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なんだか寒気がする。



仕事を終え自宅にもどったダリアは

寒気を感じてぶるっと震えた。


「大丈夫ですか?お嬢様。」


そう声をかけてくれたのは

ファティール家に仕えるメイドのアンリだ。


「大丈夫………ちょっと疲れたのかも。」

「薬剤師になってからダリア様、

 毎日張り切っていらっしゃいますもんね!

 あまり無理をされずにほどほどにですよ。」

「………わかってる。」


疲れたのは仕事が原因ではく

ほかのことで、だと思うが…………


「そういえばダリア様は

 帰国されたリージュ王弟殿下を

 ご覧になったんですよね?」

「え?」

「今メイド仲間の間で話題になってるんです。

 帰国された王弟殿下は、とっても素敵な方だって。」

「へ、へぇ………。」


その素敵な王子様、

酔っぱらって眠りこけてたよ?

よその国のご令嬢をこっぴどくフってたよ?

見た目は素敵かもしれないけど

たぶんあれ、中身はそうじゃないと思うよ?


「どんな女性が

 リージュ様の心を射止めるんでしょうねー?

 王弟殿下は19歳だそうですから、

 そろそろ婚約されてもおかしくないでしょうし。」

「ふーん………。」

「ダリア様は気にならないんですか?

 見目麗しき王弟殿下が

 どんな方を婚約者に選ばれるのか。」

「………逆になんでそんな気になるわけ?」

「だって恋愛小説みたいじゃないですか!

 見目麗しき王子様と

 どこかの国のお姫様が恋に落ち、

 紆余曲折を経てふたりは結ばれる………。」


"きゃっ"と両手で顔を隠したアンリが、照れたように叫ぶ。

………だがすぐに真顔にもどり


「………そんな話を、

 わたしはいつかダリア様とできるのでしょうか?」

「知らないよ!!」


苦笑いをしながら答えたダリアは

みんな王子様が好きなんだなぁと思う。

わたしは王子様より、

薬草に興味がある人の方がいいけどな………


「薬草に興味のある王子様はいないと思います。」

「心の中を読まないでっ!」


そんな押し問答をしながら

ダリアは夕食が準備された食堂へと向かったのだった。






 



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