44 三番街
この街は全部で六つに区分されている
二番街にはギルドがあって 四番・五番街には住宅街が
そして俺達が今から向かう三番街は奴隷が売られてる店が大半を占めている
ある意味で一番人口が多い場所がここだ
「どの人攫い屋によって売られる店も決まるからなぁ……」
「ごめんなさいホズミナ…… 俺がちゃんと見てなかったから……」
「奴隷を放置するとどうなるか昨日話したんだが…… まぁ一日で理解しろって方が難しいわなぁ」
「っ……」
「だが下を向くのはミキョシィを助けてからだ 手伝ってくれるな?」
「……うん!!」
大した情報も無いので手当たり次第に店の関係者に聞き込み
人間を商品にしている連中がまともな奴等なのか 次第に疑いの目を向け始める俺は
店の中に入る度にホズミナの後ろに隠れてしまっていた
裏口から入れば当然 鎖に繋がれて身体が傷だらけの奴隷達が並べられている
「じゃぁお宅んとこには今日は〝品物〟が届いていないんだな?」
「へーへー!! ですから今日のオークションは在庫処理ですなぁ!!」
「……ちなみに新入荷の奴隷が入ったという情報は無いか?」
「お客さんもそっち系ですかい?」
「いいから教えろ……」
「やはりエレクトリシティーの中心部に近い一等区域にあるショップですかなぁ~~
何せうちの様にただ流れてくる質屋とは違い
国境を跨いで奴隷を仕入れてくる大手物産店ですからねぇ」
他方面から商品を取り揃える まるでアンテナショップの感覚だ
しかしそれでもミキョシィの行方までは至らない
「しかしお客さん 一体どのような奴隷をお求めですか?」
「いや元々俺の奴隷だったんだが 目を離した隙に人攫いに遭ってまってな」
「それそれはお気の毒に…… どうです? うちの商品を安く売って差し上げまっせ?」
「書き置き型の競売なんだろ? 俺が勝手に物色して良いもん持ってったら不満の声が挙がるんじゃ?」
「私共としても人情を忘れてはおりませんので
貴方様みたいな所有物を無くして悲しんでおられる方に少しでも補償が適用される時代になればと
あいやこれは商売そっちのけの慈善活動みたいなものでやっております」
人を物みてぇに扱ってるクセに何が人情だと
蚊帳の外で聞いている俺は素直にそう思った