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11話 森の声

更新あきましたすいません。。その分少しだけいつもより長くなっております。。

書きたいことはあっても文章が進むまで時間がかかってしまいます。。

ストックもなく更新がはかどらない要因になっていますが、初回投稿のため多めに見て頂ければと思います。

できるだけ2日に1回、もしくは2回ペースで投稿したいと思っています。

書き上げるまで何年かかるかわかりませんが、のんびりお付きあい願えたらと思います。

ジンのテストに合格したピュトン。

足早に家へと準備へ戻る。


稽古用に使っている樫の胸宛てと手甲をつけ木剣を腰に下げる。携帯食料や水・予備のナイフを背嚢に入れ、準備は完了だ。玄関で丈夫なシシカ皮でできたいつもの靴を履き集合場所へ向かう。


北門に近づくと、ジン以外の護衛兵も待機しているのが見えた。

皆一様に黒鉄の兜に薄手のチェインメイル、馬上でも扱いやすそうな小ぶりのラウンドシールドを装備して村の外に待機していた。その中でもジンだけは蛇の尾を持つ亀の紋様をした意匠が盾に施されている。


『皆さんお待たせしてすいません。。そういえば隊長さんの許可って大丈夫だったんですか!?ジンさん!今更だめとか言いませんよねっ??』

ピュトンは不安そうな顔で問いかける……


『あはははははっ!隊長さまっ、どうしますか?』

観覧していた護衛兵、、クルーだったか、が、隊長に笑いながら声をかける。ジンは少し下を向き口を開こうとして……


村長に挨拶をしていた隊長格の護衛兵は困ったように頭をかきながら……

『隊長、、そろそろいいでしょう。。』


ジンは静かに口を開いた。

『ああ、、ピュトン、紹介が遅れたが俺はジン。ジン・サファイア、この部隊の隊長をしている。村の調査という目的もあったので身分を隠して村人の様子を見ていたのだ。。同行に関しては先にいった通り認めよう。探査の協力感謝する。』


ピュトンは驚きながらも納得した。品のあるたたずまいに特徴のある装備、全てが物語っていたのだ。

『はいっ。。ピュトン・スカイです。改めてよろしくお願いします。』

おじぎをしながら、護衛兵たちへ挨拶を行う。


『ああ、護衛兵のクルーだ。よろしくなっ』

『同じく、バームJrだ。。』

隊長の役割をになっていた護衛兵が挨拶を行う。

『道案内は頼んだぜっ!』



『はい!まかせてください!』


前回魔物にあった状況や普段の森の様子などを報告しながら、森へと向かっていった。



『森では絶対にこちらの指示に従うこと、魔物との戦闘になった場合もピュトンは手を出すなよ』


『はい、足を引っ張らないようにがんばりますっ!!』

鼻息が聞こえてきそうなくらい、興奮しながら答えるピュトン


それを見たジンの胸中には一抹の不安がよぎるのであった。。





じきに深い森が姿をあらわす。

森は静寂につつまれ、変わりないように見えた。


『ここから入ります。獣道ですが、普段軽装で歩く分には大丈夫でした。』

木立ちの間からゆっくりと森へ踏み入る。


『今回は保護対象が一人いる。ミドルクロスの陣形でいくぞ』

ジンの呼びかけに応じて、3人は速やかにピュトンの周りへと動いていく。


前にはジン、左右にはクルーとバームJr、後ろにはクルー、互いの動きを妨げないよう適度な距離を作りながら周囲を取り囲み前へと進む。


ピュトンが方向を指示しながら、警戒しつつ湖へと向かう。護衛兵達は重装備なのに歩く速度はピュトンと変わらず息も乱していない。途中、一匹の小動物にも合わず逃げるくらいで特に問題なく道中経過する。

ほどなくして湖が見え、メンバーにも緊張感が走る。


『おし、、まずは俺がいく。各自やるべきことをやれ。』

皆も心得たもので、周囲へと目を配る。


湖につき魔物がいた場所へいくと、死骸は消えている。この数日の間に森へと還ったのだろう。

この世界では森で死んだり埋葬された死骸は腐らずに数日で遺骸は消えていく。

世界に吸収されるとも、値に分解されるとも言われているが定かではない。遺骸が残らないため、墓の代わりに樹を植える。その樹木を故人とみたて悼む。そう考えるとこの森も大昔の墓だったのかもしれない。



死骸があった辺りには小石大の半透明でいびつな結晶が残っていた。

『おっ、話に聞いてたが魔物を倒したっていうのは本当だったのか。しかもまだ残ってるとは運がいいな。この魔晶は君のものだ』護衛兵クルーが拾った魔晶を手渡した。


*魔晶は魔物の体内から稀に採れることのある結晶体である。人間では個体値の高い生物を倒したり訓練を行うことでその相手や環境から値を取り込み、自分の存在を高めることができる。

 だが、他のほとんどの動植物や生物にそのような機構はなく、ただ取り込むだけではその存在が高まることはない。

 しかし、同時にそれらには、魔晶というものが存在する。取り込んだ値が体内にうまく吸収されず、だが対外に排出されることなくとどまると、やがて体内で集まり結晶となる。

 取り込んだ値が高いほど大きく透明で均一な形になるとされ魔力の媒介として武器に使用されたり、高位の魔物では魔晶から力を引き出して自らを強化したり特殊能力を身に着けている場合もあるという。

 今回ピュトンが得た魔晶だと街で灯りとして使用される魔道具の原料にされるくらいだろう。


『……ありがとうございます。』魔晶を手にとり他人に事実を指摘されることで、今になってようやく魔物に勝ったのだという事実を意識することができたのだった。


湖にきて警戒すること30分ほど、特に何も起こることがなく時間は過ぎた。

そう、小動物にあうこともなく、鳥のさえずりを聞くこともなく。。


『……妙だな。。静かすぎる。。各自、武器を手に取り警戒しろ。。もう少し奥まで探索するぞ。』

ジンの命令が出るとすぐに陣形を組みなおす。ピュトンも剣を片手についていく。


その時、何かが視界の片隅によぎる。

『いるぞっ!!!魔物だ!!!パームとターカは広がりながら前進!陣形を維持してあいつを取り囲むぞ!!クルーはピュトンを護れ!』

ジンから素早い指示が出ると、護衛兵パームと護衛兵ターカはそれぞれ自分の外へ盾を向け、ピュトンのいる側で短槍を構える。


魔物の姿がピュトンにも見えてきた。これは前に見たシェリーじゃない。。同じ二足歩行だが背丈は1メルトル80㌢とピュトンよりも大きい。緋色の瞳に名前の由来通り濃淡がある茶色で統一された見事な毛皮、そのなかで胸の中央に白い斑点模様が5つあった。大型の魔物【ブラウンベアー】だ!!

興奮した様子でうなりをあげている……!


ピュトンと目をあわせた瞬間、一気に駆け出し向かってきた!

『俺が止める、、いつも通りだ』

ジンが短くつぶやき、修練で得た頑強な身体を操作する。。するとうっすらと淡い光がジンの身体を包み込む。


≪Lv2武技/硬体≫  発動

≪Lv1武技/単力≫ 発動


研究や修行、試行錯誤のすえに大気や炎・水など周囲の値力を駆使する術を覚え操作するのが魔法使いならば、

戦士は己の内と向き合い、通常の人間では発揮できていない未知の値力を引き出し闘う術とする。


それで発揮されるのが≪武技≫である。

先人により様々な武技が開発され、数多の冒険者や騎士、武芸者が研鑽をつみ磨きあげてきた。

その歴史は長く、時がたつにつれ洗練され、研ぎ澄まされ、系統だてて知られるようになる。


今回ジンが使った”硬体”は体内の値を変質させることで身体の強度を上げる防御系に分類される武技だ。

Lv1の”筋体”を覚えていれば一人前の戦士と言われる(筋<硬<○<○<○)。これらはLvが上がる毎に習得が飛躍的に難しくなる。その理由は武技習得には職業値と別に追加で値が必要になるためだが、それを世間では才能や本人の努力という理由で納得されている。


硬体を発現し耐久力は飛躍的に上昇したが、ジンの体重まで増加するわけではない。

『右っ!』

突進に対して真正面から受ければ体格と運動エネルギーの差から吹き飛ばされるだろう。しかし、すれ違いざまに角度をつけた盾で頭めがけ思いっきり殴りつける≪スキル/シールドバッシュ≫。

突進の勢いはそらされ、一瞬衝撃で視界を失ったブラウンベアー。その目の前には短槍を構えたターカがいて、その勢いのまま頸周辺へと突き入れる。


グオオオオオオオオっ、、、!!!!

鮮血が走り、苦し気にうめくブラウンベアーだが野生の生命力は凄まじく距離をとろうとそのまま森の中へと駆けはじめる。


しかし、、

『おっと、、悪いがそこは行き止まりだぜっ』

意味不明なセリフと共に、背後にいたクルーが横から回りこみ左脚に重い斧の一撃をみまう。


再び鮮血が舞う、、まだ逃げようとしているが魔物の動きは明らかに鈍い。。そこへ追いすがったジンによる首元への追撃が綺麗に決まる。


ズ―――、、ン。。


時間にして1分弱の攻防であった。仰向けに倒れ、ブラウンベアーは動かなくなる。



(す、すごい、、なんて連携だ。。こんな大きい魔物相手に一瞬で。。これが本当の戦士。。

 それにジンさんの発動した武技、、はじめてみた。。ダスに聞いたことはあったけど、あんなに大きな魔 物の突進にも対抗できるくらい強力なんだ。。すごい。。)


護衛兵クルー『ひゅーっ、、やりましたね隊長、こんなところにあんなのがいるとは一瞬驚きましたが余裕でしたねっ!』

護衛兵ターカ『ああ、まったくだ。。ブラウンベアーの”魔物ランク”はD……こんな村近くに出没してよい魔物ではないんだが。。』


 魔物ランクはAからFまでありFは経験のない素人の大人と同程度、Eは街のゴロツキや暴力的な人間と同程度、Dで1人前の戦士と互角の脅威と言われ、Dランクが出没すると小さい村なら全滅する可能性があるといわれている。

 その上のCランクでは同ランクの戦士が複数人でパーティーを組み連携してやっと戦いになるレベルとなり、Bランクの魔物を倒すには街単位で対応にあたらなければいけないといわれている。

 ……最上位であるAランクになると真龍や悪魔など歴史書に名前が出てくるような”魔物”というより”災害”に等しい存在として定義されている。


『これは、、白い斑点が5つだからおおよそ5歳といったところか、、まだ成人になりかけといったところだな、、森の奥で暮らしていれば倒されることもなかったろうに。』

ブラウンベアーの胸にある白い模様は1年毎に1つ増えるといわれている。5歳といえば人間でいうところの12,3歳だ。子供というには大きいが、成人というにはまだ幼い。


『……何か嫌な予感がする。。各自警戒を続けろ。。』

ブラウンベアーは大型の魔物では珍しくコミュニティーを持つことがある。魔物ランク自体はDだが、先ほどの大きさだとせいぜいE+といったところだ。10歳を超えた特殊な個体だとCランクに迫るような実力を持つこともあるという。


……GuOOooooooooooo!!!


先ほどより激しく、悲しみを含む威圧的な声が森に轟くっ



次回、『森の王者』


後でジンや護衛兵たちのステータスも追加できたらと思います。



また、やっと出せました武技!

この世界では武技、魔法という物を設定しています。


戦士>武技=身体の内側に眠っている値力を発揮する

魔法使い>魔法=周囲の値力の一部を利用する


、、といった感じです。武技や魔法は同系統でLv1からLv5まで5段階あり、それぞれ習熟度なども設定します。習得のためには修練や戦闘を行うことで習熟度をあげていき、一定の値に達すると習熟度をリセットしてより上位のスキルを習得し、使用することができます。ただ、それだとピュトン君がなかなか強くなりませんので、、、もちろん抜け道も用意しています(笑)


基本的には≪武技≫だと腕力強化、防御力強化、脚力強化、反応速度強化など。

魔法で物質付与を使用すると武器や防具を強化することもできます。


≪魔法≫では”火水地風”の4属性魔法がメインでそれぞれ7階位あり、特殊なもので"雷"という系統があります。これらには神との絡みや設定が多少あるので、またそのうちのせたいなと思います。


設定など多めでなかなか話すすみませんが、、、これからもどうぞよろしくお願いします。


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