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哀しみは君から
白い花弁を たどる爪先
永遠の旅を 始めた横顔
慟哭の代わりに捧げよう
あの蒼い歌を重ねて君に
尽きぬ涙をブーケにして
君の冷たい黒髪に飾ろう
麗しい人 信じているよ
口付けが 最後ではないと
たとえ今 尽きたとしても
僕らは 結ばれているから
ほら 君が好きだった薔薇
約束の蒼が滲む 灰色の空
奇跡というらしい 命の色
過去の君と 奏でるカノン
言葉にならない 言葉にならない
あの時を刻んで ひび割れた時計
許せないよ 骨になるなんて
こんなに 小さくなるなんて
風が舞い散らす 君の抜け殻
粉雪のように 君は逝って、