のりことお友だちのお泊り会18
仙人はすばやくコースターの手すりに足をかけると
「てめえ、このエロダコめ!その下品なヌル足をはなしやがれ!
たこ焼きにしてやんぞ!それともアヒージョがお好みか!?」
剣で蛸の足を切りつけると、巻き付けがゆるんで少女がズルッ……
「きゃぁっ!」
下に真っ逆さま。
少女を受けとめたのは、大きなテントのやわらかい布地だった。
破れはしたが、ケガすることもなく地面に着地することができた。
(高いところから落ちるのは、件の小屋以来だ。あたしって、こんな目に合うのが多すぎない?)
破れた天井に声をかけるが、返事はない。仙人はコースターで先に行ってしまったんだろうか?
くらい周囲を見わたすと、そこにあったのは
「あたし?……って、あっ鏡?」
どうやら、このテントはミラーハウスらしい。
仙人ともはぐれてしまったし、とにかくここを出ないといけない。
鏡におおわれた空間を手探りするように進む。
複雑な反射で鏡にいっぱい映る自分の表情は、どれも不安げだ。
(そりゃ、おそろしい目に合ったんだもの。
でも美桜ちゃんや芽依ちゃんはもっとこわい思いをしてるにちがいない。
なんたって、あたしとちがって、こういうおかしなことに慣れてないんだから……早く助けてあげないと)
そうあわてるのりこだったが、しかし
――どういうことだろう?いつまで進んでもなかなか外に出られない……
というか、あれ?
これ、すっかり四方が鏡におおわれちゃってるじゃない!?
いつのまにか、すっかり閉じこめられてる!
鏡をたたいても、どうしても出ることができない。
いったいどうしたら?
鏡に映るたくさんの自分のあせり顔、それらについつい目が行くと……
(あっ!いっぱいいるあたしのうち、ひとりだけわらってるヤツがいる!)
のりこは思わず体ごと、その自分ではない自分にぶつかっていった。
バッリ――ン!!
鏡が、すべて割れた。




