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2018
見上げた先の
言祝ぐような青
白雲をふちどる
清冽な光
山から降りる風が
夏の終わりを告げ
秋茜を旅立たせる
今年は嵐が多かった
天にも地にも
さえずる小鳥は
いかにものんきそうで
この平穏を満喫してる
遥かなるパリ!
災いの後の賑わいを
教えてくれた街よ
その不屈の魂を
わけておくれ
沈んでしまった郷に
光尽きた町に
〔泣けるならまだマシなのだ〕
〔言葉にならぬ呻きが垂れる〕
失ったものはそれぞれだが
失ってから得るものがある
自由を掲げる女神よ!
嘆きを踏み越えた意志を
値なく示しておくれ
〔革命を知らぬ禍福がいつまで続くのか〕
まだ青い葉が
風に揺れている