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あれから陛下と王妃のもとに戻った二人は



一人はゲッソリしており

もう一人は満面の笑みを浮かべていた。



「ど、どうしたんだ?ダリア。」


まさかリージュがなにかしでかしたのか………

顔が青ざめていく国王の耳に


「婚約の話、受け入れてもらったよ。」


と、

満面の笑みで答える弟の声が聞こえた。


「なんだって?!」

「ほんとうですの?!」


今度はそれを聞いた二人が

驚いた顔と喜んだ顔を見せる。


4人で百面相でもしているかのような絵図だ。


「ど、どうやって受け入れてもらったんだ………。」


脅しです、殺すよって脅されたんです。

薬剤師のわたしでも、

さすがに生き返る薬は作れません。


「だから、

 ダリアの家にも伝えたいんだよね。

 お宅のお嬢さんをもらいますーって。」

「それは結婚の挨拶だろう!!

 

 ………ダリア、いいんだな?

 リージュの婚約者になるということは

 この国の王弟の婚約者になるということだ。


 それなりの教育も受けてもらわねばならん、

 ファティールの屋敷ではなく

 王城で学ばねばならぬこともあるのだぞ?」

「……………いやで………。」

「………ダリア?」


隣からすごい圧を感じる。

嫌とは言わせない、

言ったらどうなるかわかってるよね?

ね?ね?

………という声が聞こえてくる気がする。



「!

 あ、あのっ………

 仕事は、続けてもいいでしょうか?

 やっとなれた薬剤師の仕事なんです!

 今辞めるわけには………!」


あ、そうじゃん。

仕事を理由に断ればいいんじゃん!

なんですぐにそれを思いつかなかったの、わたし!


「そ、そうです!

 わたし薬剤師の仕事があるんです!

 ですからやっぱり婚約のお話は………っ。」


なかったことに、と言おうとしてダリアは

隣からさっきよりもさらにすごい圧を感じて

おそるおそる横に立つリージュを見る。


「ひっ。」

「………往生際が悪いね、ダリア。」


い、今すぐにでも殺されそうなんですけど………!


「………いいよ、仕事はまだ続けても。

 ただし、研究所に行く日数は減らしてもらう。

 ………わかった?ダリア。」

「な、なんで………。」


なんでそんなに上から目線なの?

やっぱり王子だから?

生まれながらの高貴な人はみんなこうなの?


「………とにかく

 ファティール家には追って沙汰を出す。

 ダリアはもう帰りなさい。」

「………………はい。」


国王にそう促され、

ダリアはトボトボと部屋を出ようとする。


………どうしよう。

なんでこんなことになったの?

わたし、ついさっきまで平凡な薬剤師だったよね?

それがどうして今は王弟殿下の婚約者になってるの?

なぜ今にも殺されそうな目で見られなきゃいけないの?



………いや待て、まだなってない。

だってなんの契約も交わしてない!

まだ逃げれ………



「あ、契約書は書いてもらうよ。」


心の中よめるの?!この王弟殿下は!!




「…………あれはもう、逃げれませんわね。」

「…………すまない、ダリア。」




国王と王妃の会話は、

放心状態のダリアには聞こえていなかった。







 





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