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双子エルフは破王様  作者: アナログ牛蒡
11/22

―予感と祭り―

なかなか休みが取れなくて投稿が遅くなりました。

 学園に入学してから3年が経ち、ゼロスたちは中等部1年生へとなった。学園では成績は常にトップで、運動の成績はもちろん手加減しながら好成績を取っている。そんなある日のお昼の教室。


「お?フレデリカはまだうなだれてんのか~?」

「ぐ、ぐぬぬ~あと1点……今回も負けた……」

「あはは、まあ、フレデリカもいい成績なんだから別にいいじゃないか」

「うっさい!アイリスもゼロスもほぼ満点しかとってないじゃない!」


 机に突っ伏してうなだれているフレデリカ、それをなだめようとするゼロス、それを笑いながら見るザックス。そんな中、生徒会の仕事で離れていたアイリス、ジャック、シエルが帰ってきた。


「ただいま~すごく疲れた~シエル~私を癒して~」

「うひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「あはは、アイリスさんは本当にシエルくんのこと好きだね~まあ、それでも頑張ってくれよ、未来の生徒会長さん?」

「うう~私上の立場になりたくなかったのに、なんで?」


 アイリスはシエルに抱きつき、ジャックはその横であははと笑っている。フレデリカはアイリスたちが帰って来たのがわかるとその場で立ち上がり、アイリスたちの方へ行き抱きついた。


「ず~る~い~あたしも癒される~」

「ふふふ、よいぞよいぞ~一緒に癒されそうじゃないか~」

「ふえええええええええええええええええええええええ!?」


 アイリスとフレデリカは最初の頃はギクシャクしていたが、時が経つにつれ彼女といつの間にか仲良くなっていた。どうやらシエルの魅力についてアイリスが高い関心を持ち、お互いにシエルがカワイイと思える者同士として仲良くなれたらしい。


 そして、俺たちは成績がいいことから生徒会や色んな部活からスカウトが来ており、現在アイリスはシエルとジャックの3人一緒に生徒会の役員として活動中なのである。本人は嫌がっていたが、シエルのうるうる光線に負けて入った。そんなアイリスは現生徒会長に次の選挙で生徒会長として出て欲しいと言われている。


 ちなみに俺、フレデリカ、ザックスの3人は風紀委員として活動中だ。これは俺だけ入っていないのは不公平という相方+2の要望で入った。俺も恐らく次の風紀委員の委員長に任命されるだろう。


「そういえば、その生徒会で面白い話があるんだけど聞いてかない?」

「ん?面白い話し?気になるな、聞かせてくれ」

「実はね、近々水の都ウンディードで『水神祭』があるのは知ってる?」

「ああ、そういえば祭りは今年か……」


 水の都ウンディードでは5年に1回『水神祭』という祭りがあり、この世界を作った6大神の中で水を司る神ポセイドンに日々の感謝を込めながら騒ぎ、最後に巫女の舞を奉納する祭りであると聞いた。


 なんで神に感謝を来なきゃいけないんだという気持ちもあるが、俺たちは今まで『祭り』というものに参加したことがない。


 ……いや、あるな。確かあのドラドンが創った世界で俺たちを称える祭りがあったな……殆ど座りっぱなしで退屈だったが……今度久々に行ってみようかな?いや、行ったら行ったらであいつらのお小言と紙の山が待ってるから行きたくないな~


「水神祭か~たしか今年の巫女の舞でシエルも踊るんだよな?」

「そう、そうなのよ!私の・・シエルが出るのよ、絶対見に行かなきゃ!」

「アイリス、そこはあたしたち・・・・・のシエルでしょ?」

「ふえ!?私は誰のものでもないよ~」

「はいはい、それはもういいから続きを話してくれないか?」


 俺はパンパンと手を鳴らして話を戻した。こいつら好きがあればシエル自慢するからな。アイリスはコホンと咳払いをし、続きを話し始めた。


「……話が脱線したわね。えっと、その祭りで生徒会は簡単な手伝いをすることになって人手が欲しいから有志を募っているのよ」

「……なるほど、そこで俺たちに声をかけたってわけか」

「まあ、そんなとこね。どう?せっかくだし参加して見ないかしら?」

「うむ、残念だがこっちは風紀委員で学園の生徒たちがハメを外しすぎないように巡回するから手伝うことはできない」

「あら?そうだったの……残念ね」


 アイリスはとりあえず残念そうに肩を落とした。まあ、生徒会だけ何かして風紀委員だけ何もしなっていうのもあるから作業分担で巡回の話がこっちに回ってくることは予想していたんだがな。


 アイリスの残念そうな態度を見たザックスがニカッと笑った。


「そんなに落ち込むなよアイリス。当日俺たちは午前中だけ巡回してその後には一緒に行動出来ると思うから、その時に集まって一緒に祭りを廻ってみないか?確かゼロスたちは祭りについては初めてだろ?」

「そうだな、時間ができたら一緒に行動するか。そういうザックスたちは祭りに参加したことあるのか?」

「ああ、俺は親に連れて行ってもらって参加したことがあるからな。シエルとはそこで初めて会ったんだぜ」

「っく、あたしも行きたかったけど親が仕事があって連れて行ってもらえなかったわ」

「ははは、僕はその日風邪をひいてしまってね」


 どうせ当日仕事が終わったら暇だからな。せっかくだし一緒に行動して仲を深めるのもいいかもしれないな。アイリスの方を見るとフレデリカと一緒にまだシエルにじゃれていたが念話で一緒に行動すると言っていた。


 ……大丈夫かこいつ?いざこいつらと別れを告げた時、素直に別れることができるのだろうか……まあ、その時は襟首掴んで引っ張ればいいか。


 それからどこで待ち合わせるかとか祭りではどんなことをするのかを話し合い、休み時間が終わった。その後の放課後、俺たちは待ち合わせをして一緒に帰った。


 帰る途中で中央広場がいつもより騒がしくなっており、その原因がそこにある予言板からだった。そこにはかなりの人だかりができており、街の住民や冒険者等がその予言板を見ていた。


「……そういえば、今日新しい予言が貼り出されるってお姉ちゃんが言ってた……」

「へ~あの予言から3年ぶりだな。今度の予言は一体何だろうな?行ってみようぜ!」


 そういい俺たちは予言板の方へと近づきいろんな人たちの間をスルスルスルリンで通り抜け見える位置についた。


 その予言板の内容は真っ黒な暗雲の空の中、街を背景に海上で対峙するように2体の化け物が戦っていた。右に居る化物は全身真っ黒で、まるでシルエットのような姿をしている。体からは何本もの触手のようなものが生えており、一部街の建物に絡みつき、1人の女性を捕らえていた。


「……この黒い化け物は一体何だろうな?」

「さぁ……なんか触手っぽいものが生えてることはわかるんだけど全身真っ黒でどんなやつなのかよくわからんな」

「海の上で戦っている所を見ると魚類系の魔物で『クラーケン』なんじゃないかな?それもかなり大きいやつ」

「でも、それだったらイカっぽい形してんだろ。こいつ何か丸っぽくね?」

「そうだな、一体何だろうな?それよりもこっちのほうがやばそうじゃねぇか?」


 もう片方の左の化け物は前の予言に出てきた黒いドラゴンが口から光線のようなブレスを暗雲に向けて放っていた。


「これって前の予言に出てきたドラゴンだよな?」

「そうだな、一昨年に大陸の端にある獣人達が住んでいた村とその近くにあった山が吹き飛んだんだろ?もじしこいつが現れたら背景の街はただじゃすまなそうだな……」

「そうだな……現れるとしたら海の近くの街あたりだろうな」


 そうやって話し合っているとシエルが先程から会話に参加せずずっと沈んだ顔をしていた。


「……確かシエルの国は海に面していたな……」

「……うん、どうしよう……お祭りが近いのにこんな予言が来るなんて……」


 少し泣きそうな顔をしていたシエルだが、アイリスは彼女の肩にポンッと手を置いた。


「大丈夫よ!もしこんな奴らが来ても私が殲滅してやるわ!」

「アイリスさん……うん、ありがとうね、なんだか元気になってきたよ」

「ふふふ、私にかかれば例え神でも邪魔する奴はぶっとばしてやるんだから!」

「むむ!私だってシエルのためならなんだってするわよ!」


 アイリスがなんだか不穏なことを言ったように聞こえたが恐らく嘘じゃないんだろうな……実際やろうと思えば出来るし……


 そうやって話していると他に予言板を見ていた2人の冒険者の人たちが気になることを喋っていた。


「なあ知ってるか?また人族の城が1つ落ちたらしいぞ」

「まじかよ!それって例のメイド集団の仕業か?確か前はごと街ごと消えたって話だっけ?」

「ああ、今回その城の領主は一見身寄りのない子供とか難民なんかを保護してくれる優しいな男だったらしいけど、裏では誘拐したやつを無理矢理奴隷にして売り飛ばしていたらしいからな」

「うへぇ、まじか………その城にいた奴隷たちはどうなったんだ?」

「それがな、偵察として送った部隊が向かったらしいんだが……奴隷は全員消えていたらしいんだ、城の兵士の死体を除いてな」

「はぁ!なんじゃそりゃ?それって、その国に住んでいた奴隷全員いなくなったってことか?」

「……信じられないかもしれないが、この話は本当だ。俺は実際にギルドの依頼で一緒に見に行ったことがあるからな。崩れた城ごと潰れたかと思ったんだが、調査隊によると掘り返したら城の兵士たちの死体はあったんだが、奴隷の死体が1つもなかったらしんだ」

「へ~じゃあみんな逃げたんだな。もしくはメイド集団についていったのかな?」

「恐らくな……まあ、そいつらもどこへ行ったのかは不明だけどな」

「しっかし、謎のメイド集団か……一体何が目的なんだろうな~」

「そうだな、しかも美人ぞろいらしいし、お世話して欲しいもんだな……」

「たしかになはっはっはっは!」


 ふむ、どうやらまたメイド集団という奴らの話をしているようだ。今回は人族の城が1つ無くなった話をしているようだな。


「おーい、早く帰ろうぜ~」

「ああ、すぐ行く!」


 そして俺たちは予言板を後にしそれぞれの自宅へと帰っていった。


 しかし、このドラゴン……どっかで見たことあるんだよな~

誤字脱字がございましたらご連絡お願いします。

何とか時間を作って作っていきますが、どんなに遅くなろうと頑張って続けていきますので、気長にお待ちください。


追記:サブタイトル変更しました

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