40 よくもまぁ子供に嘘を吐けますこと
「冒険者が街中で仕事をしてるとよく住民に煙たがられるんだ」
「何でぇ?」
「外の化け物を狩って来い 街中のトラブルは自衛で十分なんだとよ……
損害賠償なんかの話も反駁可能なギルドの懐刀がいるってんで残るのは遺恨ばかりよぉ」
「難しい話はパスで」
エレクトリシティーはそれほど大きな場所でもないので
街の反対でも徒歩で半日も掛けずに辿り着けた
時刻は昼前なので外を出歩く住民は数える程に少なく
しかしホズミナのボヤき通り あまり歓迎される顔でアイコンタクトしてくれない
「家ばっかりの街だ…… これどうやって盗賊を見つけるの?」
「心晴とミキョシィは見学だ!! まぁベテランの仕事を見てなって!」
そう意気込みを見せたホズミナはとある民家の中に入って行ってしまった
心晴は気になって開いた窓から中を覘く すると一人の男が台所で網に掛かっており
それを漁猟の如く引っ張って彼は外に出て来た
「捕まえるの早っ!!」
「これで終わってくれるなら炎天下の中で背徳を感じながら酒を呑めるんだがなぁ……
依頼内容は〝盗賊団〟の退治 つまりアジトを見つけて一網打尽にしなければならない!」
「じゃぁ一人捕まえても意味無いんだなぁ……」
「おいおいこの程度の仕事様で俺を評価してくれるなぁってよ!」
ホズミナは人気の無いところで生け捕りの男を椅子に座らせ 俺達が見てるそばで尋問を始める
しかし囚われの盗賊の男は一分も経たずに暴れ始めた
「殺せぇ!! 殺してくれぇ!!」
「ちょっとは黙ってくれねぇかい?! 新人が見ている手前 こうスマートに事を終わらせたいんだが?」
「どうせゲロっても殺すだろうが…… 悪辣拷問官の異名くらい知ってんだぜぇ?!!」
「おいおい…… そういうことをこいつらの前で言うなって……」
何とか落ち着かせているホズミナ
俺が彼の過去を知らなかったそれ故に
盗賊の男の心の底から湧き出てている恐怖を感じ取ってやれなかった




