透明人間になってしまった!!
まったくなんてことだろう、透明人間になってしまった!!
自分評価では、昨日までは普通の人間だったはずなのだが、朝起きたら透明人間になっていた。何を言っているのか以下略。
いったい何がおかしかったのだろう。それほど変なことをした覚えは全くないのだが。透明っぽい事と言えば、昨日の晩御飯のスキヤキで、糸コンニャクをしっかり煮える前に食べて「ちゃんと煮えるまで待ってたのに!」と妹からワンツーパンチをお見舞いされたことぐらいだ。ちなみに妹は、その年齢にしてはちょっと驚くくらいボンキュッボンでプリンプリンだ。ちょっとだけ色々お試ししてほしい。オネガイシマス。
パン!パパン!
左ジャブからワンツーを貰った。ご褒美いつもありがとうございます。そのゴミダメを見るような眼がとてもそそります。お兄ちゃん、キミがツンデレだってことわかってるからね?グフフ
パパン!パパン!ガンガン!
ワンツー2発のあと、ハイキック、ミドルキックのご褒美いただきました!
ミドルキックはパンツがちらっと見えるか見えないか、やっぱり見えない? ので、とても良かったです。芸術点☆5入りました! 思い出すだけで今晩もはかどります!ゴチっす!
俺は妹が大好きで大好きで大好きなので、妹の姿を思い出すだけでイロイロいけるのだ。あ、家族の信愛ってことです。まったくエッチなことじゃないよ?
透明になる前の朝とほとんど変わりなく、透明人間の俺は、いつものように食卓についた。
「タケちゃんもマミちゃんも、起こされなくても起きてくれるようになって、お母さん嬉しいけど、ちょっと寂しいわぁ。」
そりゃ俺ももう高校だし、少しはね。体は透明だから動くパジャマだけどね!
妹のマミはちゃんと制服@ミニスカに着替えている。パジャマ姿めちゃくちゃ可愛いんだけど、写メ毎日千枚ぐらい取りたいんだけど、最近あまり見せてくれないのだ。お兄ちゃんは寂しいぞ。
父さんが新聞を読みながら、口を開く。
「透明人間か。それもいいが、ちゃんと勉強するんだぞ。」
わかりました、父さん。
「ほんとにもう、ご飯の時は新聞は横に置いてねって言ってるのに。」
そして母さんに怒られる父さん。
いつもとあまり変わらない、昭和感あふれる朝の風景だ。
ごはんとみそ汁、目玉焼きにソーセージを炒めてケチャップをかけたやつだ。
「母さん、いつもありがとう、おいしいよ。」
透明人間記念でいつもは口に出すことはないようなことを言ってみる。
母さんはちょっとびっくりしたような顔をしたあと、笑顔で応えた。
「あらら、そう言ってもらえると嬉しいわ。」
ほとんどいつもの通りだけれど、ちょっとだけいつもの通りじゃない朝だった。
行ってきますをして、俺は学校に向かった。俺は高校、妹のマミはまだ中学だが、どちらの学校もほとんど同じ場所にあるので通学は一緒だ。なかよしこよ……パンパパン!ぐはっ、もうほんとツンデレなんだからぁ、げへへ。
そのとき俺たちのちょっと前を歩いていた女子高生が立ちどまり、振り返った。びっくりするぐらい美人で、美女で、美少女で、髪の毛なんてサラサラのツヤツヤで、ほっぺはぷにぷにで、そしておっぱいが大きい、おそらく形も良いし、先っチョは……子供の時以来見たことない。俺の心の嫁、幼馴染のマコトだ。
俺はマコトにいつものように挨拶する。
「おはよう、マコト。いつも君だけのことを考えてる、心の底から愛してるよ~。」
「おはようマミちゃん、それとゴミ、、? なんか透明?」
「あ~んもう、マコトってツンデレさんなんだから~。」
透明人間って、食べたものは見えなくなるけど、着ている服や持っているカバンはちゃんとしっかり見える。なので何かがいることはわかるのだ。
マコトはいつものごとく俺を無視し、妹のマミと連れ立って俺の少し前を歩き始めた。歩くたびに二人のお尻がぽよんぽよ~んと揺れる。それに合わせてミニスカがひらんひら~んと揺れる。
ぽよ~ん、ひら~ん。ぽよぽよ~ん、ひらひら~ん。揺れるたびにパンツが、ギリギリ見えるか見えないかのところをキープしている!
あと五センチ!五センチかがめばすべてが、時の鼓動が見える!
そんな俺を後押しするかのように、ヒューっと一陣の風が吹いた。
しかし完璧な守備の前に、一陣の風は敗れ去った。
一瞬だけ、あ、めっちゃスカートがヒラってした? ヒラってしたよね? パンツは? パ・ン・ツ・は!? 三次元幾何学的には確実に見えているはずなのに目でとらえることができない! 高速カメラをもってしてもおそらく捉えられない、超絶な一瞬の出来事、これが絶対防御というやつか!
と心の声は叫んだけれど、真実、まったく見えるには至っていなかった。残念極まりない。
正直なことを言えばパンツなんてただの布なのでどうでもよくて、大切なのは■■■■■■■ 黒塗り ■■■■■■■、いろいろ思うことはあるが、最も大切なのは家族や近親者に対する純粋な愛情なのだ。
まあ、たしかにパ(自主検閲)
「くそう、こうなったら、マコトの家のお風呂にハダカで入ってやる! そうすれば……」
「絶対やめてよね?」
「はい、わかりました。」
俺はマコトのお願いにはまるで弱いのだ。
「うちのお風呂でもやめてよね?」
「うちのお風呂はちょっと……服着たままお風呂に入れないし。」
「やめてよね?」
俺は妹にも弱いのだ。だがお風呂に入るときには声掛けすることで許してもらった。
その晩、お風呂に入っていると、それに気づかなかった家族が入ってきた。
「うわお!」
まさかの父親。
俺は父さんの背中を流した後、風呂を出た。
未だ透明人間のままである。
世間の人はいざ知らず、家族や幼馴染は、あなたの見た目がどうとか、透明とか、そんなことは全く関係なく、あなたの本質を見てくれるのです