表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/73

18 御守り


失踪した事は勿論祖母の耳にも入っているだろう

だけど何も触れず 布団に頭を押し付ける俺の頭を撫でてくれた


「橋下さん家を飛び出して 今はどうしているんだい?」


「ミヤコんところでお世話になってる!」


「そうかい……」


婆ちゃんはミヤコをじっと見やる

ミヤコはミヤコで何も言わずに待っていてくれた

他愛も無い雑談

俺と婆ちゃんが二人暮らししている時の会話と同じ


「何処でどうしていようとお前が元気ならそれいいけどねぇ

……学校は楽しくなかったかい?」


「……」


学校ってワードが出るだけで息が詰まる

だけど何も返せないのはそれが答えで


「牧人君…… だっけ?

さっき謝りに来たのよ」


「えっ?」


「クラスでイジメ調査が行われてね

興味が湧いたのは牧人君が自ら手を挙げたって話じゃない」


「……」


「あの子に何をされたの?」


「……黒板を扉に挟んで真っ白にされた

あとは机に日曜の酢飯レンジャーの落書きもされた

せっかく婆ちゃんの似顔絵描いた画用紙も破かれた

体育の授業では一人だけ綱登りさせられた

先生の目を盗んで 出来ない俺は周りに笑われていたんだ」


「そう…… それは辛かったねぇ

でも大勢見てる中で正直に名乗り出る牧人君は

お婆ちゃん偉いと思う!!

性根腐ってるクソガキと比べたら……

一度腹を割って話し合ってみるのもいいと思うねぇ」


「……無理だよ もうアイツとは会わないし 会えない」


ソッポを向く俺に婆ちゃんはそれ以上何も言わない

代わりに隣の棚から色褪せた巾着袋を取り出した


「はい御守り」


「……」


神社のとは違う

いつも婆ちゃんが小銭を入れている布巾着


「中身は見ちゃダメ 御利益が逃げるからね 肌身離さず持ってなさい」


「……うん ありがとう!」


「ミヤコさん うちの孫をよろしくお願いします」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] おお…いじめっ子と腹を割って話すわけですね!一体どうなるんでしょう?まさかのパーティを組むとか!それはそれでワクワクしますね!牧人くんとの関係がどうなるか、気になります!
2022/07/19 09:20 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ