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結局ダリアは

その酔っぱらいの青年と帰ることになった。


森を出る途中に生えていた二日酔いに効く薬草を、

その青年に渡す。


「匂いを嗅ぐだけでも和らぐはずですから。」


そう言って手渡すと、青年は素直に受け取った。


「………薬草に詳しくて取りに来るってことは

 薬剤師かなにかなの?」

「…………ただの趣味です。」


………嘘ですけど。


ダリアはつい最近、

薬剤師としてデビューしたばかりの新人だ。

幼い頃から薬草の勉強や採取はしていたが、

このたびめでたく試験に合格し、働き始めたばかりだった。


「………それも嘘?」


青年の問いかけを無視した。

そこまで教える義理はない、森を出たらサヨナラだ。


(絶対このヒト、関わらない方がいい人種だ。)


目を開けた青年を見たとき、ダリアは直感した。

…………青年は、整った顔をしているのだ。


こういう男性が酔っぱらっていたということは、

女性がらみの問題も抱えているかもしれない。


ダリアはなぜか"そういうこと"に巻き込まれやすい。

自分の知らないところで

知らぬ間に自分が、同性の敵認定されている。


………勝手に色恋沙汰にわたしを巻き込まないでほしい。

何度そう思ったことか。


「………ねぇ、キミ……。」


青年がなにか聞こうとしたとき、

ちょうど2人は森の入り口まで戻ってきていた。


「このまままっすぐ進めば、町に戻れます。

 ……飲みすぎ、気をつけた方がいいですよ。」


そう言って、ダリアは道を左に進み始める。

取った薬草を職場に持っていくためだ。



「………………………。」


その後ろ姿を、青年はじっと見つめていた。




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