ひたすら重い
中身は知らされていない。
むしろ聞くなとも何度も何度もくぎを刺された。
運送業で、要はバイク便のようなものを自営業でしている俺にとって、よくあるものではある。
中身について詮索しないことは、運送業で一番大切なことだ。
ただ、15センチの立方体で、重さを量ると100㎏はあった。
これの中身を詮索するな、と言われても考えてしまうのは仕方がないだろう。
興味そそられるものだ。
ただ開ける術は、俺は持ち合わせていない。
カギは、配送先の人が持っているそうだ。
だから俺ができることといえば、それを想像することだけ。
どうせ開けられないのだから、それを楽しみながらバイクを走らせた。