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疑念
「…見つかったか?」
国王は沈痛な面持ちでギル探偵協会長と対面した。
「残念ながら…」
「そうか…」
「失礼ですが、王様は彼を疑っていらっしゃるので?」
「…いや…何度考えてもあのドラゴンに我らに刃向かう理由があったとは思えんのだ…」
「確かにそうですね。今までに前例のないことですし、彼にも何の問題もなかったはず。」
「あるいは、ドラゴン達は密かに機会を狙っていただけ、とも考えられますな。」
思いがけない言葉に二人は声の主を見た。暗闇から抜け出るように一人の男が姿を現した。黒髪の髭面の男だ。
「ドラゴンに名付けの儀式をするようになって、ドラゴン達はあるいは、我々に使役されていると感じるようになったとしたら?」
「何を馬鹿な。グレオ大臣、ドラゴンは自分を使役しようとする人間に心を開いたりはしない!」
「純粋で、素直で、偽りを嫌うドラゴン。だが、長い歴史の間にそれすら歪んだとしたら?」
「口を慎め。大臣。私はまだ真実を明かさぬうちに何も動かす気は無い。」
「我々も真実を解き明かす為に全力を尽くします。」
「…そうですね。私も尽力しましょう。真実のために。」
グレオは含みのある笑いを残して部屋を去った。




