―ゴミ掃除の時間だコラー!―
お待たせしました。やっとの更新です。
―とある建物の前―
「ここがあの女のハウスね!」
「………なんだそれ?」
「いや、アイリスがこれを言うことがヨウシキビ?だって言うからとりあえずそう言っとけって言われたから言っただけよ」
「へ~そうなんだ~今度から俺も言おうかな?」
「いや、お前はやめとけ。それはフレデリカが言うから意味があるんだ」
さてさて、やって来ました。アイリスがマップに示したいくつかの建物の一つにやって来た。ぱっと見普通のお店っぽい見た目だが、反応を見るからにそれなりの人数がいることが分かる。そもそもなかにいるやつの見た目が普通じゃない。どう見てもそこらへんにいるガラの悪いゴロツキみたいだし。
「さて、ちゃっちゃとはじめるか!」
「なーなー、今度はちゃんといるんだろうな?もう縛るだけなんてうんざりだぜ」
「お、おう、今度こそ大丈夫だ。ちゃんと中に何人かいるから暴れられるぞ、うん!」
そうなのだ。この建物の前にいくつか回ったが、もぬけの殻(何故か部屋が煤《すす》だらけになっていたけど)だったり、何人か壁に埋まった状態で全員気絶していたりなど、もう既に襲われた後しか残っていなかったのだ。特に気絶しているところは全員縛って警備隊に気づいてもらえる道端に捨てるという作業しかしていない。だが、今回はちゃんと全員起きている状態だ。
「おっしゃ!準備はいいか?俺がドア蹴破るからザックスは右、フレデリカが左に居るやつを頼む」
「おうよ!」
「ええ、いつでもいけるわ!」
「じゃあ、せーので行くぜ?せー、のー………殴り込みだー!」
俺はドアの前に行くと足に力を入れて「せーの」の掛け声をして思いっきりドアを蹴破った。蹴ったドアは垂直にそのまま壁の向こう側まで飛び、進路上にいたやつ2人を巻き込み壁に激突した。その2人はそのまま白目を剥いて気絶していた。
「な!なんだてめぇら「オラッ!」ひでぶ!」
「いきなり何「せぇい!」はう!」
ドアが空いた瞬間にザックスとフレデリカが中には入り、一番近いところにいたやつをぶっ飛ばす。俺も遅れて中には入り、やつらを吹っ飛ばしていく。それにしてもフレデリカはいい蹴りなのだが、なぜに高い確率で腹ではなくそこばかり狙うんだ?
「フレデリカ、お前の蹴りはかなりのものだけどなぜにそこばかり狙うんだ?」
「ん?だって一番無防備で一撃で効くからよ」
うん、確かに効くな。男にとってそこは弱点なわけだしな。………ちょっと下がキュっとした。
「うおっ!なんだなんだ、何が起きてんだ!?」
おっと、そんなことしてたら騒ぎを聞いて数人の男たちが奥の扉から続々と駆けつけてきた
「こ、このガキども!生きて帰れると思うなよ!お前ら、やっちまえ!」
「「「「「「「ウオオッ!」」」」」」」
リーダー格の男がそう叫ぶと男どもがこっちに来た。中には木の棒を持っているやつもいた。
「オラオラオラ!」
「っく、この赤髪のガキ、なんつうパンチなんだ、ぐはぁ!」
「っへ、そんなへなちょこパンチ当たらないぜ!」
ザックスは数人のやつらと相手しているがギリギリ攻撃をかわし、危なげにも殴り倒している。だがまだまだ動きにムラがあるし、詰めが甘いな。帰ったらいつもより厳しめに特訓するか。
「えい、やぁ、てい!」
「がはっ!」
「み、みえ………げふぅ!」
「はうぅん!」
フレデリカは元々弓の扱いが得意だが足技による接近戦ができる。そのため普通はホットパンツのような物を履くものだが、俺たちは学生服を着ているから彼女はどうしてもスカートを履かなくてはならない。そこで俺たちは彼女に下着が見えないようにインナーパンツを履かせている。何人かその下を見ようとして踵落とし食らっているやつがいやがる。もしくはスカートから出た美脚に惚れて呆けてるところを金的されてるな。
そしてそんな俺だが………
「ふはははははは!どうした?その程度か?もっと足掻いて見せろ!」
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃ!何なんだこのガキ!?ぐひゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
「た、助け――あびゃぁぁぁぁぁぁ!」
片っ端から奴らを殴ったり蹴ったりして地面や壁にめり込ませていた。最初は向こうから挑んできたが途中から俺に恐怖し、逃げ始めたためこっちから殴りに行っている。最近なかなか暴れることが少なかったからな、こいつらでストレス発散させてもらうぜ!
「はーはっはっは!逃げるやつはクズだ、逃げないやつは訓練されたクズ野郎だ!」
「ぎゃぁぁぁぁ!も、もうやめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「お、おかあちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!あべし!」
数分後、最後の1人を地面に埋めると2人の方も終わったようだ。
「いや~暴れたぜ~楽勝だったな!」
「そう?ちょっと危なそうに見えたけど?というかなんであたしだけ多く来たのかしら?何人か呆けてたり、頭を下にしてる奴がいたけどあれもなんだったのかしらね?」
「あぁ、うん。そうだな、なんでだろうな。とりあえずまだ奥あるみたいだし行くか」
俺は2人に声をかけやつらが出てきた開いた扉へと行った。中を確認するといくつかの大きめの机や倒れた椅子などがあったテーブルには食い散らかされた食べ物や酒があった。どうやらここはさっきのやつらが集まって休憩する場所だったらしい。さらにその奥には右手には上に昇る階段があり、反対の左手には下に降りるための階段があった。
「二手に分かれてるな………どっち行く?」
「うーむ、そうだな………うし、俺は上に行くぜ!」
「ほぉ、その心は?」
「偉い奴は上に行きたがるからだ!」
ああ、バカと煙は上に行きたがるってやつか。
「じゃあ俺は下に行くよ。フレデリカはどうする?」
「うーん、じゃああたしも上に行こうかしら?ザックスだけだとあれだし」
「な!?そ、そんなことはねーぞ!」
「あ、こら!置いてくんじゃないわよ!」
図星を突かれたザックスは誤魔化すように早足で上への階段へと向かい、フレデリカは慌ててザックスを追いかけて行った。
下へ降りるとで蝋燭で照らされた1本通路があり、左右にいくつかの扉があった。適当に近くの扉から開けてみると大量の荷物が置かれており、箱の中を確認すると危険な毒薬や取引が禁止されているものなどが入ってあった。
う~む、正直言ってそこまで欲しいと思うものはないな………これは証拠として置いておくか。
色々物色しているとなんか禍々しそうなオーラを出す黒い玉を発見した。とりあえず鑑定してみよう。
【不浄の宝玉】周りの聖気を吸収して周りに瘴気を発生させる
あ、こいつはダメなやつだな。とりあえず放っておくと面倒な事になりそうだし仕舞っておくか。俺はこのいくつかあった黒い玉をアイテムボックスに入れておいた。いつか使えるだろう………多分。
そろそろ物色し終わったし、上の方もそろそろ終わっただろう。そう思って扉のドアを開けると顔が涙や鼻水などでぐちゃぐちゃになった太った男がすれ違った。恐らく反応にあった上にいたここの親玉だろう。
というか普通逃げるなら裏手とかだと思ってたんだが、やはりこの先には何かあるのだろうな。
「マーテー、タイホスルー」
「ぶ、ぶひぃぃぃぃぃぃ!!ここにもエルフのガキが!?」
俺がワザとらしく声を上げながら追いかけると親玉は俺を見て驚愕した後、目と鼻以外にも口から液体を垂らしながら巨体な体にも関わらずドシドシと走っていく。俺は一定の距離を開けながら追いかけた。
それから通路の先を進むと目の前に扉があり、親玉を乱暴に扉を開けて入っていった。遅れて俺も入ると少し広めの部屋で、奥で親玉が何かゴソゴソとしていた。
「こ、こここここんなとこにいたら命がいくらあっても足りんわい!」
すると親玉の足元にある魔法陣を起動し始めた。ふむ、転移の魔法陣か。このままだと逃げられるが、ちょうどいいしこのまま一緒にやつが逃げた先もぶっ潰すとするか。
「は、ははは早く逃げ「はい、捕まえた!」ぷぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
親玉が魔法陣に乗り転移しようとしていたので俺は地面を蹴っり、親方の下にたどり着いたと同時にその顔面を掴んで地面に叩きつけた。そして、叩きつけたと同時に魔法陣は起動して一緒にどこかへと転移された。さて、どこへ飛ばされるかな?
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ゼロスは次見た光景は周りは薄暗く、1人用の天井付きベッドや丸い机などがある少し豪華な部屋だった。どうやら無事(?)どこかへと転移できたみたいだ。窓があり、外を覗くとさっきまでいた街が見えており、段々街から離れていくのが見えた。
あら~、もう出港してたのか。まあ帰りはこの船乗っ取って帰ればいいか、とりあえず探索するか。そう思いながら鷲掴みにしたままにしていた親玉の顔から頭を掴んだ。そのまま部屋の扉を蹴破り船の中を探索を開始した。
「一体何の音だ………ってなんだこのガキ!?」
「おい、あのガキが引きずってるの、うちのボスじゃね?」
「お!マジだ。とりあえず助けるか。くおら、このクソガキ!」
まあ、当たり前だが蹴破った音で船にいたこいつの手下がぞろぞろとやって来た。とりあえずぶっ飛ばしながら進むか。
その後俺はぞろぞろとやってきた親玉の手下どもを壁に埋めつつ船の中を探索する。ちなみに左手には親玉の頭を掴んだままである。一回起きたがうるさかったから腹パン食らわせてもう一度気絶してもらっている。
「――――ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ふぅ、だいぶ探索したな………ん?」
しばらく探索しているとある扉の前で止まった。中ではアイリスがいて、ちょうど扉の前にいる誰かと話していた。マップだとアイリスの後ろにはいくつかの反応があった。どうやらここに捕まっていたやつがここにまとめられていたようだ。話している奴を確認すると敵性反応で種族が悪魔だった。
ほぉ、悪魔か。まあいいやとりあえず挨拶がてらこの扉蹴破るか。そう思い俺は扉から距離をとった。そしてそのまま地面を蹴って走り、扉に向かってドロップキックをかました。
「ダイナミックゥゥゥゥゥゥゥゥエントリィィィィィィィィィ!!」
「っへ?ぷげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
俺はそのまま扉を粉砕してそのまま目の前にいた男の腹に直撃した。俺はその場で宙返りをして着地し、男はそのまま奥の檻に向かって吹っ飛んで衝突した。幸い中にいた人たちは檻の端っこにいたので被害はない。
「おっすアイリス。今どんな状況?」
「ええ、あの悪魔が黒幕でこの子使って魔獣を呼ぼうとしていたから止めようとしていたところかしら?」
ああ、なるほど、なんとなくわかった。とりあえず………
「く、くくくくくく。よくもやってくれましたね………もう容赦しませんよ!」
「「遊んでやるからかかってこい!」」
この瞬間俺たちはこの世界に来てから初めて悪魔との戦闘が開始した。
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次はアイリス視点のお話です。