賢者様を探しに行く
「ミカ、大丈夫か?」
「はい。大丈夫です。」
ミカはあまり本人から話しかけてくることがなかったので、こっちから念のため定期的に体調を確認しないと。
「もうすぐだよ。ほらあそこが賢者様の家だ。」
ヨウタが指をさした先に家らしいものが見えた。
本当に街のすぐそばだった、ほんの数10分くらいで着いてしまった。
「エミリア様!!いらっしゃいますか?」
「はーい。入っていいのじゃ!!」
なんだか声を聞く限りすごく若い人の声のようだ。賢者様の弟子かな?
「入ろう。」
ヨウタに促されて賢者様の家に入ることにした。
中に入るとたくさんの本が積まれていた。賢者の家という絵だけあって難しそうな本がたくさんあった。
「おまたせー!ヨウタ君は久しぶりー!そっちの君は初めましてじゃろ?」
なんだか幼女とも呼べるくらいの若い女の子が出てきた。
「えっとこの子は?」
ヨウタに尋ねてみた。
「ああ、紹介が遅れたね。この方が賢者エミリア様だよ。エミリア様こちらの方はスグル、ミカ、セリカです。」
俺たちは軽くお辞儀をした。まさか......この女の子が賢者??50年前の大英雄じゃないのか??
ステータスボードが表示された。[名前:エミリア 職業:賢者]
黒いローブを羽織っており、賢者と言われれば納得ができる服装はしている。
だが、どう見ても俺のいた日本でのランドセルを背負っていてもおかしくないくらいの年齢の幼女にしか見えない。
「あー。君もしかしてこの幼女が賢者様なわけないって思ったのがバレバレじゃぞ。」
幼女......もといエミリア様に心を読まれたかのようにずばりと言い当てた。
「わしも君たちと同じ転生者だからね。」
転生者だと......勇者は転生者だと思っていたがこいつも転生者だと。
「転生者って何ですか?」
「スプリル。」
ミカとセリカが突然倒れてしまった。
「この力は魔法といってスキルとは別に使える力だよ。ああ、安心してこの2人は眠っているだけだから。」
エミリア様は2人をベッドに寝かせると話を続けた。
「魔法習いに来たんじゃろ。」
「はい。その通りです。」
このエミリア様は読心術持っているのだろうか......
「うん!いいよー!」
軽い感じの人だな......でもまずは聞きたいことがある。
「エミリア様、さっきの話ですが転生者って。」
「薄々気づいていると思うけど転生者は魔王を倒すために特別な力を持ってこの世界に来た人たちのことだよ。」
「......たち?」
「うんうん!いい所に気づいたね。転生者は1人じゃなくて何人かいるんだよ。」
確かにこの場にすでに3人いる。まあ......あえて言えば俺はイレギュラーな存在なんだろうけど。
「1人じゃ魔王を倒すのなんて難しいだろうからね。君たちは魔王軍の幹部すら倒せなかったみたいだけど。」
う......痛いところをつく。
「はい。恥ずかしながら僕だけたちだけでは倒せませんでした。」
「だろうねー!魔法くらい使えないと幹部は倒せないだろうね!じゃ早速......」
エミリア様は俺とヨウタの頭に手をつけて、何かの呪文のようなものを唱えた。
なんだか体が温かくなった。
「魔法回路を認識しないと魔法は使えないんだ。だからわしがその回路を解放してあげるのじゃ。」
自分でも魔法の回路があることが分った。でも同時に何か違和感があった。
このときはまだそれが何なのかは分らなかった。
「はーい。これで終わりだよ。じゃあ早速魔法の練習してみるのじゃ!」
俺たちは外に出て射撃練習所みたいなところに移動した。
「魔法はイメージ!どんなことをしたいかを明確にイメージするんじゃよ!」
俺は炎の球をイメージした。その球が的に当たるイメージ......よし!いける。
掌に炎の球が出現して的に向けてはなった。見事命中。うまくいったようだ。
「おおスグル君すごいのじゃ!初めてなのにこんなに早くできるなんて!それに比べてヨウタ君方は......」
なんだか必死そうに魔法を使おうとしているが何も出てこない。
「あっちは時間がかかりそうじゃの。基礎は教えたから後は自分のコントロール次第でいろいろ使えると思うのじゃ!」
よし......いろいろ試して魔法を使えるようになっておこう。