幾星霜
うだーっと書きました(=´∀`)
稚拙だけど、よろです(o^-^)
―――爽やかな春の日だった。とても心地好い風が吹いていた。
放課後の屋上で、あの子の綺麗な黒髪が風に揺れて。
私が握った手を引き剥がすようにほどいて、あの子は屋上の端まで行く。
ちょっと力を込めて背中を押せば落ちてしまいそう。
ほどかれた私の手は、力無く、ぽとり、と地面に不時着した。
『……待っ、て!』
とても震えていて、弱々しい声で私は叫ぶ。
お願いだから、待って。やめて。
あの子が少し振り向く。
白い頬に、つう、と一筋涙が伝った。
ごめんね。
そう言ってあの子は宙にむかって一歩歩いた。
もちろん歩けるはずもなくて。
重心が前に行って、
つま先が地と別れ、
ついには踵が。
体が宙に投げ出されて。
そうして、
あの子は五階建ての校舎の高さぶん、
落ちていった。
下から誰かの悲鳴が聞こえた―――