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アザレアの彼女
君が死んだことを
確かめたくなくて
何度もさまよった
伝聞の訃報なんて
信じられないのに
君はいなくて
一年いなくて
君が好きだった
花が咲いても
雪が降っても
何の声もなくて
滲みてくる実感
毒も薬も
君が愛しかったからだよ
なんて
途方もない言い訳
苦笑で許されたような
気がしてた
手向けのアザレアを
引きちぎってしまいそうで
腕に爪を立てる
君が、好きな人と
幸せでいられたら
良かったのに
儚く塩を積む
燃える炎が
まなうらを焼いた
朝など
来なければいい
永遠に




