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第4話 「呪われた力」

今回は第3話から起こっている大きな騒動で、クレトのバトルシーンが見れる回になっています!導入なのであまり激しく戦ってはいませんが...!

今回もよろしくお願いいたします!


「...はぁっ、はぁっ、何なんだ...あいつら」


黒衣の集団の大柄な男に斬りかかった直後、クレトとその周辺にいた人達は熱風とともに吹き飛ばされた。尋常でない魔力の強さを目の当たりにし、動揺を隠せないでいた彼は冷静になってその場を分析しようとした。吹き飛ばされてきた場所は暗がりの町工場の跡地。そこでは多くの魔法道具が製造されていた形跡があった。


そしてクレトが遭遇したのは先ほどの黒衣を纏った大柄な男を含む三人衆。彼らのマントには赤色の刻印が施されており、捲れたマントから見えた左手には黒い包帯が巻かれていた。また、その腕は白い骨が露わとなっていた。


「誰かそこにいるのか?」


足音に気づかれたようで、クレトは急いでコンクリートの壁の裏に隠れた。


--白い...あれは骨か?白骨化した腕に黒い包帯...呪いの一種だろうか...?それとも腕を犠牲に錬成する魔法の一種なのか...?


「俺達の正体に気付いて、無事で帰れた者はいない」


一人は壁をすり抜け、もう一人は床を突き抜けて彼の脚を捉えた。最後のリーダー格とも言える先程遭遇した大柄な男が黒いルーン魔法陣を宙に描くと、複製された魔法陣が数百に増え、一斉に黒い槍がクレトを目掛けて飛び交い始めた。その男からは尋常でない魔力量を感じ取ることが容易に出来たのだ。


「そっちがその気なら、こっちも本気見せてやるよ...!雷霆の槍!」


無数の槍を撃ち落とす稲妻の光線が相殺しあっていた。光の速度の戦いは激しさを増し、辺りの物体を破壊していった。


「魔術詠唱を行わずに魔法を発動させるとは...やるね君」


「黙れ」


「やれやれ...そうカリカリするな。少し本気を見せてあげようかな」


黒衣の男は黒い包帯を解くと、骨に刻まれたラテン文字を聞きなれない言語で唱え始めた。恐らく闇魔法の中でも最も畏怖される、生物の身体を触媒とした「闇魔法」だろうか。


「光と闇の饗宴といこうじゃないか!黒焔の鉾!!」


「これ以上好き勝手させるか...!宿れゼウスの精霊っ...!!」


クレトは頭上に魔法陣を描くと、彼の身体を包み込むように金色の光が放たれた。光から出てきた彼の姿は、まるで神話を連想させるような神々しい衣を纏い、髪は黄金色に輝き、右手には雷の槍が携えられていた。黒衣の男は骨となった腕を黒い闇に包まれた鉾に変化させると、目にも追えぬ速さで剣撃を繰り広げていった。だが、やはり黒衣の男が優勢で、クレトに斬撃をいくつも当てていた。


「はぁぁぁぁっ!!!!」


斬撃を幾度となくかわされ、彼自身魔力を消耗させられていることに気づくには遅すぎたのだ。


「...君が伝説の神々の力を呼び寄せるっていう一族の...ますます興味が湧いてきたよ」


彼が右手でクレトの槍を掴むと、槍が少しずつ黒く侵食され始めていた。彼の腕から全身にかけて鈍い痛みが走る。素早く振りほどいた彼は黒衣の男をキッと睨みつけた。


「だけどね、君はまだ未完成だ。消すには惜しいほどにね」


「...っっ!」


次の瞬間、身体を覆う光は崩れる様に剥がれ落ち、自然と床に倒れ込んでいた。腕の傷から血が溢れ出して止まらなかった。傷口から全身にかけて焼けるような痛みが走る。


「また近いうちに会おう。その時は君の仲間や家族も道連れにしてあげよう」


そう大柄な男が告げると、黒衣の三人は暗闇へと姿を消していった。


「待て...!!!まだ俺は...」


彼の言葉も虚しく、彼の言葉だけが反響し、辺りは静まり返っていた。


--また戦争が始まるっていうのに...俺はあれから強くなれていない...!クソッ!!



翌朝、クレトが包帯まみれの姿になって学校に現れた。何事もなかったかのように、いつもの澄ました顔で過ごしてはいたが、誰もが不安そうに彼を見つめていた。


「結局無事が確認されたのは生徒数名だけ...実際ジョブ関係なしに大人子供を狙ったらしいわ。恐らくもうすぐ臨時休校になるかもしれないわね」


「これからシュヴァリエの試験も控えてるっていうのに、どうすんだよ...、でもいや、クレトが無事で良かった。俺だけじゃどうも一回戦で勝てる気もしないや」


琉生とリタは教室の片隅にある長机で自習をしていた。その時、彼らの前にクレトが現れ、琉生に対して冷たい言葉を言い放つ。


「お前は呑気だよな。これだけ事件が大きくなってるっていうのに、まるで他人事だ」


「は?!俺はお前が生きてて安心したって言っただけだよ、別に他人事って訳じゃ...」


「一回も大事なものを目の前で失くした事がないから、そうやってヘラヘラ笑っていられるんだ」


「そんなこと...」


ピリピリとした空気が張り詰める中、クレトは予想外の言葉を切り出す。


「表に出ろ、琉生。俺とお前の力の差ってやつを見せてやる。それでもそんな顔でいられるんなら、試験自体をコンビ共々辞退してやる。お前とシュヴァリエになんてなりたくない」

そろそろ挿絵も追加したいところですね...

感想やお便りお待ちしております!小説の書き方は今まさしく勉強中ですね。

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