てたが警察の返事は冷めたかった】

【発砲事件は重大な犯罪だが証拠が無い以上、むやみな家宅捜索は出来

ないとの事だった】

【しかし監視は続けるとの事だけだった】


【蜜子は心に誓って居た・ベルモットを殺害した犯人を必ず捕まえると】

【無言の食卓が何日か続いた、言いようのない怒りと悲しみが心の奥底

で交錯して居た】

【愛犬ベルモットをペット霊園で火葬してから10日程経って居た】

〖蜜子は淳子と玉子に頼んで、加結美組の若頭加結美臭覚の顔写真と

先日の待ち伏せ事件の時に居た4人の顔写真を入手した〗

〖蜜子はその写真を持って庭に出ると、庭に在る大きな月桂樹を見

上げた、2階の屋根を通り越して8メートルにも成って居た】

【月桂樹の仲程の高さに、蜜蜂の巣が5つぶら下がって居た】

【スズメ蜂の巣も4つぶら下がって居る】

【特別飼って居た訳ではないが、いつの間にか住み着いて居た】


【蜜子はグリーン・スリーブスを口ずさんだ】

〖可愛い蜜蜂達がスーッと降りてきて、蜜子の周りを楽しげに舞った〗

〖蜜子は4人写真を持って蜜蜂達に見せた〗

【蜂さん・蜂さん・ベルモットを撃った男はこの中に居るかしら】

【すると、蜜蜂達は2枚の写真に群がった】

【加結美臭覚と前出錯覚の顔写真だった】

【蜜蜂達は発砲したのはこの2人組と示した、2人の顔を犯人だと

覚えていた】

【蜜子は確信した・この2人組が発砲した犯人だと】

【蜜子の心の奥底に激しい怒りがこみ上げて来た】

【蜜子の体が小刻みに震えた】

〖蜜子はグリーン・スリーブスを口ずさみ続けた〗

【蜂さん・蜂さん・今度は仲間を大勢連れて来て頂戴ね】

【そして花が一杯咲いて居る方角を指差した・蜂達は喜んで花の

方角へと飛んで行った】

〖蜜子は玉子に頼んで加結美組の建物全体の見取り図と、各部屋の詳細な

見取り図も入手して居た〗


【蜜子は決意して居た・愛犬ベルモットの敵を討つだけでは単なる私怨で

終わるしか無い】

【相手は拳銃不法所持の暴力団だ・銃刀法違反容疑で法の裁きを受け

させるのが本筋だと】

【拳銃不法所持の現行犯逮捕を実現させるのだと】

【可成りの危険も伴うが、拳銃を所持しとて居る所を捕まえて対面する

しか無い】

            【蜜子の裁き】


【加結美組の実態を調べて行く内に可成りの悪行の実態が、浮かび

上がって来た】

【拳銃売買・売春斡旋・麻薬ビジネス・違法賭博・密航ビジネス等々】

【可成りの収入を得ているらしかった】

【警察も監視はして居るが、これと言った証拠は掴んで居ないらしい】

【山口組系指定暴力団・殿上組十三代目組長の七回忌が2週間後に

迫って居た】

【殿上組は関東一円の、暴力団を牛耳るトップクラスの暴力団だ】

【関東一円から各組の幹部達が十三代目組長の七回忌に列席する】

【暴力団の慶弔の式典は可成り派手に取り行われる、それは世間一般に

自分達の力を誇示するのが大きな目的だからだ】


【今回の七回忌にも総勢三百名の組の幹部連中が一同に会する事に成る】

【警察の方も1200名の機動隊が出動して、厳重な警戒に当たる事に成る】

【加結美組としても七回忌に出席しない訳にはいけない】

【殿上組に睨まれるのは、加結美組のビジネスが成立しにくく成り組の

存続も危うく成る】

【加結美組は組員40人が出席の予定に成って居た】

【そして、その七回忌の式典は前日に迫って居た】

〖加結美組の朝礼が始まった〗

〖組長加結美陰銀の挨拶が始まった〗

『いいか、皆な・よーく聞いてくれや明日は大事な殿上組十三代目組長

さんの、七回忌や準備は大丈夫やろな〗

『臭覚ちゃんと準備の方は成っとるやろな』


『はいっ、大丈夫です・全員黒のスーツはクリーニング店から戻って来て

いますよって』

『そうか・そな安心やな、皆な明日は頼むで粗相の無い様になしっかり

やってくれや、頼むで』

【若頭・加結美臭覚の挨拶が始まった】

【よう・皆な明日は殿上組十三代目組長さんの七回忌や大事な式典や

七回忌式典の出来次第で加結美組の存続を大きく左右する事に成る】

【今日の所は酒でも飲んでいないゆっくり寛いでくれや、明日はしっかり

頼むで・なあ錯覚明日の指揮はお前がとれ・解っとるやろな】

【組員全員が頷いた】

〖組の大部屋に全員が集まり宴会が始まり一時間も過ぎた頃だった〗


【ガッジャーン】と

【蜜子が放ったボウガンの矢が窓ガラスを貫通して、窓ガラスが割れた】

〖そしてその直後〗

【割れた窓ガラスの穴から真っ黒な大きな塊が部屋に侵入して来た】

【黒い悪魔の集団スズメ蜂達の群れだった】

【音楽・ホット・スタッフ】

【おっお~・なんだ~】【うわ~っ・イテ~ッ~】

【うわ~っ・スズメバチの集団だ~・イテ~ッ~】

【ちきしょうめ・くそ~っ・イテテて~っ・あっあ~】

【あっあ~・また刺しやがった・この野郎・あっあ~】

【うお~っ・イテテ~・くそっ・なんだ~・こりゃ~】


【加結美組全員が部屋中を逃げ回ったが、どこに逃げてもスズメ蜂達は

組員達を執拗に追いかけ回して、一人残らず刺しまくり窓から飛んで

逃げ帰った】

【組員40人全員が救急車で搬送される事と成り救急車の台数も30台を

超えた・救急車のサイレンが轟鳴り響いた】

【加結美組の建物の周りは【蜂の巣を突っついた】様な大騒ぎと成った

行き先は【寄居総合火葬場合併病院】しか無いと決まったが如何いう訳か

駆け付けた救急車は【寄居町南分署の救急車】だった


【ピ~プ・ピ~プ~・朝からどうした~どうした~ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・酒臭い~朝から酒臭い~ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・朝から飲む奴乗車拒否~ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・蜂刺され~キン玉注射が待って居る~ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・キン玉注射~スズメバチより痛いぞ~ピ~プ~】


【加結美組全員の顔が見事に腫れあがり、どの面もいつもにも増して更に

ふざけた、ひょっとこ面に成って居た】

【建物からそう遠くない所にグリーン・スリーブスを口ずさむ蜜子の

姿が在った】

【そして、殿上組十三代目組長の七回忌の当日と成った】


【機動隊約1200名がお寺中を取り囲み、警備に当たった】

【とてつもなく広い、お寺の駐車場に次々と黒塗りの高級車が乗り入れ

られて、次々と黒のスーツの男達が長い行列を作った】

【あっという間に三百名の黒いスーツ姿の男達が揃った】

【圧倒的な黒いスーツ姿の男達は見る者を圧倒した】

【そして、最後に加結美組全員が到着した】

【正に暴力団の力を誇示するかの様な雰囲気に成って居た】

【加結美組の組員が一人ずつ車から降りて来た】

【その車から降りてくる加結美組の連中を見て、殿上組の若頭殿上真逆が

眉を吊り上げて言った】(とのがみ・まさか)

【おいっお前ら全員なんや!その面!ふざけたひょっとこ面!

しやがって】


【今日は大事な殿上組十三代目組長の七回忌やで!汚い面で汚す気か!】

【加結美陰銀が謝った】

【どうも、すみません、昨日スズメバチの集団に刺されまして全員こんな

ひょっとこ面に成り果てまして、申し訳ございません】

【おまんら!少し気が弛んどるな!ふざけたひょっとこ面!しやがって

どないする気や~】

〖周りから笑いと罵声の渦が飛び交った〗

【はっはっはっ・なんやそのひょっとこ面】

【はよ~・元に戻さんかい!】

【ひょっとこ面の方がハンサムやで】

【早よう、ドンキに行ってウルトラマンのお面でも被ってろや】


【今日は神聖な、殿上組十三代目組長の七回忌やでどないする気~や】

【約三百名の幹部連中にひょっとこ面を笑われる事に成った】

【そして、殿上組十三代目組長の七回忌が厳かに始まった】

【お寺の住職の長い読経が終わり掛けた頃、一台の黒い車が駐車場に

到着した】

【黒いスーツ姿の悪人面した3人の男達が・黒い風呂敷に包まれた五段の

重箱を両手にぶら下げて持って来た】

【三人合わせて三十箱の重箱だ】

【この3人組は俳優の悪役商会のニセモノヤクザだった】

【蜜子が頼んだ、超悪人面のベテラン悪人面俳優だった】

【列席者の中央奧まで近寄ると】

【加結美組組長・加結美陰銀の差し入れで御座居ます・後でお茶受けにと

列席者の皆様に召し上がって下さいとの事です】

【中身はなんや】殿上真逆


【銀座で有名な大虎屋和菓子詰め合わせで御座います・大虎屋名物の

ようかんも極上の材料を使用しております

【日本全国和菓子大会】で優勝した大虎屋名物パティシエ【蜂屋針之助】

プロデュース・贅沢な極上の仕上りと成って居ります】

(五段重の一番上の一段は全て本物の極上和菓子詰め合わせ) 

【若頭・ひとつ御毒味を】と 一段目の蓋を取った

【おうっ・これは正に贅沢な和菓子じゃのう】と ひとつ口にした

【あっうっ・流石じゃな・旨い・申し分ない・後が楽しみじゃな】

【脇のテーブルに置いて帰ります、皆さんで是非堪能してください】

〖テーブルに置いた五段重箱の風呂敷を全て解いた〗


【偽者ヤクザはゆっくりと帰った】

〖一段重を持ち上げると・2段目・3段目・4段目・5段目と紐で繋がり

ひっくり返える仕掛けに成って居た〗

〖30分後、全員にお茶が出た〗

〖殿上真逆が〗

【先程の差し入れ和菓子の極上詰め合わせを、皆で食ってみようかい!】

【五段重がテーブルに六つの山に成って並べられた】

【男達共が六つの五段重の周りに集まった】

【一段重の蓋を一斉に取った!】

【テーブルの周りから一気に歓声が上がった】

【おおーっ!これは凄い!流石!銀座の大虎屋だ!】

【流石!蜂屋針之助だ!】

〖5分もすると一段重は空に成った〗

【若頭・2段重から少し重たいですが】


【大虎屋名物パティシエ・蜂屋新之助プロデュースの作品じゃ、驚く

様な仕掛けが在るぞ、一気に蓋を取ってみろや】と 真逆

【一段重を強く引っ張った途端に、羽音と供に黒い塊が飛び出して来た】

【五段重全てがひっくり返った】

【真逆の大騒ぎに成った】【音楽・ホット・スタッフ】


【あ~っ・なんやこれは蜂屋で!】【スズメ蜂や~・イテ~ッ】

【くそ~っ・蜂屋針之助のやろう・だましやがった・イテ~ッ】

【あふ~っ・イテテ~・くそ~っ~イテテて~っ・あっあ~・いて~】

【うわ~っ・いってって~・スズメバチやないかい!くそ~っ!】

【あ~っ・ちきしょうめ・くそ~っ・イテテ~・いってって~・あ~っ】

【あっわ~っ・あの野郎!イテテて~っ・うわ~っ・イテテて~っ】


【皆逃げるんや~・車や・車に逃げるんや~・はようどかんかい】

【全員駐車場に向かって一目散に逃げたが、蜂の方が遥かに早い】

【直ぐに追い着かれて刺され捲った】

【黒のスーツ姿の男達は蜂から逃げ切るのは不可能だった】

【うわ~っ・うげ~っ・あぢ~っ・ぐげ~っ・げごぎ~っ】

【駐車場に在る車の4つの窓は全て全開に成って居た】

【スズメバチ達は逃げ回る組員達を追いかけ回し、次々と一人残らず刺し

続けこれでもかと追いかけ回した】

【それこそ、お寺中が蜂の巣を突っついた様な大騒ぎと成った】

【お寺の住職も黒の袈裟をひるがえして、逃げ回る有様に成った】

【折角の御線香もそこら辺にぶち撒く羽目に成った】


【ピ~プ~・ピ~プ~・ほいきた・どうした・ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~プ~・ピ~プ~・黒いスーツを脱げ・ピ~プ~・ピ~プ~】

【ピ~ポ~・ピ~ポ~・全部脱いで裸に成れ・ピ~ポ~・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~・ピ~ポ~・ふり珍逃げろ・ふり珍・ピ~ポ~・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~・ピ~ポ~・ふり珍・ホイホイ・ふり珍ホイ・ピーポー】


〖救急車で次々と搬送されたが、ひとつの町の病院だけでは捌き切れず

本庄市・深谷市・熊谷市・行田市・大宮市・鴻巣市・伊勢崎市と広域に

渡り搬送された〗

〖救急車の出勤も埼玉県全域の出勤と成った〗

【監視役の機動隊員1200名は蜂に刺された暴力団員等を救急車に乗せる

事が仕事に成った】

【殿上組十三代目組長の七回忌はとんだ七回忌と成ってしまった】

【真さかの出来事に組長の殿上百冨ももとみは直ぐに加結美陰銀を

呼び出し破門を言い渡した】

【加結美陰銀がどんなに言い分けしても、謝っても破門の撤回は

無かった】


           【加結美陰銀の命令】

【加結美陰銀は首をうなだれて帰路に着く事と成った】

【これからの加結美組の運営は殿上組の協力は得られず、加結美組独自の

運営と成り気の重い加結美陰銀であった】

【しかし一体誰が蜂の入った重箱をお寺に持ち込んだのか陰銀にはその

謎は解けなかった】

【陰銀は組に帰ると、臭覚と錯覚を呼び付けた】

【お前ら大分前に蜂に刺されて居たな!】

【その時の状況を言ってみろや!】

【あん時きゃー・女子高生3人連れをからかい半分で待ち伏せ

しとったんですわ】

【3人連れを林の脇道に誘い込んだんですわ】

【所が、いきなり蜂の大群が飛び出して来て刺されてしもうたんですわ】


【蜂が出てくるチョット前ですわ、3人連れの中の一人の女が儂らを

指差したら蜂の大群が飛び出して来て刺したんですわ】

【今回の蜂の騒動も前回の蜂の騒動もあの女子高生の仕業じゃー

なかろうかと思うんですわ】

【臭覚・お前はその時女子高生が飼って居た犬をチャカで始末した

とか本当か】

【ええ・本当ですわ・儂も蜂に刺されてしもうて、えれー顔が腫れ

上がってしもうたんですわ】

【その仕返しに犬を殺ったんですわ】

【今回の蜂の騒動で加結美組は殿上組組長から、破門を言い渡されて

しもうた、これからの組の運営はえらい大変や、その女子高生は始末

せんとあかんなー】

【なあー・臭覚】【なあー・錯覚】

【2人で殺ったれやー】【チャカで殺ったれや】

【責任は儂が持つで2人で殺ったれや】


        【蜜子のグリーン・スリーブス炸裂】

〖蜜子は予見して居た、必ず臭覚と錯覚が拳銃を持って目の前に現れる

事を、蜜子は覚悟を決めて居た】

〖蜜子は加結美組の建物を取り囲む様にして四方・八方の場所に蜜蜂の

巣を少し高めに造らせた〗

〖勿論目立たない場所にだ〗

〖いつもと違う雰囲気に成ったら、蜜子の所に直ぐに伝令役の蜜蜂達が

飛んで来る事に成って居た〗

〖特に、臭覚と錯覚の顔は蜜蜂達とスズメバチ達にすっかり覚えさせた〗

〖そんなある日、学校帰りの蜜子達に伝令役の蜜蜂が飛んで来た〗

〖蜜子は蜜蜂達と会話した、臭覚と錯覚が乗った黒い車が近づいて

来て居るとの事だった〗


〖蜜子は遂に来たなと思った。あの連中も蜜子達の通学路を把握して居る

らしく待ち伏せする気で居るらしい〗

〖蜜子は伝令の情報から30分早く時間をずらして居た〗

〖蜜子はうっそうとした林の中で待つ事にした〗

【グリーン・スリーブスを口ずさみスズメバチ達を6つのグループに

分けた】

【ひとつのグループが20匹で、約120匹のスズメバチ達を分散して

待機させた】

【淳子と玉子も林の中に潜んだ】

【チョット怖いけど上手く行くかしら】淳子


【何回刺されても懲りない連中ね・今日で3度目か4度目位かしら】玉子

【ショック状態に成っても知らないわよねー】淳子

〖車中で臭覚が言った〗

【錯覚もうちょっと早う飛ばさんかい、早めに待ち伏せや】

【あっあー・あれは何ですやろ】錯覚が前を指差した

【林の中の道路を遮断する様にして太い丸太が横たわって居た】

【なんや丸太やないかい・車が通れやせんで】と 車を止めた

〖とても一人では動かせないので、2人供車から降りて太い丸太を

それぞれで持った〗

〖その時、林の中から蜜子が大きな声で叫んだ〗


【そこのおじさん達・私を殺るつもりで居るらしいけど沢山のスズメバチ

達が待機して居るのよ】

【何時でも攻撃出来るけどいいかしら】

【私を殺るのを諦めてくれれば、攻撃はさせないけど止めてくれますか】

【おうっ・良いぜ・約束するぜ】

【もう、2度と待ち伏せしたり、つけ回ししたりしないとな】臭覚

【ちょっと顔を見せてくれんかい、何処に隠れとんのや】錯覚

【林の中から蜜子が上半身を出した】

〖約40メートルは在った〗


【なんやそんな所に居たんかい・もうちょっとこっちへ近寄ってや

そんなに遠くじゃ話も出来んやろ】と 臭覚

【蜜子は少し近づいた】   その時

【臭覚は懐から拳銃を取り出すと行き成り蜜子に向けて発砲した】

【ドギュン・ドギュン】【ドギュン・ドギュン】

【4発の銃声が林の中で鳴り響いた】

【その内の一発が蜜子に命中した様だった】

【蜜子の姿が消えると同時に人が倒れる音がした】

【ドサッ】

【臭覚さん・どうやら当たった様ですな、見に行きましょうか】

【確かあの辺やったと思いますが】錯覚が倒れた場所に近づいて来た

【その時・大きな音がした】


【ガッジャッン】

【なんやあの今の音は】錯覚

【車のウィンドウガラスをボウガンの矢が貫いた音だった】

【臭覚さん車の窓ガラスが割られた様ですや】錯覚

【そんな事より早く死体を探さんかい】臭覚

【探して居ると人の足らしい物が見えた】

【おおーっ・あそこに倒れて居まっせ】と 2人供に近づ居た

【あっあー・なんや人形や・人形やでくそったれ女め】と

【人形を蹴飛ばした・人形が転がって背中が見えた】

【背中に貼り紙が着けて在った】


【とことんやる気ね・覚悟してね】

【その直後スズメバチ達が一斉に飛び出して、2人目掛けて飛んで来た】

【あっあー・スズメバチやで・早よう車に乗るんや】

〖2人は車の所まで一目散に逃げた〗

〖車に近づきドアの取ってに手を掛けたが、直ぐに取ってから

手を離した〗

【穴の開いた窓ガラスから侵入したスズメバチ達が、車の中で渦巻を造り

待ち構えて居た】

【ブン~ブン~ブン~ブン刺すぞ・刺すぞ・来るなら・刺すぞ・刺すぞ】

【ブン~ブン~ブン~ブンどうした・怖いか・怖いか・刺すぞ・刺すぞ】


〖とても、車の運転は出来ない・後ろを振り返った途端に2人は刺され

始めた〗【音楽・ホット・スタッフ】

【ブン~ブン~ブン~ブン刺した・刺した・刺した・ブン~ブン~ブン】

【ブン~ブン~ブン~・まだまだ刺すぞ・刺した・刺した・ブン~ブン】

【刺した・刺した・うげ~っ】【刺した・刺した・ぐげ~っ・あじ~っ】

【ぶぎゃ~っ・あぎゃ~っ】【刺した・刺した・ぐげ~っ・げご~っ】


【2人は林の中を死に物狂いで逃げ回ったが、何処に逃げてもスズメ蜂

だらけで、走れば走るほどスズメ蜂達は容赦なく追撃した】

【アッアー・アッアー・拳銃発射・どいつだ・アッアー・アッアー】

【アッアー・アッアー・拳銃発射・どいつだ・だれだ・アッアー】

【アッアー・アッアー・拳銃発射・糞野郎か・糞野郎か・アッアー】

【アッアー・アッアー・拳銃発射・逮捕・逮捕・アッアー・アッアー】

【ピ~ポ~・ピ~ポ~・救急車到着遅れる・ピ~ポ~・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~・ピ~ポ~・遅れる・残念・残念・ピ~ポ~・ピ~ポ~】

          【法の裁き】


【拳銃を発射してから直ぐに玉子が110番通報して居た】

【スズメバチ達は既に帰路に着いて居た】

〖10台のパトカーが到着した〗

〖蜜子達3名は到着した警察官に事情を詳しく説明した〗

【臭覚と錯覚は銃刀法違反容疑・拳銃不法所持・殺人未遂容疑・の

現行犯逮捕と成った】


【直ぐに加結美組の家宅捜索が始まり、拳銃30挺・大麻約12㎏が

押収された】

【組長の加結美陰銀を始め組員全員が検挙された】

【加結美組は壊滅状態と成り・解散を余儀なくされた】

【人形を貫通した拳銃の弾丸も回収された、その弾丸の線条痕が愛犬

ベルモットの体を貫通した弾丸の線条痕と合致するのは間違い無い】

【後は法の裁きに任せる事と成った】

【蜜子は愛犬ベルモットの墓に花を添えた】

【蜂達もその花の周りで舞って居た】

【蜜子は小さくグリーン・スリーブスを口ずさんだ】

【蜜子達3人は今日も仲良く通学して居た】

【その3人を見守るかの様にスズメバチ達は遠巻きに宙に舞って居た】


【日が落ちかけた茜色の空に、3人の姿が美しいシルエットに成って

重なり合って居た】

【蜜子の口ずさむグリーン・スリーブスも夕焼け空へと吸い込まれて

行った】

             

                        種子火たねび

             【登場人物】

花咲蜜子はなさき・みつこ弓道部・美術部】

野口淳子のぐち・じゅんこ空手部・吹奏楽部】

丸山玉子まるやま・たまこ剣道部・陸上部】

丸山玉希まるやま・たまきサッパリ部】

【殿上百冨・殿上組組長】【殿上真逆・殿上組若頭】

【加結美陰銀・加結美組組長】【組員・その他大勢】

【加結美臭覚・加結美組若頭】(生パンティ窃盗未遂罪で逮捕)

【前出錯覚・補欠組員】(生パンティ窃盗補助罪)屁こき990%爆裂男)

【寄居総合火葬場合併病院・院長・真下握瑠】(御握り690%爺)

【寄居総合火葬場合併病院支店長・真下追医焚鬼】(火葬場・3度焼弟)

【ボルゾイ犬・ベルモット】


                    【種子火たねび

【この物語はフィクションです】

【この物語に登場する団体名・個人名は全て存在しません・架空です】



















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ