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第39話 君の助けに

「気絶しててごめん! 俺が変わるから、椿は回復してもらって!」


出雲がそう言うと、出雲を回復してくれた女子が椿を手招きしていた。椿は出雲に抱き起こされるとふらつく足でその女子の元まで歩いて行く。その際に出雲がありがとうと椿に言ったので、その言葉を聞いた椿は頬をさらに紅く染めてこっちこそよと呟いていた。


「早く来て! ここで横になって!」


女子にそう言われた椿は、何度も咳き込みながら言われた場所に横になる。椿は戦っている出雲の戦闘音を聞きながら安心すると感じていた。椿は女子に回復魔法をかけてもらい、徐々に魔力が戻りつつあり傷も治っていく。


「ありがとう……助かったわ……」


椿は身体が次第に治ってきたので、出雲の手助けに行くと女子に言う。しかし、まだ全快していないと回復を行っている女子が言うと、椿はそれでも支えないとと鬼気迫る表情で女子に言うと、そのまま出雲の場所まで走りだしてしまう。


椿を回復していた女子はまだダメだよと叫ぶが、その声は椿には届いていなかった。椿は戦っている出雲の側に走っていくと、出雲が椿に気がついて何で来たのと言う。


「私は出雲に助けてもらってばかりだから、私も守りたいの!」


守りたい。そう言われた出雲はこれが友情ってやつなのかなと感じていた。そして、出雲と椿が共闘をしてワニに相対をすると一気に状況が変わった。出雲がワニの攻撃を防ぐと、椿が回復した少ない魔力を振り絞って真空の刃を二発飛ばした。一発は避けられたが、二発目がワニの左側の顔を削った。ワニはそれだけでは死ぬことはなく、怒り狂って顎や右手の爪を駆使して出雲と椿を殺そうとする。


「もう少しだ! もう少しで倒せるぞ!」


出雲が椿にそう言うと、椿が皆もう少しだよと周囲にいる受験者達に叫んだ。すると、周囲の受験者達は勝つぞと意気込んだ。ワニの爪や顎の攻撃を数発出雲が受けると椿が攻撃をする。椿がワニの攻撃を受けると出雲が攻撃をする。それを交互にしていきワニを追い詰める。


それを数十分続けると、ついに出雲がワニが顎で地面に陥没穴を作った隙を見つけて、光弾をワニの口の中に叩き込んだ。


「倒れろ倒れろ倒れろ倒れろ倒れろ!」


出雲は魔力が枯渇寸前になる手前まで光弾を放ち続けた。それは十発以上であり、ワニが絶命しても続いていた。椿はもう死んでるからと出雲の手を取って止めると、その場に出雲は座り込んだ。


「倒した……やっと倒した……巨大すぎるわあのワニ……それに強すぎる……」


出雲はワニを倒すとその場に座って仰向けに倒れた。椿は倒れた出雲の横に座って、ありがとうお疲れ様と出雲の頭を撫でた。それから五分程度経過すると、周囲の受験者達は怪我をしている人はいないか話しかけをし始めていた。出雲は気絶はしていなかったので、その声掛けが聞こえていた。出雲はその声を聞くとゆっくりと身体を起こして、椿に一緒に声掛けをしようと言う。


「そうね! ここまでしたんだもん! 最後までちゃんとやりましょう!」


椿がそう言うと、出雲は笑顔で頷いて返答をした。出雲と椿はその後、自身の持っている残っている飲み物を駆使して怪我をしている人に飲ませたり、飲み物が余っている人には飲ませてと言いまわった。


衰弱する人がいないように言っていたので、出雲が率先して持っているペットボトルのお茶の少しずつ飲ませていく。八割ほど残っていた出雲のペットボトルは既に空となっており、出雲は自身の分を残してはいなかった。出雲に椿が飲み物飲まないのと聞くと、俺の分も飲ませちゃったと出雲が言った。


「な、何しているの! 自分の分くらい残しておいてよ!」


椿が出雲を怒ると、自身の持っている残り少ないペットボトルを飲ませた。出雲は申し訳ないよと言うが、飲まなきゃダメと強引に飲ませる。


「あ、ありがとう」


出雲はそう言って飲み物を飲むと、これは椿との間接キスではと思ったが、沢山の受験者の後なのでそんなことはないかと思い直した。


「美味しい……飲み物が美味しい……」


出雲は椿からもらった飲み物はお茶であったが、凄い美味しく感じていた。


「飲み物ってこんなに美味しいんだね。 戦った後だと凄い美味しい!」


出雲の花が咲くような笑顔を見た椿は、自身の気持ちにはっと気がついた。


「あぁ……私は出雲のことが好きになっちゃったんだ……」


椿は小さく呟いたその言葉は出雲には聞こえていなかった。


「何か言った? 小さくて聞こえなかったよ」


出雲がそう言うと、椿は聞こえなくていいのと言いながら出雲の両頬を引っ張った。

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