表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あやしの旅館へようこそ!  作者: みどりりゅう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/350

のりこと霧の部屋11

 のりこが人面牛に言われたとおりに道をまっすぐ行くと、たしかに高速道路の高架があった。

 ただ、車が通る気配はない。


 人気(ひとけ)もなくうらさびしい霧のなか、どこからか


 ――しくしく


 女の人が泣いている声がした。


 目をこらして探すと、暗い高架の下、赤いコートに白いパンタロンというハデないで立ちの、髪の長い女性がこちらに背中を向けて立っていた。


(――ああ、やだなあ。いかにも、っていう感じだよ)


 のりこはその女性 (らしきもの)のうしろすがたに、いやな予感しかしなかった。なにせ今日は、うしろを向いているものに声をかけてロクな目に会っていないのだ。またおそいかかられでもしたら最悪だ。

 タイミングよくクワクやメッヒが来てくれないかと、まわりを見わたすが、どうもそんな気配はない。


(……やだなあ。でも、しかたないか)

 根がマジメな小学四年生は、旅館のあるじとしてのつとめをまっとうすべく声をかけた。

「――あのう、すいません」


 その声に反応して、ゆっくりとふりかえった女性は、その顔を白い大きなマスクでおおいかくしていた。

 だまりこくっている相手に少女は危険を感じながらも、勇気をふりしぼって

「あなたはだれ?もしかして、お美和さん?」


 問うた少女に対して女性は


「――あたし、美人?」

 ぎゃくに問いなおしてきた。


 こっちの質問に答えないで急におかしなことをたずねる人だと思ったが、たしなみのある少女であるのりこは、失礼にならないよう

「マスクをされていたらわからないです」

 と正直に答えた。


 女性は、しばらくだまっていたがおもむろに

「……じゃあ、これでは?」

 とマスクを外し、ニタッとわらった。

挿絵(By みてみん)

 その口は!(みみ)せせまでくわっと裂けて、肉の内側がまっかに見える。

 世にもおそろしい口裂け女だ!


 のりこは目を見開き、かたまったまま女を見つめていたが、しばらくすると

「……う――ん。きれいだけど、口の中はちょっと腫れてるね。歯周病かな?歯医者さんに行って診てもらったほうがいいんじゃない?」

 さめた口調で答えた。


 口裂け女は、おどろいたようすで

「あんた、あたしがこわないのん?」

 と、たずねた。


 どうやら彼女は関西出身らしい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ