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From A to Z  作者: Jade
M
63/130

いつかの春を

どうしてもというとこがないんだ、と

君は言って

だから手を離せてしまうんだね、と

私は頷いた


辛くても

今までずっと手離してきたから

今はもう

辛くないんだね、と

心に秘めた


別れの度に

これぎりのように

惜しむのは

それで本当に別れた

過去があるから


切ないし

悔しいけど

仕方ないね


たぶんその方が

永遠に近いのだと

微笑を浮かべた



*◯*◯*◯*◯*◯*◯*◯*


涙を浮かべた君を

それまで見たことがなくて

それで

本当に終わりなのだと

心に刺さる

諦念が破れなくても

永遠に刻んでいるだろう

零れ落ちる、最後の一瞬を




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