のりこと叔母(続)3の4
(はて?面妖な。ご友人はこのような口ぶりでございましたか?)
疑問に思ったが、いまはそんなことはどうでもよい。
「はっ!あなたさまのご友人・のりこさまにつかえる男衆・クワクでござる!それにしても、美桜さまがなぜ斯様なところに?」
問いに対して、
少女は
「……ふむ。われが交信を続けたる偉大な御方によれば、今、この地には旧敵の気配が強く立ちこめり。
われが宿りしこの生物……宿主名・ミオの記憶によれば、この地の所有者は、ミオがいつ訪問しても問題なきと述べり。故に、われは来たり。
さすれば眼前の構造物に、濃厚に旧敵の気配あり。その構造物の扉を開け見れば、にわかに多量の塩化ナトリウム水溶液の中に投じられたり。
事実をかんがみるに、この肉体がいずこへかと転送されたと見るべきや。しかるに、この未開の惑星にそのような科学技術があるとは考えがたし……と考察を深めるうちに意識を失えり」
わけのわかりにくい言い草だが、要はのりこに「いつ来てもいいよ」と言われたから旅館を訪れた。そこでラウンジの置き時計が気になって開けたら、海に放り出されて溺れた……ということらしい。
交信を続ける偉大な御方うんぬんの意味は、よくわからないが。
「どこに所有者……個体名ノリコはある?」
美桜の問いに、
クワクが
「はぐれてしまいもうした。それがしも探していたところでござる」
「そうか。では、われもその探索に参加しよう……まずはわれを抱き起こせ」
「はあ、かしこまった……やっとな」
男衆がふらつく少女を支えて起き上がらせると
「――よし。では、そのままわれを担え」
「お、おんぶでござるか?」
少女の大胆な申し出に、クワクが戸惑っていると
「『われ』というか、この肉体はかなり疲弊したり。この個体の記憶によらば、なんじらオトコシュとは、われら訪問者を益することが務めであろう?」
「そうではございますが、おんぶまでいたすは、ちょっとサービス過剰……」
クワクがぐずると
「黙れ、下等生物!われは、この惑星の危機を救いに来たるものなり。旧敵に見えたさい、疲れていては役に立たず。
汝は、この星を消滅させたいか!?」
きびしいことばに、
気の良い男衆が
「はあ、かしこまってござる……されど、それがしはこれでもそこそこ高貴な生き物でございますよ」
しぶしぶ背に乗せると、
少女は
「そら行け!宇宙の危機を救うのだ!」
ほえる。
「とほほほほ……さても蜘蛛づかいの荒いお客でござる」
少女の指示にしたがって進みはじめた。




