魔獣を倒したお礼をもらう
「ところで君の名前を教えてくれないか。」
さっきフォローを入れてくれたジンが俺の名前を聞いてきた。
「はい。俺はスグルと言います。」
「スグルありがとう。感謝の意味も込めてスグルに皆で拍手を送ろう。」
周りから拍手を受けることになってしまった。なんだかむずがゆい気分だ。
「僕はこれからこの成果をギルドマスターに報告しなければならない。そこで今回功績をあげたのはスグルだ!!スグルにもついて来て欲しい。」
「俺ですか......?」
「今回の成果は君ひとりでやったも同然だ。ならばそれを報告しないわけにもいくまい。なに、悪いことにはならないさ。むしろ謝礼をたくさんもらえるだろうよ。」
そう言ってジンは指でお金のマークを作り少し笑っていた。
仕方ないしジンに連れられてギルドの応接室でギルドマスターを話すことになった。
「......ということで今回はスグルの手柄なんです。」
「ほう......若いのになかなかやるじゃないか。俺はここのギルドマスターのハセオだよろしくな。」
ステータスボードが表示された。[名前:ハセオ 職業:ギルドマスター]
「はい。よろしくお願いします。」
「こいつにはFランクじゃなくてもっと上のランクを与えよう。ま、Bランクってとこだな。」
Aランクがもらえるかと思ったがBからスタートか。まあ、悪くはないだろう。
「不満か。俺ももっと上でいいと思うが、このギルドの権限ではBランクまでしか与えられないのさ。悪いな......」
心を見透かされたような気分だったので少しどきっとした。顔に出ていたのかもしれない。
「しかし、これだけすごいやつは勇者が来て以来だな。」
ギルドマスターがそうつぶやいた。
「勇者ですか?」
「ああ、3か月くらい前にここに勇者が住んでたんだ。とはいっても俺から見ればはただのガキって感じだけだったけどな。」
「今はどこにいるんですか?」
勇者か......とりあえず会ってみたいところだな。
「悪いな。今どこにいるかは俺も知らねえ。」
「ギルドマスター。王都から手紙が届いております。」
「何々......ほう......」
「どうしたんですか?」
「ああ......もし近日中に勇者に会うことがあったら伝言を伝えてくれとよ。もし兄ちゃんが見つけたらここまで連れて来てくれないか。」
「ええ。もし会う機会があれば。」
勇者に伝言か。何かまずいことになってなければいいけど。
「そうだ。とりあえずアイアンゴブリンを倒したから報奨金を支払わねえとな。」
これは意外な報酬だ。ありがたい。
「こいつが報酬だ。」
金色の硬貨を5枚手渡された。これは金貨か?銀貨何枚分何だろうか。
後で知った話だが銀貨100枚で金貨1枚と同じらしい。
お金もある程度入ったし生活に必要なものを買いそろえるか。
それと今日の夜はうまいものでも買って帰ることにしよう。
その後俺は街で必要なものを買いそろえるために街に向かった。
買い物が終ると宿屋に戻りミカの様子をみることにした。
「体調はどう?」
「はい。ずいぶん良くなりました。」
とりあえず簡単に食べられる物を買ったのでそれをミカにあげることにした。
「これ。今日の夕食。食べないと元気出ないだろう?」
「はい。ありがとうございます。」
何を話してよいのかわからなかった。でも1つだけどうしても確認したいことがあった。
「一緒について来てくれないか?」
見ず知らずの俺についてくるというのは多少不自然な感じもするが納得してくれるだろうか。
「はい。私も一緒についていきたいです。」
意外とあっさり承諾してもらえた。
「ありがとう。明日に備えてゆっくり寝てくれ。おやすみ。」
「おやすみなさい。」
俺もベッドで横になり目をつむるとすぐに寝てしまった。