表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

コント小景

市中病院小景2

作者: すのへ

◎副反応科創設


「第6波来ないね」

「3発め始まってますけど」

「困ったな」

「院長いっそターゲット変えましょう」

「え」

「コロ患から惑患へ。いま激増中ですから」

「心筋炎とか帯状疱疹だけじゃないんだろ。自信ないな」

「どうせ治りゃしません。適当にあしらって薬着けにすりゃいいんです」

「キミもワルになったね」

「ご指導のたまもので」



◎オミクロン株求む


「院長、第6波来ませんね」

「どうしたんだろう3発め始まってるのに」

「増床分丸損です」

「仕方ない。ウイルスをばらまこう」

「え」

「きみ陽性者を連れて来てくれ。私が培養する。オミクロンがいいな」


「ええ~てどうしよう。あ、そうだ」


「連れてきました」

「フガフガ」

「お。本家のオミか。たっぷり取れそうだ」



◎万能薬


「院長、副作用特科で満床ですよ」

「うん。一時は潰れるかと思った」

「それはそうと薬が入荷しないですね」

「供給が不安定だからな」

「収入に響きますよ」

「大丈夫」

「何かルートが?」

「万金丹」

「え」

「秘伝の万金丹がある」

「ヤバいですよ。解毒作用があります」

「そか治るとまずいな」



◎オミクロンパワー


「大変だ。4号の患者がいない」

「え?オミクロン感染者じゃないか。ヤバいよ」

「病棟閉鎖しましょう」

「もう遅いかも。超強力だからね感染力」

「その分毒性は弱い」

「弱いどころかマイナスパワーだよ」

「え」

「感染すると治っちゃうんだ重症者も」

「きゃほー」

「わっほっほ」

「あの声は」

「重症病棟だね」



◎カルト


「第6波、オミクロンで来そうですね」

「でもズタボロですぐ壊れるんだろ」

「症状も出ないとか」

「PCRだけが頼りだね」

「A国はPCR今月で止めるって話です」

「日本もいずれ」

「そしたら判定はどうするんでしょう」

「さあ。霊視でもするんじゃないの」

「もうオカルトの世界ですね」

「オミ自体が既に心霊現象さ」



◎オミクロンミラクル


「院長、新しい診療科大盛況だそうで」

「うん」

「うちの薬どんどん使って下さいね」

「薬いらない」

「は?」

「治っちゃうんだ何でも」

「え」

「オミクロン科ていうんだけど」

「はあ」

「オミ陽性者と患者を一緒に閉じ込めるんだ」

「へ?」

「するとあっという間に全員感染して病原菌駆逐、平癒しちゃう」

「そんな殺生な!」



◎オミクロン科


「うちもオミクロン科創設しよう」

「評判ですもんね」「ひと稼ぎできるぞ」

「大部屋を空けて、あとは陽性者を何人か仕込んでくれば」

「いいよ。ぼんぼん入れちゃえばわかんないから」

「詐欺ですよ」

「お酒飲ませてどんちゃん騒ぎさせれば大抵の病気は治るもんね」

「いやそれは」

「うちで出す薬よりよっぽど効くよ」



◎待望の陽性者現る


「おう。ちょっと無症状になっちまってよ。気になるから検査を」

「承知しました」

「どうでい」

「陽性です。こちらどうぞ」

「もう隔離すんのかい」

「この部屋です」

「しょうがねえなあ」


「みなさん。お待たせしました。真正のオミクロン感染者です!」


「おお待ってました」

「ヒューヒュー」


「なんでい。ここは!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ