14掘 : こんにちわ勇者さん
パソコン壊れている間につくっていたDスタイルのスコープドッグに
うちのオカメインコの尾羽を装備させるとマジにモンハンぽっくって
いい感じです。
異世界から帰ってきて1週間、夏休みなので暇である。
こちらでの掘り掘りは、何か物足りないので重症である。
せっかくの夏休みということで、兄が赴任中の南米ペルーに
行かせてもらえることになった俺は、パスポートなどの
準備以外は、土建のバイトも入れられないので余計に暇である。
ナスカの地上絵とかマチュピチュとかウユニ塩湖に行ってみたい。
今の異世界の状況を考えると、暇であることを理由に異世界に
遊びに行くのはどうかというのもあったが、あれから一度も
行ってない。実際には、異世界が移動ができない。
四国にも九州にもいけない。
女神様が入れないようにしてるっぽい。
当の女神様は、あれだけ散々遊びにきてたのに、
最近御無沙汰である。念じて呼びかけても返事もない。
一応、約束は果たした後は、部外者ですし、危うい状態でも
あるので、俺の身の心配をしてくれているのだろう。
俺としては、追加勇者たちの生前の情報と、あちらでの行いを
聞いてしまっているので気なっているのが現状です。
一日数回は、精神統一して、異世界への移動を試みている。
今もその精神統一中だ。最初も同じようになんかしたっけ。
「気迫!奇襲!幸運!努力!」
パァァーーーーリィィィーーーーーン!
やった痴女神様め!俺のことを心配してくれるのは、
とてもうれしいが、温すぎる。
四国・九州が駄目なら本州へと奇襲だ。
案の定、異世界移動に成功した。
俺は、銀山でお世話になった石見に侵入成功した。
時間軸は、俺が去ってから1ヶ月後。勇者が動き出す頃だ。
すぐに広域検索で周囲の魔物を確認。問題なし。
勇者たちの所在を確認。帝都に3人ともまだいる。
アネットたちの所在を確認。松山に全員揃っているようだ。
俺は、いたずら心もあり、気付かれていないならと、
バイクを出して、京都に向かった。
途中、ゴブリン、オーク、コボルト、トロールと雑魚には
そこそこ遭遇したが、これぐらいなら、もう一人でも楽勝です。
「俺の名前を言ってみろー!」
とばかり、バイクに乗ったまま、走り抜け様に、
ミスリルバット一発昇天君で頭を粉砕です。
順調に移動して京都の帝都前には、お昼前に到着しました。
無事、京の街に潜入後、宿を取ったあとは、街を探索しつつ、
広域探査で勇者たちの動向を観察することにした。
お昼をどこで食べようかと街中をぶらついていると
潜入早々、一人目の勇者に遭遇できた。
一之瀬 始。顔は細身だが普通。
体格も小柄だが普通の高校生である。
いや、普通じゃなかった。その表情が異常だ。
濃紺のブレザーも、ここでは目立っているのだが、
若い女性を見る目が、人前でしていいようなものではないよ。
まるで、エロ同人誌専門店で、どれを買おうか考えてる高校生に
しか見えない。
ヤツにとっては、この街そのものが、そういう場所なのだろう。
街の人々もヤツが勇者で、どういう男かはわかっているのか、
目を合わせようとしない。若い女性に至っては、そそくさと
逃げていく。
それでも逃げ遅れる獲物はでるものだ。
おしゃれな衣服店から、若い男女が今、出てきた。
兄と妹。兄が妹に何か買ってやったところみたいだ。
一之瀬には、まったく気が付いていない。
一之瀬の手が、少女の背後から伸びる。
少女は未だ、隣の素っ気なく前を見ているクールな兄の顔を覗き
込んでいる。
すると、兄の方が、一之瀬の異様な気配に気付き、
妹ちゃんを抱きかかえて身を躱した。
このお兄ちゃんできる?
剣術Lv7
この世界来て、戦闘はたいしてしてないし、
工事と製造ばっかしてたからスキル覗くの久々だわ。
Lv7って確か達人級?よくある設定だとAクラス探索者ってとこ。
一之瀬のスキルはというと、
勇者 風魔法Lv9
すごい地味。でも勇者ってのも複合スキルみたいであやしいし、
風魔法Lv9も超人級でSクラスで十分チート。
そりゃ勇者だけで都市が滅ぼせるわい。
地元勇者レベルのお兄さんは、一之瀬の異様さに気づき無意識に
剣を抜く。お、ミスリル製の剣だ。兄ちゃん頑張って。
割と本気で応援してます。その腕とその剣で勝てないなら、
やはり俺に出番はない。
相変わらず、にやけきった蕩けそうな笑顔のままの一之瀬は、
まるで兄ちゃんなど見えないかのように妹ちゃんの胸を触ろうと
不用心に手を伸ばすが、兄ちゃんは遠慮なしに伸ばされた一之瀬の
左腕を切断した。すげえ、予告なしかよ。
勝負あり、勇者よえー。
しかし、一之瀬の様子が変だ。兄ちゃんも気を緩めていない。
「いきなりだよねー。痛いじゃないか」
言ってる割に全く痛くなさそうだ。血も出ていない。
それどころか、斬り落とされた左腕が光の粒子に変わって
傷口に集まっていき、左腕が再生していく。
「勇者になんでことするんだよ。これ死罪じゃね?」
ああ、勇者のチート能力の高速自己再生ってとこか。
首でも落とせば死ぬんだろうか?
一之瀬は、兄ちゃんを殺そうと風魔法ウィンドカッターを放つ。
やはり無詠唱、またチートだ。
一之瀬は、連続でウィンドカッターを放ち続けるが、
兄ちゃんは、躱すわ、切り捨てるわで、兄ちゃんもチートくさい。
「ただの人のくせに生意気だね。勇者の本気を見せてあげるよ」
と一之瀬は、大技を出すのか動きを止めてタメに入る。
単独でこの間合いで何考えているんだろう。
当然、懐に飛び込んだ兄ちゃんに頭のてっぺんから股間までを
真っ二つに斬り裂かれたか思いきや、一之瀬の下腹部でミスリルの
剣が高い音をあげて折れた。ガリバーティンポか?
いや、なんか光り輝く玉が見える。あれか?
とは言え、分断されていないが、ほぼ真っ二つ。
死んだかと思って眺めていると一之瀬の身体が光り、
また、再生していく。
死なねえ、こいつ、死なねえよ!
こんなの勇者じゃなくてラスボスだよ!
おまけにあんな状態でも、まだ力を溜めている。
兄ちゃんは、妹ちゃんの手を強引に引いて逃げだした。
しかも、こっちに向かって!らめー!こっちきちゃらめー!
とは口にはでないが叫びたい。
「クロストルネード!」
一之瀬が叫ぶと、デカい竜巻になって突っ込んできた。
逃げるタイミングをしくった。
死にたくねえ!魔力全開で身に纏い、縮こまって、
目を塞いで、歯を食いしばった。
数秒間、竜巻を圧し留めた後、
見事に引っこ抜かれて天高く巻き上げられたらしい。
気がついたときは、一緒にぶっ飛んだ建物の瓦礫のしたで、
周囲は騒がしく、帝国兵士が集まっている。
一之瀬は、どこかへ消えたみたいだ。
俺の方は、捕まる可能性もあるので、すぐさま、
地球に逃げ帰ったのはいうまでもない。
「なに女神の封印、簡単に破ってんですか!」
帰ってくる早々、目の前に女神様がいた。
「命の危険あるから、二度とあの世界に入れないようにしたのに。
おまけに帝都に行くなんて死にたいんですか?」
私のために、このようなことで泣いて怒って戴いてありがとう
ございます。反省しております。お許しください。
を心より表す飛び込み前転土下座にて頭を擦り付けてました。
女神様が落ち着くのを待って、
事情の説明をさせていただきました。
そして、ここがポイント。
「あれ勇者じゃないよね!最近の異世界ファンタジーは
戦闘チート過多だけど、あれはないよね!
もうラスボスじゃね?人の形いらないよね!」
「あれでも弱い方なんですよ。
聖国の勇者はざっとあの3倍強いですよ?」
「何それ!赤いの?仮面被ってるの?角はえてるの?」
「まあ、仮面は代々被ってますけど。
本来、勇者一人分の力を3分割して与えられてるんですよ、
今回の3人の勇者は。」
「いや、力の大小というより、特性というか属性というか
ゲームジャンルがおかしい」
「神の加護っていうやつです。
そもそも躰はおまけで、悪霊本体が宿るコアを破壊しないと
無限再生です。粉々になっても再生しますよ。
分断封印しても無駄です」
「あーそう。そりゃ、勇者たちだけで獣人族滅びるわ。
って、コアって何?」
「勇者が切り裂かれたときに、ミスリルの剣が何かに当たって
折れたでしょ?アレですよ。アレ。」
「アレって、たしかガリバーティンポ?」
殴られた。
「その奥で禍々しく光ってるものがあったでしょう!」
俺は真面目に聞いたんだ。
「女神様。異世界人って タマタマ 3つあんの? みんな?」
また、殴られた。
「ありません。3つ目と思っているそれがコアです」
「なんちゅうとこにあるかなー。色情霊だからか?
でもミスリルの剣折れましたよ?
壊せるんですか、あのタマタマ」
「コアって言えや!
あの世界でコアを壊せるのは、女神の武器だけです」
いけるやん!勇者倒せるやん!
「では、その武器をソネット達に!どこにあるんです?」
「ありませんよ?あの世界で、
私が力を分け与えるわけにはいきませんから」
「その縛りまだ生きてたかー!
散々、女神インコで遊んでたやん!」
「武器はあなたが持っている分だけです」
俺の武器?天誅丸と一発昇天君と羽の大剣のことか?
「全部、俺しか使えへんやん!
クソ!皆を見殺すか、命かけるかか!
やはり異世界崩壊全滅エンド確定ルートやったんやーー!」
女神様は、俺の両手を取り、優しく微笑んでお願いしてくる。
「さあ!あなた、あの勇者程度なら死なないぐらい頑丈に成長した
みたいですし、さっくっと救世の英雄になってきましょうか?
勝手に戻ってきた罰です」
俺は、再び異世界に送り出された。ですよねーーー!




