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朝食を終え、

ダリアは王城の中を探索していた。


もちろん少し離れたところから衛兵がついてきているし、

まったくの1人というわけではないが。


リージュも王弟としての務めがあるし、

昨日一日ずっと一緒にいたのだから十分だろう。



「…………温室?」



長い回廊を歩いていた時だった。

ふと目線の先に見つけた温室のようなものに、

ダリアは目を輝かせた。


「あ、あの!」


少し後ろに控えていた衛兵に

あの温室は入っても大丈夫なのかと尋ねる。


「あの温室は

 確か薬剤師たちが管理しているものですから

 資格をお持ちのダリア様なら

 入られても大丈夫だと思います。」

「ほんとですか!」


ダリアは嬉しさのあまり駆け足で温室に向かう。

まさかお城の中でも

薬草を見ることができるかもしれないなんて!


温室の前まで来ると、入り口が少し開いており

中に人影が見えたような気がした。


「すみませーん………。」


中に入り声をかけると、

そこにいた女性がくるっと振り返る。


「…………どなたですか?」

「突然すみません!

 ここで薬草を管理していると聞いて………。」

「ですから、どなたですか?」

「!

 あ、ダリア・ファティールと申します。」


メガネをかけたロングヘアーの女性は

ダリアをキッと睨む。


「聞いたことのない名前だけど、

 なんであなたのような"一般人"がここにいるの?

 ここがどこだかわかってるの?」

「…………お城ですけど。」

「そうじゃなくて……!

 ………まさか、あなたも王弟殿下目当て?」

「へっ?」

「あの方は、

 あなたのような一般人が

 軽々とお会いできる方じゃないの!

 ハイエナのように群がって………

 リージュ様のご迷惑を考えなさいよ!!」

「……………………。」


なんだ?この人。

いきなり突っかかった言い方をしてきて

リージュ様のハイエナ?わたしが?


「あの、なにか勘違い…………。」

「出て行ってもらえる?!

 あなたのような人にここに入ってほしくないの!

 なんならこの城からも出て行ってちょうだい!!」


「………………わかり、ました。」



そう言ってダリアは向きを変え

また来た道をもどることにした。


温室の外で待機していた衛兵に

「どうされました?」と聞かれたが、

「…………いえ、なにも。」と答える。

ダリアが何を言われていたのかは

衛兵には聞こえていなかったらしい。



お望みどおり、出ていってさしあげますよ!

せっかく薬草が見れると思ったのに、気分悪い!



見ず知らずの女性に理不尽な物言いをされ、

しかもリージュのハイエナ呼ばわりされた。

あの人、どれだけ女性関係こじらせてんの?

とばっちりもいいとこじゃんか!!



と、

リージュへの不信感が深まってしまったダリアは

そのあと、リージュに何も言わずに城を出た。



………ダリアの、小さな反抗だった。











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