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3 ゲベッグ家

「ぐふふっ、僕がゲベッグ家の跡取りだ~」

ギーズは有頂天だった。ボロ屋に住んでいた貧しい暮らしから、子爵家の子として贅沢な生活を手に入れたが、邪魔なヤツが居た。養子のジョージだ。

そのジョージには何かと嫌がらせをしてやったが、外れスキルを二つも引いて廃嫡されて家を追い出された。

ざまぁ、とギーズは高笑いをして見送ってやった。


「そうよ。わたしのギーズちゃんが跡取りよ~」

念願叶った母ノーラも上機嫌だ。これからはより贅沢をし、好き勝手に過ごせると。

ゴレンも喜び一杯である。

ジョージを廃嫡して縁を切り、実子ギーズを正式に継嗣とする届け出も済んだ。

三人とも大いに喜び合った。

そこに一通の書状が届いた。

この地方を纏めるリンザー侯爵家からの手紙だ。


「ふんっ。今さらどうしろと」

リンザー侯爵家からの書状は、当主ゴレンとジョージへの招待状だった。侯爵家が下位貴族を招待することは少ない。ここ数年のゲベッグ領の経済が回復傾向であること、ジョージがスキルを得て成年になった祝いも兼ねて、リンザー領都へ招きたいと書いてある。

外れスキルを二つ引いたヤツなど、とっくに追い出したのに。しかし、この地方の盟主リンザー侯爵からの招待だ。無下に断りも出来ない。


「ゴレン様ぁ。どうなさったの?」

「うーん……実はリンザー侯爵様から招待を頂いてな」

「まあ。侯爵様から?!」

「ジョージと一緒にとな」

「えっ。もうとっくに追い出してるのに! じゃあ、僕が行くよ!」

「ギーズ。そんなわけには……いや、いっそ、おまえを紹介するいい機会か」

「そうよ、ゴレン様。ねえ、私も連れてってよ」

「それはいい! そうだそうだ。ギーズの祝いも兼ねて豪勢にやろう」

「えっ、ありがとパパ!」

「まあ。ねえ、わたし着ていく新しいドレスが欲しいの、宝石も」

「うん、いいぞ。いいぞ」

「あ、ずるい! 僕にも何か、ねえパパ」

「わはは。もちろんだ」

三人はわいわいと、浪費の相談を始める。


ジョウがやらされていた仕事は多岐に渡る。

彼が計画して商会からの融資で領地が盛り返したこともゲベッグ家が破産せずにいたことも、ゴレンたちは理解していなかった。

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