表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさん、勇者と魔王を拾う  作者: チョコカレー
8章:勇者と魔王
190/207

181:追跡と対決



 光ある場所に必ず影が出来るように、栄えている王都にも治安が悪い場所はある。

 冒険者の仕事を失敗し、落ちぶれた者。儲け話を求めてやって来た盗賊。危険な武器や道具を取り扱う武器商人。そんな危険な者達が王都の片隅にある迷宮のような路地に大勢潜んでいる。そこは王都の兵士達でも迂闊に近づけない無法地帯のような場所になっており、一般人は誰も寄り付かない。

 今日もまたその路地では柄の悪い者達が徘徊しており、物々しい雰囲気を漂わせていた。だがそこに、普段とは違う異物が混じっていた。

 白髪の混じった小麦色の髪をし、優しげな顔つきをした魔術師のような格好の老人。薄緑色のローブを纏い、その手には木の杖が握られている。

 そんな、およそこの場には似つかわしくない人物の来訪に周りの男達も思わず目を点にした。


「ふむ……この辺りには居ないか」


 その老人は周りに居る者達を一人一人確認した後、お目当ての人物が居なかったのか、残念そうにため息を吐いた。

 その様子を見て、悪事を稼業としている者達が黙っているはずもない。獲物が向こうから来てくれたのだ。狩らない手はない。


「おい爺さん。こんな場所に何しに来たんだ?」

「散歩の途中で迷子にでもなったか? とっとと出て行った方が身の為だぜ」


 まず二人の男達が老人へと近づいた。背も高く、屈強な身体を誇る男と、小柄でゴブリンのような見た目をした男。彼らは二人で盗みを働くコンビであった。

 いかにも喧嘩っ早そうな大柄な男が老人の視界を遮るように目の前に立ち、その隙に小柄な男が老人の懐から物を盗む。それが彼らの常套手段であった。だが、今回は相手が悪かった。


「心配は無用。それと、他人の持ち物を勝手に取ろうとするのは良くないよ」

「なっ……あが!?」


 懐に伸びていた腕を掴み、老人はそれを軽く捻る。そして杖を振って魔法を詠唱すると、小さな光の玉が飛び出し、それを小柄な男にぶつけた。悲鳴を上げて男は吹き飛ばされ、近くにあった廃材の山に激突する。


「て、てめぇ……魔術師か!?」

「人を探している。武器商人の連中だ。最近この地区で活動してるんだろう? 見かけた人は居ないかい?」


 大柄な男は相棒が吹き飛ばされた事に驚き、目の前の老人を警戒する。だが老人は大して気にした様子も見せず、肩についた埃を払いながら質問をした。


「ひっ……!」

「おっと、アタリが居たか」


 その時、野次馬として集まっていた者の中から一人の男が路地の奥へと逃げ出した。それを見て老人はすかさずそれが自分の探していた者だと見抜き、木の杖をトンと肩にのせる。


「やれやれ……皆僕が年寄りだって忘れてるんじゃないかな? 走り回るのはきついんだけど」


 そう言うと老人、メルフィスは小さく呪文を呟く。すると彼の身体は薄緑色の光に包まれ、次の瞬間野次馬の上を飛び越えて高速で路地の奥へと飛んでいった。

 集まっていた男達はその光景をポカンと見送り、自分達が見ていたのは幻覚ではないのかと我が目を疑うのだった。


「はぁ……はぁ! くっ、何で大魔術師が、こんな場所にまで……!」


 一方で、あの場からすぐに逃げ出した男は迷宮のような路地の更に奥へと逃げていた。彼はあの老人が〈緑の大魔術師〉である事にいち早く気が付き、自分達が狙われていると分かってすぐに退散する事にしたのだ。

 いくら大魔術師の中で最も強いと呼ばれる彼であっても、この迷宮のような路地の中で自分を見つけるのは難しいはずだ。向こうは年寄り、大してこちらは路地の構造を熟知しており、体力を駆使して更に遠くへと逃げられる。必ず巻けるはずだと、男はそう自信を持っていた。だがその小さな自信はあっという間に砕かれるのであった。


「どこに行くんだい?」

「な……ーー!?」


 ヒュンと音を立てて男の目の前にメルフィスが現れる。

 あり得ない。自分は細く入り組んだ道を通ってこんな奥まで来たのだ。なのに何故瞬間移動でもしたかのように現れる? 男はそう疑問を心の中で叫んだ。


「君が武器商人の関係者で間違いないね? 見たところ下っ端かな?」

「は……は、ハハハ!」


 男は地べたに倒れながらも、笑い声を上げた。

 正気でも失ったのか? 否。男の瞳から光は消えていない。むしろこれは、敵を罠に嵌めた時の狡猾な目だ。


「俺を追い詰めたつもりか? 残念だったな。逆だよ! 追い詰められたのはあんたの方だ! 大魔術師!」

「……!」


 直後にメルフィスは周囲から気配を感じとる。見れば建物の隙間や屋根の上から武器を手にした男達が現れた。


「ヒヒヒヒ」

「ハッハッハ」

「おやおや、随分とたくさんお友達が居るんだね」


 どうやらこれは彼ら武器商人達の罠だったようだ。

 なるほど確かに考えたものだ。探されているのなら、敢えて見つかったフリをし、自分達に有利な場所で襲ってしまえば良い。ただの商人達にしては利口である。自ら武器を手にし襲撃しようとするのも、流石は裏社会で生きる者達だ。行動力がある。そうメルフィスは口元を引き、笑みを零した。


「でも良かった。これで探す手間が省けたよ」

「は?」


 パンと手を叩くと同時にメルフィスは木の杖をクルリと回転させ、持ち手の部分を盗賊達に向ける。そして魔力を込めると、呪文を詠唱し始めた。


「満ちよ、満ちよ、全てを照らす光よ。闇を払い、安寧を齎せ……」

「ッ……! 全員で抑えろ!!」


 それを見て武器商人の一人が指示を出し、全員が一斉に飛び出す。だがそれよりも早くメルフィスは呪文を唱え終え、杖に緑色の光を集約させた。


「我が放つ光は無情の翠。全てを、滅せ……ーーーーー〈光嵐こうらん〉」


 次の瞬間、稲妻が落ちたかのような光と音が放たれ、メルフィスは武器商人達に無数の光の刃を解き放った。嵐の如くその刃は武器商人達の脚を切り裂き、次々と地面に倒していく。


「あぐぁぁぁぁ……がっ、ぁ……!」

「ああああああ!! い、いてぇ……! いてぇよぉ!!」


 それはあまりにも圧倒的で、一瞬の出来事であった。気が付けば嵐のように暴れていた光の刃は消え、その場に立っているのはメルフィスだけとなった。周りでは武器商人達が血の出ている自分達の脚を抑え、もがき苦しんでいる。


「威力は最小限に抑えておいた。ちゃんと処置すればすぐに歩けるようになるよ」


 そんな彼らを見ながらメルフィスは杖を肩にのせ、短くため息を吐く。そしてその場の全員に聞こえるような、大きめの声で話し始めた。


「さて、君達には聞きたい事がある」

「……!」


 武器商人達は呻きながらメルフィスの方を睨む。だがこうなってしまってはもう抵抗する事も出来ず、大人しくメルフィスの話を聞くしかなかった。


「君達闇の武器商人達が、選定勇者お披露目のあの場所に居た事は分かっている。まぁ、他にも盗賊やら暗殺者やらは居たけど……それは良い」


 メルフィスの言葉を聞き、武器商人達は動揺から目を見開いた。

 あの時、選定勇者が高らかに自身の意気込みを喋っていた時、当然ながらその命を狙う曲者は多く潜んでいた。その中に彼ら闇の武器商人達も紛れていたのだ。

 その事をメルフィスは自身の情報網を駆使し、現場に居たとされる者達からの聞き込みで武器商人達の事を特定したのだ。


「お、俺達は何もやってないぞ! 確かにあの時、商会の何人かは指示された場所で選定勇者を狙っていたが……あの時は警備が分厚くて手を出せなかったんだ! だから選定勇者を襲ったあの謎の襲撃は俺らじゃねぇ!!」


 武器商人の一人が慌てたようにそう叫ぶ。

 確かに自分達は利益の為に選定勇者を狙い、隙があれば襲うつもりで居た。勇者なんて存在は裏社会で生きる者達にとっては面倒以外何者でもない為、始末しようとするのは当然の事である。だが今回は、自分達は犯人ではない。その事を男は必死に訴えようとした。


「そんな事は分かっているよ。君達程度の実力じゃ、あんな襲撃は出来ない。聞きたい事は、ソコじゃないんだよ」


 ちっちっと舌を鳴らし、人差し指を振りながらメルフィスは呆れた表情を浮かべる。そして肩にのせていた杖を持ち上げると、トンと地面を突いた。


「君達は見たんだろう? あの時、選定勇者を襲った犯人を。警備の兵士達では気付かない所から、襲った奴を目撃したはずだ。それを答えてもらう」

「……ッ!」


 商人達の数人が息を飲み、動揺した素振りを見せる。恐らく彼らが現場に居た者達なのだろう。その様子から見てやはり自分の推測は正しかったのだとメルフィスは確信を持つ。


「どうした? 答えられないのかな? 答えなくても、君達はこの後兵士に捕まるだけだけど」

「くっ……」

「でも情報提供してくれるなら、多少は融通を利かせてあげよう。この国の平和の為に、君達が賢明な判断をしてくれる事を祈る」


 ここでメルフィスは僅かながらの慈悲を見せる。

 武器商人達にとってはこの絶望的な状況、どうせ最後には捕まるという状況で、わざと救いの道をチラつかせる。そうすれば弱った人間の心など、簡単に堕ちる。


「……女だ」

「ん?」


 ポツリと、一人の男がそう呟いた。メルフィスは振り返り、口にした武器商人の方に視線を向ける。


「若い女だった……子供だったかもしれねぇ。金髪で、簡単に折れちまいそうな細い手足をしてて、妙な雰囲気の奴だった」


 観念した男は素直に自分が目撃した情報を告げた。メルフィスは杖に手を置いたまま、それを静かに聴く。


「そいつはその細い手で、剣を振ったんだ。そしたら、あの通りだ。信じられないか? だが仲間も同じ光景を見た」


 武器商人達はその時、まるでおとぎ話が現実になったかのような錯覚を覚えた。何せ自分達が見ているのは子供にも見える程若い女性が、剣を振った瞬間黄金の光が放たれ、それが勇者を襲ったのだ。魔法や幻覚などではない。本当に剣の力だけで勇者を襲ったのである。


「その女性は何者だい?」

「名は知らねぇ。見た事もない奴だった……だがそいつを探していた連中の話によると、今朝この王都を出て、西の方へ向かうのを見たって話だ」


 勇者を襲った存在など裏社会の者達が放っておくはずがない。それが敵になろうと味方になろうと、素性を調べておく必要がある。そう思って裏社会の一部では、彼女の足跡を追っている者達も居た。当然武器商人達も情報は集めていた。


「嘘だと思うだろう? こんな話」

「さぁ、どうだろうね。でも有力な情報どうも有難う」


 引き攣った笑みを浮かべながら男は暗い声でそう言う。その言葉に対してメルフィスは特に思う事なく、男から視線を外した。

 その後、武器商人達は兵士達によって捕まり、メルフィスも項垂れながら引きずられる彼らを哀れに思いながら見送っていた。


「ふむ……女性か。その人物は魔王候補なのか? それとも……」


 顎に手を置き、メルフィスは考える。

 普通に考えて剣で遠くの柱を斬れる女性は異常だ。勇者を狙ったのならなおさら。その正体が魔族でなくとも脅威である事には違いない。早急に対処すべきだろう。


「メルフィス殿」

「ん、ああ。ルギス君」


 そんな風に考えていると、兵士の中から鎧を纏った騎士が声を掛けてきた。それは白騎士団の団長であるルギスであった。


「まさか闇の武器商人達を捕まえたのが貴方だったとは。何故緑の大魔術師の貴方がこんな所に?」

「ちょっと調べごとをね。年寄りは面倒ごとを押し付けられやすいのさ」

「ほぅ……ああ、なるほど」


 メルフィスの言葉を聞いて大体の事情を察し、ルギスは頷く。

 彼も団長という立場の為、今王都で騒がれている事件の事は知っていた。ならば魔術師教会の中で特に優秀な魔術師として知られるメルフィスが動くのも自然であった。


「メルフィス殿ならすぐに調べ尽くしてしまうでしょう。かつて〈閃光の魔法使い〉と呼ばれた貴方なら」

「はは、よく知ってるね。昔の呼び名を。懐かしいな……」


 メルフィスは久々に古いあだ名で呼ばれ、アレンとセレネと共に冒険者稼業をしていた頃を思い出す。

 あの頃は楽しかった。素性も経歴も分からない者達が集まり、今と明日の事だけを考えて冒険する。そんな一瞬一瞬を大切にしている時間だった。歳を取ってしまったメルフィスはつい、あの頃の出来事をもう一度味わいたいと思ってしまった。


「そう言えばアレン殿とお会いしたそうですね。変わりなかったですか? 彼は」

「ああ。元気そうだったよ。相変わらずお人好しだけど」

「そうですか。まぁ、それがアレン殿らしいと思います」

「ふふ、その通りだね」


 久々に会った友人は相変わらず優しく、何事に対しても平等な性格だった。それで毎回苦労を背負い込む事になるのだが、それもまた彼らしさ。その受け入れる性格にメルフィス自身も惹かれたのであった。


「それじゃ、僕は仕事に戻るよ。あー、忙しくて大変」

「ご苦労様です。お気をつけて」


 他愛ない話をルギスとした後、武器商人達が全員連行されたのを確認してメルフィスは仕事へと戻る。

 そして門を通って王都を出ると、一度深呼吸し、広大な平原が広がる西の方向に視線を向けた。


「さて、まだ間に合うかな……今朝王都を出たなら、〈黒鉄の森〉辺りか?」


 武器商人が言っていた同業者の話が正しいのなら、この方向の先に犯人が居る。これが逃走なのか、それとも新たな目的があっての移動なのかは分からない。だが犯人が順調に進めば黒く鋼のような樹木で埋め尽くされた黒鉄の森に入っているはずだ。そこは高所で霧も掛かり、身を隠されれば厄介な事になる。


「少し速度を上げるか」


 メルフィスは杖に魔力を込めると、緑色の光に包まれて大地を蹴る。そして宙を高速で移動し、風を切りながら移動を始めた。景色はあっという間に平原から森へと変わる。そこは真っ黒な森、他の土地とは一線を画した場所だった。

 メルフィスはその森の中に降り立つと、まずは周りの気配を探った。薄らと魔力の反応はある。だが大抵は動物や小さな魔物のもの。強大な魔力は感じられない。もっとも、犯人が魔力の少ない者なのならばこの探知は無意味なのだが。

 それからメルフィスは少し考えた後、杖を振るって周囲に光の球を数個放った。その優しい光を放つ球体はフワフワと浮きながらそれぞれの方向へと飛んでいく。その光を頼りにしながら彼は周囲を警戒して先へと進んだ。


「……む」


 そうして長い間歩き続けていると、霧が少し出てきた場所に足跡がある事に気が付いた。メルフィスはゆっくりと 膝を付いてそれを確認する。

 大きさ形からして男の物ではない。かと言って子供程小さなものでもない。試しにメルフィスが足跡が進んでいる方向の気配を探ってみると、僅かに魔力を感じ取った。間違いなく、誰かが居る。


「これは……アタリかな?」


 杖を軽く握り締め直し、メルフィスは警戒心を高めながら足跡を追う決意をする。

 黒金の森に人は滅多に入り込まない。強力な魔物はそれ程多くないが、霧が深い事によって視界を確保するのが難しく、おまけに鋼のように硬く、鋭い棘が多い木で怪我をするからだ。運の悪い時は地面から飛び出ていた根っこで串刺しになるなんて事もある。故にこの森は旅人も商人も避けて通る事にしている。ならばそれでもなお通ろうとする者は、一体何者なのか?

 その答えを求めてメルフィスは更に奥へと進んでいく。だがその途中で、何か違和感を覚えた。そしてその違和感の正体はすぐに現れる事となる。


「ーーーー! ……足跡が、消えた……?」


 地面に残っていたはずの足跡が突然、途切れてしまったのだ。風や動物のせいで消えてしまった訳ではない。最後に両足の足跡を残して、綺麗に消えてしまったのである。


(何故……? まさか偽の足跡だった? でも魔力の反応はある。なら足跡の持ち主は近くに居るはず……)


 メルフィスは偽の足跡で誘導されたのかと考えるが、今この場から魔力は感じ取れる。ならばこの霧で覆われた視界のどこかに居るはずなのだ。

 本能的にメルフィスは命の危機を感じ取る。それは若い頃、冒険者だった時に培われた察知能力。理由や原因が分かっている訳でもなく、ただ何となく成り行きから悪い匂いを感じ取る力。


「まずい……! 〈炎光ほむらこう〉!」


 すぐさま杖を振るい、周囲に飛ばしていた光の球体を自分の元まで引き寄せる。光の球体はまるでメルフィスを守るように漂い、壁となった。その直後、彼の上空から影が舞う。


「ーーーーーー」

「くっ……!」


 一閃。鋭い斬撃がメルフィスを襲った。その攻撃は盾代わりとなっていた光の球体達が何とか防いでくれたが、球体はバラバラに砕け散り、メルフィスの肩にも衝撃だけは重く伝わって来た。

 すると上空から飛び降りてきたその人影は距離を取り、ゆっくりと立ち上がった。


「おやおや、随分と迷いない一撃だね。もしも防御が遅れていたら、今頃僕の首は地面を転がっていたよ?」

「…………」


 メルフィスもその霧に覆われた人物に視線を向けながら体勢を整える。顔は霧で隠れているせいでしっかりと確認する事は出来ないが、女性である事は分かる。僅かに見える手足も細く、その頼りない手には誰からか拝借したのだろうか、ボロボロの錆びた剣が握られていた。


「君が、勇者の命を狙った女性かい? 良かったら名前を教えてくれると嬉しいんだけどね」

「……は、は」


 試しにメルフィスが質問してみると、女性からは反応があった。だがそれは壊れたような笑みで、無機質な感情が込められていた。


「名前……? 私に、名前なんてない……でも最近の人は、私をこう呼ぶかな……」


 ユラリと女性が動き出す。手していた剣をゆっくりと持ち上げ、次の瞬間、周囲の霧を吹き飛ばす程の勢いで飛び出した。


「〈黄金の剣使い〉」

「ーーーー……!!」


 女性が剣を振るうと同時に、凄まじい衝撃波が巻き起こった。鋼のように硬い周囲の樹木を斬り倒し、嵐のような斬撃がメルフィスを襲う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ