コールド ブレッド
3日目『今日が過ぎれば安心ですね。』『後三時間・・・か』『お腹の赤ちゃんは元気かな?』アンナのお腹を見ながら響介は言った。アンナの三ヶ日前より大きくなっておりそろそろ生まれるかもしれないから自宅から病院に移ったに。『三ヶ日間ありがと・・・痛いッ!』『陣痛か!おい優子!ナースコールだ!』『はっはい!』『おっ俺は何を!?』『お前は落ち着け。』アンナは激しい痛みに苦しみながら手術室に運び込まれた。『後は産まれるのを待つだけだな。』『そうですね。』『そう・・・でもないか。』『え?』『どうい・・・』三人の目の前の廊下を霧が漂い、その霧が人の形になり正体を表した。『ウルルルルルル』『なんだこいつ!』『こいつがアンナを襲うつもりだった悪魔、悪魔っつうより悪霊だな。』『悪霊?』『名前はない。だが100年前、世間じゃあ切り裂きジャックって呼ばれていた奴だ。』『こいつが切り裂きジャックか!』『なんです?それ?』『1888年のイギリスで起こった殺人の犯人で未だ逮捕されてない奴だ、まぁ逮捕できない理由はわかったけどな、今。』『ウルォォォォォ!』ジャックは吠えると三人に向かって走って来た。『これを持ってて正解だったな。』『真介早く!』『あいよッ!』真介は懐から札を出すと床に投げ付けた。『転移!』真介はそう言うと札を殴る。すると札が光り出し三人とジャックは消えた。その二、三秒後病院の屋上に現れた。『???』『なんですか!?今の!?』『説明は後で、来るぞ!』響介は銃を構えると躊躇無しでジャックに撃った。 「ドォン ドォン ドォン 」しかし霧の体を持つジャックにはきくこと無くジャックの体を通り過ぎた。『クソっ!』『ならこれはどおだ!』真介は血の刀を造り出し突っ込んで行った。『ウオオオオン!!』
「ガキィン!」ジャックは左手を大鎌状にして真介の血の刀を防いだ。『野郎!』鍔ぜり合いから真介は蹴りを入れたが霧の身体にはきく事はない。『クソったれッ!』真介は後ろにジャンプして距離をとった。『どうやったら倒せるんだ!?』『だからお前達は駄目なんだよ。』『!!!』響介達の後ろにはエンジェル・リッパーがいた。『奴は霧の身体をしてるんだ、霧は元は水だ。だから・・・』『そうか!凍らせばいいんだ!』『何!?』『ほう、どうやらお前達よりそのお嬢ちゃんのほうが頭がいいみたいだな。』『凍らすってどうやって!?』『俺にそんな能力ないぞ。』『あたしがやります。』『え!』『あたしがやります!』優子はそう叫ぶと胸のロザリオをむしり取った。髪が紅色になり眼が朱く染まり吸血鬼として覚醒した。『まだ産まれてない命を捕るなんて許さない!絶対に許さない!!!』『ウリィアアアアア!』ジャックは突進してきたが優子は動じる事無く銃を構えた。
「シュウ〜」銃口に優子の力のような物が集まりだした。
「ドゴゥンッ!!!」優子の放った銃弾がジャックに当たると霧の身体が凍りだし、ジャックは凍った。『凍てついて消えろ。』
「パリーン」ジャックは砕けて消滅した。それと同時に優子はロザリオを付けて元に戻った。『ふぅー』『すげぇな、お前。』『どうも、・・・疲れた。』