表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ】双子の妹に殺された姉、二度目の人生は初恋のイケおじ王弟にフルベットします!  作者: 黒猫ている
3章:策謀の王都

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

54/56

53:双子の姉は邂逅する

コミカライズ連載スタート&小説発売という記念日は過ぎましたが、もう少しだけ週2更新を続けてみます。

週1更新に戻ったら、忙しくなったんだなと思ってください。

ディアナとアランがガザード公爵家の別邸に戻ると、門の前に豪華な馬車が停まっていた。

同じガザード家の紋章が刻まれた馬車。

屋敷に入ると、訪問客がにこやかに手を挙げた。


「邪魔しているぞ」

「お父様、来られるのでしたら先触れをいただければ、早く戻りましたのに」


ディアナの父であり、アランにとっては長年の親友である、ガザード公爵ウェズリーがそこに居た。


「なに、途中で立ち寄っただけだ。すぐに帰る」

「どこかにお出かけで?」

「ああ、知り合いを訪ねていてな」


その時、ウェズリーの背後からぴょこんと栗色の巻き毛が顔を覗かせた。

丸眼鏡をかけた小柄な男性が、丸い瞳に好奇の色を浮かべて、ディアナとアランを見つめていた。


「紹介しよう、クローク子爵だ」

「初めまして、フィランダー・クロークと申します」

「初めまして、ディアナ・ガザードです」

「アランだ」


銘々に名乗りを上げた後、ウェズリーが誇らしげに胸を張る。


「彼は優れた魔道具師であり、細工師でもある。ディアナに贈った印章も、彼が(こしら)えた物なんだ」

「まぁ、そうでしたの。あのように素晴らしい意匠、誰がお作りになったのかと思っていたんです」


クールソン伯爵の陰謀を防いだ、印章──その作り手を紹介されて、ディアナが表情を輝かせる。


「フィーラン王国との軍船共同開発という話があっただろう?」


フィーラン王国の特使である海軍提督カーティスとの話し合いで、ガザード家が得た権利だ。

交渉の席に着いたとはいえ、ディアナはいまだ爵位を継いではいない。

現公爵であるウェズリーに、話を通していた。


「有難い話だが、私は門外漢なのでな。物作りに詳しい彼を頼ったという訳だ」

「海洋の列強、沿岸諸国随一の技術力を誇るフィーラン王国の職人から技術を学べるなんて、こんな機会滅多にありませんからね!!」


クローク子爵が鼻息荒くまくし立てる。

ディアナとアランは、思わず顔を見合わせて苦笑した。


「今後、軍船の開発は彼の意見を聞きながら進めようと思う。その旨、伝えておこうと思ってな」

「ありがとうございます」


ディアナが和らいだ笑みを浮かべる。

今は離れて暮らしているが、元々仲の良い父娘だ。

ウェズリーは娘達に甘く、ディアナもまた、父には頭が上がらない。


「こちらで過ごすのも良いが、たまには本邸にも顔を出せよ」

「ええ、勿論です」


素直に頷くディアナの背後で、アランが僅かに視線を逸らした。

アランにとっては、新妻との新婚生活を友人に邪魔されるのは、なんとも気まずいものだ。

それを分かってか、ウェズリーが軽くアランの肩を小突いた。


「じゃあな」

「お二人とも、失礼します!」


軽く片手を挙げて、歩き去るウェズリー。

クローク子爵は軽く頭を下げた後、小走りでその後を追った。


バタン──と、重い扉が閉まる。


「クローク……子爵?」


記憶を辿るように、ディアナが小さく呟く。


「建国当時は公爵家だった家──と、記憶している」

「そう、確か五大貴族の一角と言われた……」


今は没落寸前のクローク子爵家だが──元を正せば建国の名門、クローク公爵家だ。


かつてラトリッジ王国を興した、ラトリッジ王家と五つの公爵家。

その一角であるモンクリーフ家は(つい)えて久しいが、それ以外──ディアナの生家であるガザード公爵家、ケイリーとクライドのエルドレッド公爵家、そしてアランはペニントン公爵家の血を引いている。

さらには、数代前に降爵したクローク子爵家まで──。


(これは、偶然なのかしら……?)


ディアナが、静かに唇を噛みしめる。


「気にするな」


低い声が、耳元で囁かれた。

か細いディアナの肩を、アランの逞しい腕が力強く抱きしめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
以下の小説も、どうぞよろしくお願いします!
(イラストをクリックすると、販売/掲載ページに飛びます)
双子の妹に殺された姉、二度目の人生は初恋のイケおじ王弟にフルベットします! 1 表紙画像
ネトコン13入賞の、小説家になろう連載作品です!
小説版はこちら
どうして私が出来損ないだとお思いで? 表紙画像
小説家になろうに掲載していた短編を、書籍化していただきました!
小説版はこちら
二股王太子との婚約を破棄して、子持ち貴族に嫁ぎました 表紙画像
ピッコマノベルズ連載中。
捨てられた公爵夫人は、護衛騎士になって溺愛される ~最低夫の腹いせに異国の騎士と一夜を共にした結果~ 表紙画像
ピッコマノベルズ掲載。(完結済)
魔族生まれの聖女様!? 表紙画像
ピッコマノベルズ掲載。(完結済)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ