表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法の世界で新たな人生を~捨てられた人生のやり直し~  作者: 天羽
第1章 異世界への転移編
23/153

第23話 次の場所

「見た目は普通の焼きそばだけど、濃厚な匂いがしてとても美味しそう!」


出雲がそう笑顔でいると、美桜がこの焼きそばは琴音が作ってくれたのねと言う。


「琴音さんが作ると違うの?」


出雲が美桜に聞くと、美桜が琴音は料理が美味しくてとても家庭的なのと言った。


「料理美味しいんだ! 美桜みたいに誰かに任せたりしないの?」


その質問に美桜が琴音や蓮たちの家は使用人を雇ってはいるけど料理は母親が作っているみたいよと言う。


「貴族も様々なんだね。 あ、凄い美味しい!」


出雲はそう言いながら一口食べると、その濃厚な味に驚いていた。焼きそばをあまり食べたことはないが、この焼きそばは普通とは違うと断言できる美味しさであった。


「私はたまに琴音の家に行ってご飯を食べたりしてるけど、琴音のお母様の料理も絶品よ!」


美桜が笑顔で言うと、食べてみたいなと思う出雲である。それからはお売りを食べて、抹茶さらしな茶という聞いたことがない飲み物を飲み、その味に悶絶しながらも美味しいという訳が分からない飲み物を飲んで、店を後にすることにした。


「ご馳走様、美味しかったわ。 お会計をお願い」


配膳をしていた琴音に美桜が言うと、はーいと可愛い声で対応した。


「お会計は二人で二千五百円です」


値段設定が分からないが、普通なんだろうと出雲は思った。美桜が会計を終えると、沙羅が小走りで駆け寄ってきて美桜に話しかけた。


「今日は来てくれてありがとね! また手伝ってほしい時は連絡するねぇ!」


沙羅の言葉に美桜が了解ですと返した。店から出ると美桜は寄りたいところがあるから行こうと出雲に言った。出雲はどこに行くのと聞くと、私の好きなものが売っている場所だよと笑いながら話す。


脇道から出て大通りに戻るとそこには多くの秋野原に買いもに来ている人たちで溢れていた。秋野原にいる美桜はこの街にいるととても楽しそうな顔して色々な店に入っては出て、入っては出てを繰り返していた。


「なんか荷物増えてない?」


出雲は入っては出てを繰り返している美桜の荷物が少しずつ増えていることに気がついた。


「何を買ったの?」


出雲が聞くと、美桜がビニール袋から小さな長方形の箱を取り出した。


「これは数量限定の限定版であるねんどろいどよ!」


それはデフォルメされたフィギュアであった。デフォルメされたフィギュアは美桜が好きなアニメのグッズであり、美桜は目を輝かせて可愛いわと言っていた。


「そのアニメ凄い好きだね! 他のアニメとかも好きなのあるの?」


美桜はそう聞かれてうーんと唸っていると、今はあのアニメだけど他にはギャグ系や日常アニメも好きねと言った。


「色々なアニメがあるんだね! 美桜はいつ頃からアニメが好きになったの?」


その質問に美桜が右手の人差し指を顎に置いて少し考えると、出雲に歩きながら話し始めた。


「一時期実家に一人でいることが多くて、何もすることがなかったの。 その時にテレビでやってたアニメのCMを見て、一人で苦難を乗り越えることや一人で生きるその強さが羨ましくてアニメを見るようになったの」


そう聞いた出雲は美桜にも辛いことがあるんだなと思い、美桜との距離が少しだけ近くなった気がした。それから美桜は出雲を連れて秋野原で有名なアニメグッズを扱う地上五階、地下二階の縦長のビルに入っていく。そこはアニメスポットという看板がビルにかけられており、美桜はやっと来れたわと笑顔になりながら出雲の右肩を軽く叩きながら話していた。


「ここが来たかった場所なんだね。 結構人が沢山入ってるけど、どんなものが売っているの?」


出雲が美桜に聞くと、歩きながら説明をするねと言った。


「ここの入り口がアニメの特集雑誌や新発売の漫画本や小説とかが売っている場所ね。 そして二階や三階はシリーズ物の漫画と小説が売っているわ。 四階と五階はアニメのグッズ売り場ね今まで売られたものや新発売の物が売っているわ」


出雲は畳み掛けるように説明をする美桜の楽しそうな顔を見て、自身も楽しくなっていることに気がついていなかった。


「ねぇ、ちょっと聞いてる? 私が説明しているのよ?」


屈んで出雲を見上げる形で美桜が言う。出雲はその時に美桜の胸元が見えてしまいドキッと心臓が大きく鳴った。


「ご、ごめん! 美桜が楽しく話すものだから俺も楽しくなっちゃって」


出雲の言葉を聞いた美桜は、ならいいけどと言って説明を再開した。


「地下はね、イベントとかをやるスペースになってるの。 アニメのイベントとかキャストさんによるトークショーとか色々やってるわ」


美桜はそれで簡単な説明は終わりかなと言って、目当ての物がある三階に階段を上って歩いて行く。美桜は三階に到着すると、人だかりが出来ていることに驚いていた。


「しまった! あのフィギュアを目当ての人がこんなにいるなんて!」


美桜はそう叫んで、人だかりの中に突っ込んでいった。出雲は突然負けるかと叫びながら走っていった美桜に驚きながらその場に立ち尽くしていた。


「何があったんだ……美桜さーん!? どこに行ったのー!?」


出雲が人だかりに向かって声を上げると、美桜のこっちに来てと言う叫び声が聞こえた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ