決定
「話は聞いたわよ。」
辰美がドアを開ける前に麗華が開けた。中では辰美が化粧をしているところだった。いつもより濃いメイクの顔が振り向くと麗華が辰美を洗面所に引っ張っていった。中で何やら賑やかに騒いでいたと思ったらナチュラルメイクになった辰美と多少髪を乱した麗華が出てきた。
「…そのままメイクしてたら朝になるわよ…」
最初に来た時よりも何気に装飾品の増えた部屋で四人はお茶をしていた。
「そこまでじゃないわよ…」
「辰美ちゃんはそんなにごてごて盛らなくても大丈夫だよ。」
幸也の一言で辰美は頬を染めて黙った。残りの二人が意味ありげな目を幸也に向けたのは言うまでもない。
「それで、件のドラゴンはどこにいるわけ?」
麗華が構わず話を続けた。
「あ、はい。そんなわけで辰美さんから分離してここに…」
ジェイは懐から手のひらに乗るほどの水晶玉を出した。懐から出すには少々大きめな物だが今更何を突っ込むでもなかった。それよりも、三人は中のものに注目していた。
中には緑色のドラゴンが眠っていた。
「綺麗ね…あなたの国にはこういう生き物がたくさんいるの?」
「ええ。ラグーンには多種多様なドラゴンがいます。」
「それは是非見てみたいわ。」
「いらっしゃいますか?」
ジェイはさらりと言った。
「正直、今回の件には皆さんの助力が不可欠だと感じています。どうか力を貸してください。」
頭を下げるジェイに麗華はため息混じりに言った。
「それで、現実問題、私たちは何をすればいいの?」
「良いのですか?」
「ここまで関わったのだもの。最後まで関わるわ。」
「僕も。真相を解き明かしたいな。」
ね、と幸也に笑顔でふられ、辰美もつい釣られて笑顔で頷いてしまった。
「ありがとうございます!」
ジェイは涙を浮かべながら頭を下げた。




