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第10話 十五にしてたつ

ラッキースケベ?

健康な男の子なら仕方ないよね

って話です。


今回も貴子の語り口調、変です。

心中、お察し下さい。

 子曰、

 吾十有五而志于学、

 三十而立、

 四十而不惑、

 五十而知天命、

 六十而耳順、

 七十而従心所欲不踰 矩。


 孔子は十五歳で学問を始めたと言ってる。対して、現代日本では六歳で小学校に入り、勉強を始めてる。

 十五歳って私達と同じ高校一年生って事でしょ?勉強始めるの遅くない?


 別に古典とか漢文の授業中ではありません。

 孔子が思い浮かんだのは、なんとなくです。

 なんとなく…渡辺君が悪いんです。



「す、すまん。サーフパンツの腰紐結ぶの忘れてた。」

「そんな事いいから、早く履け!」


 渡辺君が言い訳をして、久保田君が早くナニ(・・)を隠す様に言います。渡辺君はそそくさとサーフパンツを履き直し、腰紐をギュッと締めました。

 いえ、私は手で顔を覆ってたので、渡辺君がサーフパンツを履くところを見てませんよ?見てないったら見てないの!

 佐藤さんが「あっ…」と未練がましく手を伸ばし、残念そうにしてます。何故ですか?


 気を取り直して、皆んなでウォータースライダーへとやって来た。未だ混んでるなぁ。待ってても空きそうにないので、行列に並ぶ事にした。

 ここのスライダーは、トラックのタイヤほどある大きな浮き輪に二人で乗って滑るタイプ。誰とペアになるか決めようとした時、佐藤さんが渡辺君と組むと言い、渡辺君も了承したのでペア確定した。それを聞いた久保田君はウンウンと頷いてる。もしかして…


 残った四人でペアリングするのですが、桜庭さんが久保田君と組むと言い出し、私と楓が組む事に。


 三十分ほどして、やっと私達の滑走?の番になった。渡辺・佐藤ペアは前に渡辺君、後ろに佐藤さんと並んで滑っていきます。


 続いて久保田・桜庭ペア。前が久保田君で後ろに桜庭さん。ん?桜庭さん、久保田君にしがみつき過ぎでは?久保田君の背中に押し付けてますよね?ワザとかしら。桜庭さん、なんだか悪い微笑みしてますよ。

 楓がまた、ハァと溜息。今日の楓、溜息が多い気がするなぁ。


 楓と私の番になった。ジャンケンの結果、私が前で楓が後ろ。楓の腕が背後から私の腹部へまわされ、抱きつかれる。楓のオッパイが背中に押しつけられる。柔らかい…

 って思ってる場合じゃない。楓の手が私のお腹を(まさぐ)りだした。


「あふぅん…」


 私、変な声出しちゃいました。楓が後ろから耳元で囁いてくる。


「貴子。可愛い。」


 え?楓ってやっぱりそっちなの?

 そんな事を考えてると係員のお兄さんに、


「いってらっしゃ〜い!」


と言われて、浮き輪をスライダーに押し出された。


「ひゃぁぁああああ〜〜!」

「ふぇぇぇええええ〜〜!」


 このスライダー、断言できる。ヤバい。カーブを曲がる時、遠心力でそのままチューブの外に飛び出すんじゃないか!ってくらい怖かった。


ザッバァァアア〜〜ン


 スライダーの終わりにある着水プールにたどり着いた時、私は涙目になってました。もういいです。十分に堪能しました。楓ももういいと言ってる。

 他の四人はもう一度行ってくると言い残し、ウォータースライダーの待ち行列へと並びに行った。貴方達、勇者なの?


 楓と私は園内にあるフードコートに移動して、小さめのカキ氷を買って食べた。

 水着のトップスが少し緩くなった気がするけど、大丈夫だろう。

 二人でたわいもない話をして過ごし、楓が花摘みに行ってくると席を立った。


 一人になると湧いてくるんですよね。

 困ったもんです。


「彼女〜ひとり〜?」

「俺たち、暇なんだよね〜一緒に遊ばない?」


 どこにでもいますよね。チャラチャラした金髪系日焼け男。はっきり言ってウザいです。こういう時は無視するに限る。


「無視しなくてもいいじゃん?」

「俺達、良い人だよ〜?」


 『態は心を表す』と言うことわざを知らないのかしら。見た目で人を判断してはいけないとは言うけれど、このケースには当てはまらないと思う。

 こんな男にホイホイと釣られる女の子っているのかしらね?いるからナンパしてるんだろうけど。


「連れがいるので遠慮しますね。」

「そんなのより俺達の方が面白いぜ?」

「連れも女の子?二対二でちょうどいいじゃん。」

「しつこいですね!貴方達とは遊びません!」

「いいから、いいから…」


 男が私の腕を掴みにきました。本当にウザいです。


「待たせたな!」


 私の目の前にサッと割り込んできた男の子。この背中、朝から見てます。久保田君の背中です。


「なんだ?てめぇは?」

「俺か?俺は貴子の彼氏だ!」

「ふぇあ?」


 腑抜けた声をあげてしまった。


「貴子はな、俺の女なんだよ!うせろ!」

「あわわ…」


 か…顔が熱い。今、私の頭から湯気が出てませんか?


「チッ!」


 金髪達はそのまま行ってしまいました。


「佐伯さん、大丈夫だったか?」


 え?佐伯さん?さっきは貴子って呼んでなかった?


「佐伯さん、しっかりして。」

「もう大丈夫よ。」


 あれ?渡辺君と佐藤さんが声をかけてくれてます。二人の顔がニヤニヤしててキモい。周りを見渡すと桜庭さんもいる。私をキッと睨む桜庭さんの顔が怖い。

 あ、楓も戻ってきた。楓は私の顔を見るなり、ハァと溜息してる。なんで?


「ま、何事もなくて良かった。」


 久保田君がニコッと笑った。私の顔がさらに熱くる。どうしたの?わたし…


「皆んな、戻って来たから早いけどお昼にしましょう。」


 楓がそう言い、昼ご飯をとる事になりました。そう言えば、お昼ご飯は渡辺君の奢りになったんだった。

 ごちそうさまです、渡辺君。



 そして昼下がり。昼ご飯を食べた後、私達は造波プールで波に揺られながら、ビーチボールで遊んでいる。

 途中で渡辺君と佐藤さんが、ウォータースライダーへ行ってしまった。余程、気に入ったのだろう。


 私は浮き輪にお尻をすっぽり入れた状態で、手足をばたつかせながら、楓が打ち返してきたビーチボールを取ろうともがいてた。

 その時、ウォーとかキャーとか造波プールにいる人達が声を上げる。1メートルを超える大波がやってきたのだ。


 私はバランスを崩し、浮き輪ごとひっくり返った。ガブブ…ヤバい、少し水を飲んだ。私は少しパニックになったのだろう。手足をバタバタとしてもがく。苦しい…


 誰かが私の腕を掴んで引き寄せると、抱きしめてくれた。足がプールの床に着く。少し安心した。


「佐伯さん、大丈夫?」


 久保田君の声が聞こえる。


「ゲホッ…ゲホッ…だ、大丈夫だよ…ひゃっ!」


 久保田君が私をさらにギュッと抱きしめる。顔が再び熱くなる。


「すまん、佐伯さん。俺から絶対に離れないで。」


 久保田君。それって、どう言う意味なんですか?顔から蒸気が発散しそう。


「え?どうして?」

「そ、それは…」


 久保田君が言いにくそうにしている。

 これ以上、久保田君に抱擁されていると私、死んでしまう自信がある。


「恥ずかしいから、少し離れてくれたら嬉しいな…」

「ダメだ!」


 久保田君が離してくれない。離してくれないと、私の心臓がもたないんですけど。さっきから心臓がドキドキして苦しい。

 久保田君の顔が私の顔に近づく。近い!近いってば!私の耳に久保田君の吐息がかかる。それ、反則技だから!

 久保田君が囁いた。


「水着の上が外れてるんだ。」

「へ?」


 私は視線を下に向ける。トップスが無い。私のオッパイは久保田君の胸に直に接触してる…


ボンッ!


 ダメだ。私の思考回路が停止してしまった。やだ、なにこれ。私、死んだよね?


「楓!」


 久保田君が楓を呼んでいる。寄ってきた楓に、ゴニョゴニョと楓に耳打ちしていた。楓は周りをキョロキョロして水の中に潜った。


 私はさっきから下腹の辺りが気になって仕方がない。何故か?


 下腹部に久保田君の硬いナニ(・・)が押しつけられてるん。これだけギュッと抱きしめられてるんだものね。当たると言うより刺さる感じ?

 なんだか私、変な気持ちになってきた。嫌悪感と言うよりも、なんかこう、お腹の芯がモゾモゾとする感じ。

 私、変な意味で逝ってしまいそう。私も久保田君の背中に回した腕に力を入れて抱きしめ返してしまう。


ザバッ!


 浮上した楓の手に、私の水着のトップスが握られていた。


「貴子、着けるから少し体を離して。」


 久保田君が腕の力を緩める。楓がトップスを私の胸に被せて、背後で紐を結んでくれる。


「できたわよ。」


 私は久保田君の抱擁から解放された。名残惜しい気がしてしまう。もう少し、あのままでいたかったな。


「プールから上がって休憩しようか。桜庭さんもどう?」


 楓が言った。私はコクリと頷く。桜庭さんも仕方なく頷いた。


「紀夫、行くわよ。」

「俺はもう少し、ここに残る。」

「あら、そう。ま、鎮まるまで仕方ないわね。」


 楓に手を引かれプールサイドに向かって歩きだす。


 まだ顔が熱い。心臓もドキドキしたままだ。下腹部に残る硬い感触。変に意識してしまう。


 前を歩く楓がゴチていた。


ナニ(・・)フラグ()ててるのよ…まったく…」

お読みいただきありがとうございました。

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(`-ω-)y─ 〜oΟ

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