のりことお友だちのお泊り会12
夕食のあとは、メッヒとクワクが一同の布団を持ってきて敷いた。
少女たちはその上に寝っ転がって、パジャマ・パーティならぬ浴衣パーティーのはじまりだ。
なにかあるかと部屋のテレビの下を探ると、そこにはいっぱいのゲーム機器とソフトが置かれてあった。のりこは見たことがないものだ。
「……あのおばさん、部屋にこもってゲームばかりしてやがったのか。ほんとうに仕事しない人だったんだね」
口を曲げて言う。
「あたし、おばさんにあるじの仕事をおしつけられたんだ……楽しいから、まあいいけど」
こどもに仕事をおしつけるなんて、また冗談かと思ったけど、少女の意外なほどシリアスな表情に同級生二人もわらうことができなかった。
「――まあ、いいや。せっかくだからこれであそぼう」
気を取りなおして明るく言うのりこにしたがって、みんなで遊ぶことにした。
三人とも荒っぽいシューティング・ゲームなどは苦手なので、画面の動きにあわせて踊るソフトをプレイしてみた。
三人とも初めてだったが、やってみると楽しくて盛り上がった。
内気な芽依がヒップホップのステップを、思ったはるか斜め上のうまさで踏むのを見たときは
「「芽依ちゃん、スゴーイ!」」
「てへっ」
のりこと美桜は、顔を見合わせ大わらいした。
体を動かして遊んだあとは、ふつうにカードのトランプでゲームをした。
のりこが圧倒的に強いのに、ふたりはびっくりした。何回やっても、ぜんぜん負ける気配がない。
とにかく「引き」が強いのだ。
「……う~ん。この前、旅館と従業員をかけた大勝負を魔……よそのおばちゃんとしたからかな?自然と勝負ごとに強くなっちゃった気はするよ」
(なんて冗談を、また言っていた。ほんと、たのしい子)




