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無名の光
君が獣のように
檻に閉じ込められているのを
どうして
気づけなかったのだろう
返信のなさに
震えて
言葉もなく
祈る
ジリジリと焦がれながら
送った言葉と
それまでの君を
思い返し
悲鳴のように
祈る
信じることさえ
揺らぎながら
声もなく
…………
君から来た
三ヶ月ぶりの連絡は
奇跡だった
君が君であることが一番だよ
取り返した自由な空
鉄格子越しに
僕の祈りが聴こえたと
微笑む君
恐ろしい闘いの日々だった
聞けば聞くほど
胸が詰まって
今ある奇跡を思う
その昏い箱の底に
まだ
たくさんの人がいるらしい
その光を乞う
無言
その子の声がやっと聞けるまで、ここしばらく生きた心地がしなかった。