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ふたりでXと叫んだのはいつのことだったか
忘れえぬ言葉があるとは
どれほど幸いなことだろう
わたしには
文学があり
科学があり
あなたがいる
語りえぬ人がいるとは
なんと幸いなことか
四季を共に旅し
闇の底から
光の涯まで
言葉ごしに分け合った
友よ
生きていても
死んでいても
また会おう
何度引き裂かれても
奇跡のように
導かれてきたのだ
終わりを覚悟したことは
一度や二度ではなかった
燃え尽きるたびに芽吹き
静まり返るたびに響く
友よ
天地を越えてゆこう
我々には
そのための翼があるのだ