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魔王軍幹部を倒す

 しかし、俺は魔法の練習の準備をする暇はなかった。


「待って......どうやらそんな時間はないみたいじゃの。周りを見渡してみてみるのじゃ。」


 あたりを見てみると魔獣に囲まれている。その中から明らかに強いやつが現れた。

 蛇の見た目をしたやつが出てきた。前に戦ったゴモラと同じ感覚だ。

 念のためスキルを確認しておこう......転送ゲートはチャージ中か......


「気づいていると思うけど魔王軍幹部のラキアだよ。」


 エミリア様は今までになく警戒した様子でいた。すぐさま向こうにいたヨウタもこっちに来た。


「エミリア様大丈夫ですか?」

「うん。わしは大丈夫なのじゃ。」


 この人はどんな時もぶれないな。念のためにこれだけは確認しておこう。


「エミリア様俺たち3人で倒せますか?」

「そうじゃの......今のスグル君とヨウタ君は戦力外だし、わしがラキアに勝てるかっていうのと同じ質問じゃの。」


 エミリア様は一歩前に出た。魔法陣を大量に展開した。


「シャインニードル!!」


 数えきれない光の矢が弱そうな魔獣たちを倒していく。当然ながらラキアには効いていないようだ。


「シャァアアアア!!」


 蛇の姿をしているだけあって言葉は喋らないんだな......


「肉体強化10倍!!ダークサンダーランス!!」


 エミリア様の体が光り、移動速度がかなり高速化した。そして右手には黒い槍のようなものが出現した。

 その槍をラキアに向け投げた。稲妻にあたったかのようにラキアの鱗の表面が焦げているように見える。


「やった!」


 ヨウタはガッツポーズをしてエミリア様の勝利を確信したようだ。

 しかし、それとは裏腹にラキアはすぐに起き上がった。さっきと同じように動いている。あまりダメージはなかったようだ。

 今度は逆にエミリア様が棘付きの尻尾で思い切り地面にたたきつけられた。


「かはっ......」


 エミリア様は血を吐きだした。


「内臓がいくつかやられたようだね。」


 エミリア様の方はダメージが大きそうだ。


「やっぱり強いのじゃ。本気出すしかないの!肉体強化30倍!!」


 エミリア様の周りにまとっているオーラが変わった。何だか今のエミリア様には恐怖を感じてしまう。

 ラキアも高速で動きまわっているがそれを上回る速度で高速移動している。


「パワーボム!!」


 エミリア様の手が赤く光った。そしてそのままラキアの頭をおもいきり殴った。

 殴ったと同時に爆発を起こしそのままラキアが思いきり吹っ飛ばされた。

 今度は起き上がらない......倒せたか?

 エミリア様も疲労困憊という感じだ。さっきの肉体強化30倍というのは体に相当な負荷があるようだ。

 エミリア様は肉体強化を解除した。だがそれと同時に地面からエミリア様の体を貫いて現れた。

 一瞬頭が真っ白になった。だが整理しよう向こうにラキアの......あれは抜けがらか。

 ヨウタは立ったまま恐怖しているのが一目見てわかる。


「しっかりしろ!!ヨウタ!!」


 それでもまだおびえているようだったので強めにビンタした。


「いいか、まだエミリア様は死んだとは限らない!!もう俺たちで戦うしかない!!」


 ヨウタは我を取り戻したかのように目に生気が戻った。


「ああ、そうだな。」

「ヨウタ足止めを頼めるか!!」

「分った!」


 ヨウタはロングソードを取り出した。


「スキル聖器錬成!!」


 聖剣の力で何とか防戦はできている。頼む生きていてくれ。

 俺はエミリア様に近づいて呼吸があるか確かめた......何とか息はあるようだ。


「スキルパーフェクトヒール!!」


 一旦スキルの力でエミリア様の体は治った。だが、もう戦える状態ではない。

 とりあえずエミリア様の体を安全な所に寝かせてラキアとヨウタが戦っている場所に戻った。

 攻撃は行わず受け流すように戦っているおかげでなんとかしのいでいる。だがラキアにダメージは与えられない。

 しかも半端なダメージだとさっきみたいに脱皮されてまた復活する可能性があるだろう。


「スキル地形置換!!」


 周りの景色が森から鉄の箱のようなものに変わった。

 そのまま俺はヨウタに近づき体を抱えた。


「スキル浮遊!!」


 そのまま空に飛び上った。そしてラキアが近づくことのできないくらいまで上がりそこで静止した。


「覚えたての魔法ってのを使ってみるか。」


(「魔法はイメージ!どんなことをしたいかを明確にイメージするんだよ!」)


 ふとさっきエミリア様に言われたことを思い出した。この世界での初めての魔法。そこで明確なイメージを持つことができるとすれば......


「ダークサンダーランス!!」


 さっき実際に実物を見た技ならイメージがしやすかった。エミリア様と同じ技......ただ俺の方がより強力で巨大だった。


「すごいなスグル!!初めてなのにもうエミリア様と同じ技を。」


 俺はラキアに向けそれを投げつけた。そしてそのままラキアに命中した。

 稲妻が落ちてきた木のようにボロボロになりラキアは倒れた。


「やった。今度こそ倒した!!」

「いや......まだだ。だが今度は逃げ場のない鉄の箱。地面にも潜ることはできない。」


 ラキアが脱皮し、地面に潜ろうとごそごそ動いている。当然鉄の床潜ることはできない。


「ヨウタ!!とどめを刺そう!!肉体強化50倍!!」

「ああ、僕も今持てる最大火力でやつを打つ!!」


 そのままラキアの頭部めがけて急降下する。


「パワーボム!!」

「退魔光穿刃!!」


 2人で同時に最大火力でラキアの頭を粉々に砕いた。

 すると今度は体が黒い液体のように変わりそのまま消滅してしまった。


「やった......今度こそ本当に倒したぞ......」


 ヨウタも限界だと言わんばかりの疲れようだ。まあ俺もそれは同じなのだが。

 魔法を使うのって結構疲れるんだな。

 スキル地形変換の効果も切れさっきいた場所に戻ってきた。

 ほんの少しの時間そこで休んだあと、エミリア様を抱えて家に戻ることにした。

 家に入るとベッドの空きがあったのでそのままエミリア様を寝かせると、ひと段落したので俺はイスに座って休憩することにした。

 するとヨウタが俺の目の前に座った。


「ありがとう。また助けられてしまったね。」

「気にするな......魔王軍幹部はいずれ戦わなければならない相手だ。」

「スグル、君に聞きたいことがあるんだ。」


 ヨウタは俺に真剣な目でこちらを見てきた。


「正直さっきエミリア様が大けがをした時、僕は動けなかったよ。なのに君は的確な状況判断、そして敵を倒すための戦略的思考。とてもちょっと前まで平和な国で生きていた人間のできることじゃない。君は一体どんな人生を歩んできたんだ?」

「どんな人生か......」


 俺はここではぐらかすこともできたのだろうけど真剣に答えることにした。


「少し昔話をしよう。」

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