11 この狭い世界での勉学は、大体屋外実践のみです
「支度はオッケーかしら?」
「ダイジョブダイジョブゥ!!」
前から森の外へ出ることを懇願していた俺は
ミヤコから数段階に分けられ
森に入る許可を出せるまでの術を身につけなければならない
・一つ目は
動物と会話出来るようになる
〝獣音波〟と呼ばれる魔法を身につけること
動物には動物の言語があるらしい
人間にはその音すら聴き取れない会話が
ミヤコには聞こえているという
・二つ目は
〝基礎体力〟の向上
運動神経は悪くないと言われたが
いうて小学6年生の身体能力
大自然を生き抜くには不足しているとのことで
・三つ目は
護身用の〝攻撃魔法〟を二種類以上覚えること
一つでは駄目なのかと質問すれば
二つ以上の方が組み合わせも出来て応用が可能になり
根源となる自身の生命と 己の本質が浮き出る魔法が
精神力をより明細に穿つ強靱な武器になると教えてくれた
三つ目が何のことやら解らなかったが 要は修行だ
取り敢えず今日は森に入って子蛇達のもとへ
母親を失った子蛇は不思議と逞しく成長していた
「でっけぇ…… 十分怪物だよね?」
「まだまだですね…… 外敵を追い払う程度の力は備わってません」
「……んで? どうすれば動物の言葉がわかるんだ?!」
「それはこの辞典に書かれている通りに詠唱すれば……」
ミヤコが唱え終わると 神秘のベールが自分を包んだ
「ちなみにこれは禁書と呼ばれる代物です 他言無用でね!」
「きんしょ? たごんむよ??」
「森の外にいる人達には言っちゃダメってことだよ!」
難しい話はついつい滑ってしまったが
ふと気付いたときには 子蛇達の会話が聞こえていた
『なんや食べやすい子供がまた出て来てん~~
母ちゃんの仇討ちに丸呑みしたいわ~~兄ちゃん~~』
『それはミヤコの姐さんと約束してしもうたやん妹よ~~
わいらが大人になるまで子守してもらう言うたし~~
ここは契りを通そうやないか~~い!!』
なんともまぁユニークな会話で
物騒なことを言うてたやないか~~い