55/130
訣別
さようなら、小さな終わりの人
さようなら、あなただった人
さようなら、懐かしい日々
…………っ
少しずつ別の道をたどって
互いに重ならない影
あの時のように
小さな白い欠片が
たくさん
たくさん、舞って
溶けていく
想いの質が違うこと
お互いにわかっていたね
それでも
夢を見たかった
若葉の頃
剣を取るあなたを見て
茫然と離れた
今なら別の答を
出せたかな
わたしは
わたしたちは
想うよりずっと
不自由で
不器用だった
磨いた剣は
どこへ行くのだろう
はらはらと散る
二人の花よ