17掘 : 帝国解放
やっぱ書くより読むほうが好きですから、
万能鑑定士シリーズにハマっちゃって。
電子書籍は気軽に買えて怖すぎます。
まなかは、目の前の山頂に止まっている大きな鳥をみていた。
おいしそうであった。いっぱいのお肉であった。
気がついたら、この世界にいた。自分が異世界から召喚された勇者
告げられた。しかし、元の世界の記憶は、霞がかかったように
はっきりしない。自分が、二村まなか だということは憶えている。
家族がいたことも、女子高に通っていたことも覚えている。
ただ、家族の顔も名前も、構成すらも思い出せない。
学校についても同じだった。
高校の名前も友達の顔も名前も覚えていない。
まなかは気にもしていないが、覚えていないことに対して疑問も恐怖
も悲しみも感じていないことのほうが本当は恐ろしいことではあった
のだが。
まなかは、この世界で目覚めた時から、とてもお腹が空いていた。
王宮での3度の食事に、午前午後のおやつに夜食。
それでも足りない分は、街に出て、食べ物の臭いがするところに
いっては貪り食べた。
その度に食事の邪魔をするものがいたが、勇者の力なのだろう、
払いのければ紙屑のように吹き飛んだものだ。
ある日、遠くに連れて行かれることになった。
美味しいものがある街から離れたくなかったが、もっと美味しいもの
を食べさせてくれるという。
そして、今、まわりが騒がしいようだが、目の前には鳥肉があった。
これが美味しい物なのだろう。
お腹いっぱい食べたい。
食べたい。
食べたい。
シバ漬け食べたい。
水の勇者と大地の勇者の2人だけが、ふもとの海岸に立っているの
が見える。早々に撤退したいところだが、2人のコアの位置は確認
しておきたい。再生されようが粉々に吹き飛ばせばコアは露出する。
水の勇者 二村 まなか の容姿は美しいという人が大半だろう。
長くつややかな黒髪、
モデルのような高身長に細い手足、
白磁のように白い肌に小麦色の日焼け跡、
きりっとした眉毛にすらっとした........
もう、めんどくさい!撃っちゃえ。
どごーーーーーん!
俺の好みは、チビ・ぽちゃ・ショートヘアだ!
大地の勇者 三上 終後 の正体は不明。
今もごつい全身鎧をきてやがるから容姿もわからない。
よし、今なら、鎧だけでもぶっ壊せる。倒せなくとも、正体とコア
の位置ぐらいの情報は掴める!はい、もう一丁!どっごーーーーん!
2人の勇者は、下半身を残して、たやすく粉々にふっとんだ。
再生さえしなきゃ簡単に倒せるんだよな。
二村のコアの位置は、胃かと思ったら肝臓だった。
服まで再生してるんだけど、裸でこられるよりは戦いやすいから
気にしないでおこう。
三上をみると、鎧は再生される様子はなかったが、
観察していると、コアを中心に頭蓋骨が形成されていく。弱点頭ね。
しかし、随分小柄だなあ、15歳の男と聞いていたんだが子供か?
いや幼児ぐらいしかないぞ?よ
くみると黒いのは、制服でなく体毛で、正体がチンパンジーでした。
どしたの三上さんちの終後ちゃん、お
サルさんに転生しちゃってるよ!しゅうちゃんかわいそー過ぎる。
ガハハハハ!
そこで、最近みたニュースを思い出した。
大阪、三上 博さんのペットのチンパンジー、しゅーちゃん!
穴に埋まって死んだしゅーちゃんってコイツのことか?
チンパンジーって結構、凶暴で強いって聞いたけど勝てるだろうか?
2対1。さて逃げようかと考えていると、二村が、山の急斜面を
凄い勢いで駆け上ってくる。生える木々を薙ぎとばし、
いたるところ出っ張っている岩を素手で砕きながらだ?
水の勇者という割には、魔法は使わないわ、武器は持ってないわ、
まるで、野生のマウンテンゴリラみたいだ?
こっちは、中身がゴリラに転生したんじゃね、叫んでるし。
「アイムチキン!」おっとマウンテンゴリラさんに失礼なことを
言ってしまったようだ。彼らは森の紳士、お利口さんだ。
こんなバカは人間で間違いない。
それよりも女神インコは食べるつもりのようだ。おーけー。
女神様はどうせ死なんし、どうでもいいが、うちのオカメインコを
食おうとはいい度胸だ。その言葉は、お前のかーちゃんでべそより
重い!まとめて光にしてくれようぞ!
もう一匹のチンパンジはどこだ?見ると大地の勇者は、
穴を掘って飛び込んだ。どうもヤツの欲望は穴を掘ること、
そして生存本能が優先して逃げに入っているようだ。
穴掘りが好きなのは、俺としては尊敬するところだが、
魔法で掘るところは許せない。物理でほれ!物理で!
目の前には、二村が迫ってきていた。
女神インコはそうそうに空へと逃がしている。
うちの子は、なんでも口にして困ってるんだ。
最近は、家の中に入ってきた蟻とか啄んで困ってるんだ。
長い黒髪で、黒っぽい制服着てるお前を
蟻と勘違いして食ったら困るだろうが!
頂上での接敵間近で、もう一度ライフルで上半身を吹き飛ばす。
「痛いなー、女の子になにすんの!」とかいうかと思えば
「アイムチキン!」しか言わない。ライフルは時間稼ぎ、上半身が
再生する間に一発昇天君を装備し直す。
左で構えて超アッパースイングで、下から右脇下の肝臓を狙う。
二村は山頂から、山の中腹まで大きく吹っ飛んだが、
消滅するどころか、ピンピンしてやがる。
女神様の武器でも直接コアに接触させないと破壊できないみたいだ。
俺単独だと、動き回る敵相手にはキツい仕様だ。
ゲームにもよくある攻撃属性がよろしくないようだ。
打撃がだめなら、斬撃か刺突ってとこかね。
右腕に天誅丸をミスリルバンカーに進化させてセット。
踵には、新装備ジェットローラーダッシュを装備済である。
キョウスケ先生みていてください。
分の悪いこともない賭けは、嫌いじゃないですよね普通!
二村はこっちの狙いが分かるのか、
さっきと一転して近づいてなくなった。
近づこうとすると変な呪文の魔法で攻撃してくる。
「ウォーターボーイズ!」(誤り:正解はウォーターボール)
「口から水鉄砲!」(誤り:正解は水鉄砲、それはただのゲロ)
「オーロラエクスキュージョン!」(いいのかそれ?)
エセ魔法のせいで、あと一歩が踏込きれない。
このままずるずる戦闘がのいると、近くの地中に隠れている
チンパンジーに逆襲されかねない。
探査すると、この山の真下にいやがる。
すかさず買っておいたモスのテリヤキチキンバーガーを射出。
当然、地球の味が恋しい食いしん坊は食いついてくる。
飛び込んでくる二村に向けて、出力全開で突っ込む。
「気迫!奇襲!幸運!努力!」
高速で撃ち出されるバンカーでのレバーブローは、
二村の腹部を貫き、そのまま、コアを捉える!
「これが俺のジョーカーだ!」
攻撃手段のひとつに過ぎないが、調子こいて叫んでいた。
哀れな人形は、悲鳴を上げることもなく光となって消えた。
以外になんとかなるもんだ。勇者の不死性に頼りっきりで馬鹿な
ところが幸いした。
その瞬間、足元が大崩落した。しまった、猿にやられた。
気づいたときは、深い穴の底だった。穴の上から、笑い声がする。
「異世界とはいえ、所詮は、愚かな人間よ。この天才たる俺様の頭脳
をもってすれば、敵ではないわ」
「おい猿なんで、しゃべれんだお前?」
「勇者様といえ、この下郎!」
「勇猿様?」
なんか怒ってるが、人間の勇者より利巧な気がする。喋ってるし。
もともとの頭の容量が少ないから、召喚でも削られなかったのか?
話せるのは、よくある召喚時の勇者特典なんだろう。
「勇猿様!お前、穴に埋まって死んだのに穴が怖くないのかよ?」
「我は、もとの世界で我を捕える人間を穴に落して倒そうとしたほど
の切れ者よ。普通の猿と同じにするでないわ!」
飼い主を殺そうとは腐った猿だな。バカ過ぎて何で死んだかも
覚えてないようだ。桃太郎の国岡山なのに、サルかに合戦の猿みたい
なクソ猿だ。お仕置き決定だな。こうして会話で気を引いてる間にも
鉄ゴーレム君たちが、猿のいる横壁の下をくり抜いている最中だ、
そろそろ崩れるころだろう。
「勇者様、お詫びの印に、大きいお団子をあげましょう」
「キキイ、そんなもので許しはせんが、もらってやろう、どこだ?」
その時、壁が崩れて猿が落ちてきた。
「目の前にあるだろう?ただし、団子がなくて櫛しかないがな?」
ミスリルバンカーが落ちてくる猿の口から入って脳天まで貫いた。
光と消える猿を見ながら、「うまかったか?」と聞いてみた。
大金星、あぶなかったが、勇者2人を仕留めた。
今回、召喚された3人の勇者は退けたが、厨二病のクソ神たちは
まだ健在だ。次の勇者を召喚されては、かなわない。
「女神様、まだいますかーー!」
「はいはーーーーい!」
お気楽に戻ってきやがった。
「次の勇者召喚までどのくらいの余裕がありますか?」
「こんなものでも世界の壁を超えて呼んでますから、
数十年は先ですかねー」
数十年とは安心だが、どうせならお返しをしておいてやろう。
「女神様、ちょっと帝都まで飛んでもらえます?」
「いいですけど、何するんですか?」
「いやちょっと洗脳しにね?」
「帝都の人族の皆さん!初めまして、私はこの世界を造った
女神でーーす。本物ですよーー!実在するんですよーーー!」
女神様のご光臨とその御威光で、この帝都の人族のニセ神の呪縛
から解き放つ。
「私はあなたたちの信じる人族の神より偉いんですよーー!
だから、いうこと聞いてくださいーー!
あのですねーー、獣人族ともエルフ族ともドワーフ族とも
仲良くしてくださーーい!」
人族の神の正体とか、勇者の正体とかは、今は告げないでおく。
まずは、人族の神を否定することを避け、創造神であることだけ
告げる。いきなりばらすと、聖国やその勇者、最後にはニセ神が
暴れ出しかねない。洗脳も洗脳解除もじわりとやってくものだ。
「女神様、しばらく、朝昼夕と毎日自己PRしといてもらえます?
そのうち人族が馴染んだようなら、この都にエルフとドワーフの
同盟軍を呼びましょう。あと獣人族も呼び戻しましょう。
あー、住むところは、俺がとなりの滋賀に造りますんで。
琵琶湖もあるんで、周囲一帯開墾しちゃいますよ」
不思議時空の2つの人影。白づくめの少年と黒づくめの少女。
「勇者やられちゃったね」
「やつらは、勇者の中でも小者。仕方ないさ」
「手を引いちゃう?もともと魔族は敵対存在として造られてる
から、手を出さなきゃ、ほっといてくれるよ?」
「せっかく、あのおもしろそうな異世界人を連れてきてくれたんだ、
遊んでもらわなきゃもったいないよ」
「どうするつもりなの?」
「しばらく魔族との戦争はお休みするよ。聖国の勇者を彼ように
再調整するから。この勇者は、やられた奴らと違って、千年前に
1体だけで召喚したから、劣化型じゃない。おまけに千年間、この
世界で輪廻転生させてなじませているから熟成できてて、頭も
悪くない。地球から来た時にあった弱点も消えてるし、
魔族と戦わせている限り、普通の勇者様さ」
「また、攻めこませるのかな?」
「今度は、聖国に女神様をご招待するよ。正式にね」
関西 帝国領 編 短いけど完
物語の整合性とか読みやすさとか考えすぎると
書けなくなってきますね。プロの文章の中にも
出鱈目な表現が混ざっててちょっと安心しました!




