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職場である研究室に着いたダリアに



「遅かったわね、ダリア。」



そう声を掛けてきたのは

職場の先輩であるミラだ。


ダリアより3つ年上の優秀な薬剤師で

新人のダリアの教育係でもある。


「酔っぱらいを道案内してきました。」

「え?酔っぱらい?」


森に行ったはずなのに酔っぱらい?と

ミラが不思議そうにダリアを見る。


「いつもの木のとこで、酔っぱらいが寝てたんです。

 もし行き倒れだったらと思って声をかけたら、

 ただの酔っぱらいでした。」

「なに、それ。」


ミラは笑っているが、

ダリアからしたらいい迷惑だ。

自分のお気に入りの場所なのに………

あんな酔っぱらいに知られてしまうなんて。


「さて!

 明日は祝賀会に呼ばれてるし

 ちゃっちゃと残りを終わらせましょうか!」

「………祝賀会。」

「そうよ、忘れてたわけじゃないでしょ?


 王弟殿下がお帰りになられた祝賀会よ。」



この国を治める国王には、

幼い頃から留学に出ている王弟がいる。


その王弟がこのたびめでたく帰国し、

これからは王を支えるために王城に住まわれるらしい。


「私たちには関係なくないですか?」

「何言ってるの!

 わたしたちの作る薬は王城にも届けられるのよ?

 君たちの薬のおかげで我々も助かってるって、

 国王様も言ってくれたじゃない。」

「………それはそうですけど。」

「それに!

 帰国される王弟殿下は、

 とびっきりのイケメンらしいわ!」

「………そっちが目的じゃないですか。」


だって見てみたいでしょー?とミラは言うが

ダリアは特に興味はない。

今はそれよりも、早く一人前の薬剤師になりたい。

恋愛や結婚にまったく興味がないわけじゃないが、

夢だった薬剤師にやっとなれたのだ。

友人やミラのように、イケメンとやらを見るよりも

薬草を見ていた方がよっぽど幸せだ。


「よしっ!

 明日のためにも頑張るわよ〜!」


そう言って張りきるミラを横目で見つつ、

祝賀会とかめんどくさい‥…そう思ったダリアだった。







 


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