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「ダリア〜〜〜〜!!」



そう大声で叫んで

ダリアを抱きしめた大男は、



「お父様!!」



ダリアの父、グレンだ。



妻からの手紙を受け取り

息子からの手紙も一緒に受け取り

娘の一大事を知った父は、

出張先の遠方から急いで帰って来た。


グレンは180㎝を超える身長と

薬草採取のために鍛えた肉体のため、

かなりガッチリした大男に見える。

幼いころはよく父の腕にぶらさかって、

薬草採取に一緒に連れていってもらった。  


「ってか、どういうこと?

 なんでダリアが王弟の婚約者に?」

「………命と引き換えです。」

「はぁ?」

「ダリアもよくわからないんですって!

 だからあなたが戻ったら、 

 登城して話を聞いてみようかと思ってたの。」


ちなみに母リリアンヌも

女性の中では背が高い方なのだが、

大男の父の隣に並ぶと小柄に見えてしまう。


その母が

『あなたも城に呼ばれているから

 ダリアと一緒に行って来て!』と、父に頼んでいる。



「まぁそのために戻って来たから城には行くけど 

 …………婚約って、

 そんなすごい嫌そうな顔して受けるものだっけ?」


ダリアの顔を見て

父は不思議そうに聞いてきた。

ここまでふてくされた顔をしたダリアも

久しぶりに見たなぁ……としみじみ思っていると


「…………父さん、ちょっと。」


そう言って、ジェイドに呼ばれる。


「………手紙にも書いたけど、

 王家の『先祖返り』のこと。」

「!」



グレンも短い期間とはいえ、

ファティール家の当主を務めていた者だ。


その間に何度も城に登城し、

当主として、薬剤師として、王家に助言してきた。

現在もそれは変わっていない。


だから、たびたび訪れる王城で

『先祖返り』の話を耳にしたのだ。


別にそのことを、王家は隠しているわけではない。

ただ、

その者がいつ生まれてくるのか、

なにかきっかけがあって生まれてくるのか、

ハッキリとはわからないようだった。


次は百年後か、はたまた三百年後なのか、

いつ現れるのかわからないらしい。


そして現代、

リージュ王弟殿下がその『先祖返り』なのだ。

いったい何十年、何百年ぶりの『先祖返り』なのか。



「『先祖返り』は

 必ず何かに"執着"をみせる。

 

 誰の目にも触れさせず、

 自分のそばにおいて囲い、

 自分だけの『モノ』として………。」

「え、怖っ!!

 ジェイド、ホラーの見過ぎじゃない?」


そう言って怖がってみせる父に、

息子は冷ややかな目を向けながら


「………そう言われてるんだよ。

 もしリージュ殿下の"執着"がダリアなら

 ここまで固執するのも納得がいく。」

『先祖返り』ねぇ…………

 ダリアはそのことを知らないんだろう?」

「たぶんね。

 ………ただまぁ、

 普通じゃないってことは気づいてるみたいだよ。」




娘の、妹の、行く末を心配しながら、

父と兄はダリアに視線を向けたのだった。













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