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コイバナ
眩暈がするような
孤独を感じた
誰が好き、とか
どこまで進んだ、とか
キャラキャラ話す
トモダチを見ながら
恋は幸せなものであるらしい
わたしには不幸であったけど
執着と性欲の果てに
絶望すら消え去った静寂がある
俯く彼の隣で
ぼんやりと空を眺めながら
珊瑚の産卵を思い浮かべる
あるいは、サーディンランを
海に還れたら
わたしは何をするだろう
益体のない思考を閉じて
望まれた話を始める
恋の在処は知らないふり
カマトトはその実
女にこそ効くのだ