「に、人間界の馬サイズっすね」
前回のユウナ視点です。そのため短いです。
ちょっと、過激ですし飛ばしてもなんら問題はありません。(グロではない)
~~ユウナ視点~~
先輩と連絡中。
先輩は必死そうに、イレギュラーの存在を伝え、私達に逃げろと言う。
どうしたのかと思いながら、向こうの建物の屋上にいる先輩をチラリと見ると、その後に黒い何かがいた。
「先輩! 後ろです!!」
今のが先輩に届いたのかはわからない。でも、先輩のいた建物はその黒い奴の一撃で瓦礫となった。
──うそでしょ?
口の中が一瞬で乾き、喉が詰まるような感覚を覚え。目からは涙が零れた。
泣き喚くでもなく、ただ涙が頬を伝い落ち。ただ呆然とした。
「ユウナさん。大丈夫です。クレイさんは生きてます」
どのくらい、時間が経ったのか体感は無かったが、双眼鏡を覗いていたクレアその言葉になんとも言えぬ安心感を味わった。そして、告げる。
「先輩は、あの黒いのを相手するはずっす。私は他のパワードスーツども蹴散らします。クレアはここに残って」
明らかに、冷静さを失った無謀な話だが自然と出来ると思った。賢いクレアもなんとも言わない。
T字路の通りを走る。途中で、先輩のいたところを通ったけど、振り返らず走った。その先には、白いパワードスーツを来た敵が10名。こちらを見つけると、重火器の銃口をこちらへ向けた。
明らかに、人を殺すには強力すぎる弾丸が、高速で撃ち出される。嵐のような音と、激しいフラッシュ。
その中で私は何故か生きていた。
その全ての弾は、私を傷つけることなく私の体を通過していく。着ていた軍服は破れるが、体は無傷だった。
「・・・・任意の無機物を透過させられる」
何となくではあったが、出来るとなぜかわかった。これが、後天的な特殊能力だということも。
位置的に先輩への流れ弾の心配はないし、クレアには軍が作った建物の地下の通路に潜むよう言っておいたし大丈夫だろう。
「服には効くっすけど、私自身にはあんた達の銃弾は効かないっすよ? まあ、私をこれ以上脱がせたいってなら、ストリップショーの料金は命より高いと思って下さい」
と、かっこよく言ってみたが。
「いいぞ! 脱がせッ!!」
その言葉にため息をついた。再び乱射が始まる。
──男って単純っすね・・・・。
弾を全て受けながら、ゆっくりと彼らに近づく。彼らは依然として撃ち続けた。服は千切れもう殆ど全裸だ。
だが、数分後の死体に対して羞恥の念は無かった。
1人の目の前に立ち、手に持った二丁の拳銃の銃口を向ける。そいつは、魔弾程度に貫けるわけがないとたかをくくって、避けようともしなかった。が、
──ダダンッ!!
乾いた音と共に1人が後ろに倒れる。そして、そのまま動かなくなった。
原理は簡単。この特殊能力は無機物と自分の魔力の通ったものを触れなくさせる。だから、魔力の通っていない服は破けたが、魔銃であるハンドガンは弾を透過したのだ。
そして、撃ち出した魔弾も自分の魔力を圧縮したもの。つまり、敵の装甲を無視できるわけだ。
要するに、私の前では奴らの装甲は無いに等しかった。
「安心してください。全員殺しますから・・・・」
***
逃げ惑う敵を全員仕留めた。そのうち1人からコートを拝借し、裸を隠す。
遠目でわかりにくいが、先輩の方は決着がついたようだ。
急いで向かうと、そこには恐ろしい光景が広がっていた。
見知らぬ巨乳な金髪少女に、ベルトを外されズボンを引っ張られながら逃げようとする先輩。
身長差から俗に言う『おねショタ』にも見える。
明らかに先輩は悪くは無いのだが、むしゃくしゃしてズボンを死守しながら這い蹲う先輩のズボンを脱がしてやった。パンツごと・・・・。
そこには、恐ろしいほど大きな逸物が・・・・。
「に、人間界の馬サイズっすね・・・・」
絵や何やらで想像していた物より、巨大なそれを見てタダタダ唖然としてしまった。