前へ目次 次へ 27/130 平成二十九年彼岸にて 秋を歌う花よ 悲しんでおくれ のどけさの隅に 戦の影があるのだ 秋を紡ぐ虫よ 呼び覚ましておくれ 1945年を 堪えてきた人々のことを 誰彼と欠けるたび 記憶はさらに遠くなって 血の滲みが消えてゆく 歴史の一行になって 本の間から薫る戦火 彼岸に硝煙の華が咲く 燃え移るのはいつだろう 今はまだ美しき月よ …………………………………………………… 戦後という 戦前なのだろう 平成の終わりも近い 五輪は何の祭典になるのだろう 平和という平和がない、今。