表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ】双子の妹に殺された姉、二度目の人生は初恋のイケおじ王弟にフルベットします!  作者: 黒猫ている
3章:策謀の王都

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/56

48:宰相は驚愕する

エルドレッド公爵家は、詐欺と書類偽装でクールソン伯爵を提訴した。

近く裁判が開かれるとあって、噂は瞬く間に社交界に広がっていった。

それに伴い、フィデス商会とディアナの潔白も証明された。


民衆の態度とは安易なもので、真実が明らかになった途端に『最初からおかしいと思っていた』『話が出来すぎていた!』などと、さも“自分は分かっていた”風を装う人間が現れる。

彼等の掌返しを肌で感じながらも、ディアナは黙して語らず。

やがて開かれる裁判で、証言台に立つその時に備えていた。




一方、提訴された側のクールソン伯爵も、黙っている訳ではない。

彼は王城を訪れ、宰相であるセオドア・サクソン侯爵に面会を申し込んだ。


「どうか、どうか宰相閣下に会わせてください!」


宰相府の門前で、クールソン伯爵が大声を張り上げる。

その髪には白い物が増え、数日で一気に老け込んだかのようであった。


「何度言えば分かるんだ、宰相閣下は多忙につき、お前の相手などしてられん!」

「そこを何とか!!」


守衛にどれだけ振り払われても、その足下に(すが)り付く。

エルドレッド公爵家の一員として権勢を誇った姿は、もはや見る影も無い。


(哀れなものだな……)


執務室の壁に背をもたれさせるようにして、セオドアは窓の下から響く声に目を瞑った。

エルドレッド公爵家を敵に回したクールソン伯爵に、もはや勝機は無い。

それどころか、フィデス商会とディアナ・ガザードにしてやられる始末。

“使えぬ駒は、さっさと始末しろ──”常々、王太子はセオドアにそう言い聞かせてきた。


ズキリと、頭が痛む。

本当に、彼をこのまま放っておいて良いのか?

自分がしていることは、正しいことなのか?

そう理性が警鐘を鳴らす一方で、耳に纏わり付く声は、少しずつ大きくなっていく。


私は、一体──彼が己に問いかけた、その時だった。


「──私は知っているんだ! 宰相閣下の背後には、あの方(・・・)がいらっしゃるということを!!」


窓の下から、クールソン伯爵の声が響く。


「あの方のご助力さえあれば、私はまだまだ返り咲ける! 公爵の座だって──」

「ええい、いい加減にしないか!!」


痺れを切らした守衛が、クールソン伯爵を突き飛ばした。

やがて到着した騎士達が伯爵の両脇を抱えて、引き摺るように連れて行く。

セオドアが最後に見たのは、少しずつ小さくなるクールソン伯爵の姿だった。




翌日──王都を流れる河川の畔で、溺死体となったクールソン伯爵が発見された。

近衛騎士の調べでは、宰相府を出たその足で繁華街の酒場に直行し、浴びるほどの酒を飲んで橋の上で足を滑らせたのだという。


「まさか──」


その報告を聞いたセオドアは青ざめ、すぐさま執務室を飛び出していった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
以下の小説も、どうぞよろしくお願いします!
(イラストをクリックすると、販売/掲載ページに飛びます)
双子の妹に殺された姉、二度目の人生は初恋のイケおじ王弟にフルベットします! 1 表紙画像
ネトコン13入賞の、小説家になろう連載作品です!
小説版はこちら
どうして私が出来損ないだとお思いで? 表紙画像
小説家になろうに掲載していた短編を、書籍化していただきました!
小説版はこちら
二股王太子との婚約を破棄して、子持ち貴族に嫁ぎました 表紙画像
ピッコマノベルズ連載中。
捨てられた公爵夫人は、護衛騎士になって溺愛される ~最低夫の腹いせに異国の騎士と一夜を共にした結果~ 表紙画像
ピッコマノベルズ掲載。(完結済)
魔族生まれの聖女様!? 表紙画像
ピッコマノベルズ掲載。(完結済)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ